時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
終わらなかった少年期
松本零士がフランスで芸術・文学勲章を受けたという。松本マンガで育った世代としては、取り敢えず祝福したい。ハーロック、999など主要作品のほか、「ワダチ」、「大純情くん」、「とらじまのミーメ」などの作品群にはお世話になってきた。時折マッチョ主義が鼻につくところはある(緑色の方のアルカディア号のデザインは象徴的だ)が、積極的に評価していいと思う。まさに私達の少年期を彩ってきた、大いなる存在であった。
現在入手が容易かどうかわからないが、松本作品の世界観を総括したものが「ミライザーバン」だと思う。輪廻転生、永劫回帰の時間の輪といった主要なテーマが、全てここに描かれている。松本作品に関心のある方は繙いてみるといいだろう。
実を言うと、つい先日、友人と松本マンガの話題で延々と話し込んでいたところである。かなりコアな作品論を語った後の結論が、「あの人は何で今、あんなになっちゃったんだろうねー」だったのだが。

松本作品は、ある時期から急速に絵柄、内容共に劣化していったように思う。「四次元世界」「男おいどん」の素晴らしさはどこに行ったのか。「999」の続編、「ワルキューレ」(「ニーベルンゲンの指輪」の二巻目)、「無限海漂流記」の最終話などは、それまで作り上げたストーリーを完全に台無しにしている。何よりも、空回りした演説が多い。「男おいどん」の大山少年は、演説などしなくても充分に自己を主張していた。
著作権がらみの醜態はいうに及ばず。「ヤマト」騒動、槇原騒動をはじめとする一連の事件を見ると、ますます心が遠のいていくのを感じた。苦労が多かった分、屈折したのかもしれない。
ACTAについてはどうなのだろう。西欧の優越主義をあれだけ憎悪していたところからすると、かなり微妙な気がするのだが。

999

↓ちょうど今、レンタル中のCD。怖いくらいにタイムリーだ。
matsumoto
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この記事に対するコメント
「男おいどん」、好きだったなぁ…
「男おいどん」、好きだったなぁ…最終回が唐突なのにリアルタイムで衝撃でした。今でも男子のきちゃない下宿にはサルマタケが生えるんでしょか?(笑)
「キャプテンハーロック」とか戦記ものも幾つか好きでした。ただ女性キャラがあそこまでいつも同じ顔というのは、チョイ気になったこともありました(苦笑)…今は…いや過去の名作を堪能するとして。
関係ありませんが最近見た映画「ハダカの城」、あの雪印食品の牛肉偽装を告発した西宮冷蔵の社長さんのドキュメンタリーはとても面白かったです。電気止められちゃったり大変だったのに、ユーモアを忘れない社長さんはエエ感じでした。
【2012/10/25 01:08】 URL | ふぶら #- [ 編集]

Re: 「男おいどん」、好きだったなぁ…
> 「男おいどん」
突然下宿を出てしまうんですよね・・・意外とサルマタケは女性の間で知名度が高いようです。

身近にコアな松本ファンがいたため、戦記物からSFまでかなり幅広く読んできたように思います。戦記物では、無人島に不時着した日本兵とアメリカ兵が、お互い理解し合えずに老いさらばえるまで争い続ける話が印象的でした。
「999」や「ダイバーゼロ」といった作品を観ると、あの人にはマザー・コンプレックスが強いのかなと思います。まあ、メーテルは名前からしてそのままですが、マッチョ主義とマザコンは近しい関係にあるのかな、と妙に納得してしまいました(笑)

10年くらい前、一度だけ、本人を見たことがあります。新宿の紀伊国屋を訪れた際、偶然サイン会が催されていました。整理券の配布は既に終わっていたのですが、もっと早ければ並んでいたのかな(笑)
【2012/10/26 00:38】 URL | のわーる #- [ 編集]

まざこんさんいらっしゃい(*^_^*)
所謂「マチスモ」と「マザコン」の関係は良く語られますよね…美術だとイタリアの未来派とかにその傾向があるとか、ラテン文化圏のマチスモと聖母マリア崇拝の強力さ等、昔聞いたり本で読んだりしました。スペインはフラメンコのA・ガデスの「血の婚礼」では、花嫁を別の男にさらわれた新郎たる息子に母親が「相手の男を殺せ」とナイフ渡しちゃってたような(汗)…母の力きょーれつ!
ま、「男性らしさ」を強調すればするほど、補完するように「母=女性への信奉」も強くなる、みたいな?「何だ、要するにバランスじゃん!?(笑)」。
「ラピュタ」の空賊さんのゴッドマザーと息子達は微笑ましかったです。ああいうマザコンさん達は平和でよろしいです(にこ)。松本先生のマザコンぶりは、チョッと歪みが怖いようなところが逆に魅力かもしれません。だからゾクッと来る様な戦記ものも描けたのかしら。
ところでサルマタケは…そーなんですか?!ありゃ男子下宿の華(笑)女性が興味津々とは(^_^;)
【2012/10/26 01:08】 URL | ふぶら #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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