時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ワシントンの銃弾
「プレデター」(監督:ジョン・マクティアナン)
この映画、初めて観た。基本的に密林冒険物だが、これ、宇宙人である意味が果たしてあるのだろうか。まぁ、その方が奇抜で楽しいのは事実で、野暮は言いっこなしといったところか。
話の内容は川口浩探検隊のようなもので、プレデター=猿人バーゴンといったところだろう。昔からある秘境冒険物の基本パターンを忠実に守り通した、娯楽活劇であるといえる。

だが、作品は予期せぬところで、製作者の無意識を表してしまう事がある。やや妄想めいているかもしれないが、天邪鬼な考察を少々加えてみたい。
この作品の舞台は中南米の架空の国である。そして本作の制作時期は1980年代、中南米の各地で野蛮な独裁政権が、アメリカの肝煎りで林立していた時期である。冒頭の反政府ゲリラのモデルはサンディニスタ民族解放戦線だろうか。
本作のあらすじを今一度確認すると、ゲリラを殲滅したアメリカ軍がその帰路に、今度は自らが怪物の標的になるという話であった。だが、前述の時代背景を考えると、「プレデター」にはアメリカがこれらの解放闘争に抱く病的な恐怖心が、無意識のうちに反映されているのではないだろうか。つまり、ゲリラ兵士達はモンスターであるというわけだ。
征服者、統治者に対する叛乱の記憶が、怪物譚の形をとって語り伝えられることは古来よりよくある話である。我が国でいえば、「土蜘蛛」などがその典型である。本作がそうした手法を期せずして踏襲している、というのは考えすぎだろうか。
残忍なアメリカ軍兵士達が、密林の中で次々と倒されていく話、そんな観点から本作を見直すと、また興味深いかもしれない。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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