時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
暴走する政治、暴走する報道
古い話題だが、漸く頭の整理がついたので書き記す。

「週刊文春」の反原連記事についてはいまさら説明するまでもないと思う。「便所の落書き以下」(火炎瓶テツ)と評するに相応しい、最低のレポートだった。
多くの人が語るように、反原発の活動を理由に、実家まで探られるような事があってはたまらない。甚大なプライバシー侵害を犯している事も事実であり、擁護する余地はない。ならば、一体報道はどこまでであれば取材を許されるのだろうか。
一般には、その対象が「公人」であるか、「私人」であるか、によって、線引きがなされると思う。だが、私人であるとはいえ、取材を自粛するかといえば、必ずしもそういうわけではないと思う。必要があれば、これを追いかける事も充分にある。安田浩一が在特会の「桜井誠」と名乗る人物の実家を取材した事を思い出して欲しい。
実際には、こうした取材の是非には客観的な基準など存在しないと思う。仮に法律などで基準を設けようとすれば、ジャーナリズムにとって、甚大な被害をもたらすことになりかねない。角を矯めて牛を殺すわけである。
結局、取材する記者には「自らの取材行為が人を破滅させるかもしれない」という自覚と、それに基づく慎重な配慮が必要だろう。一体、本当にそれを記事にする必要があるのか。そうした葛藤を経た上で尚、それだけの必要があると判断した時に初めて、その情報を提供する事が許される。それが報道する側の原点である。元をただせば、ヤクザな商売なのだ。
さて、「週刊文春」の報道姿勢には、このような誠実な配慮はひとかけらも見られなかった。これはあくまでも暴露主義的に人を傷つけ、貶めるために作られた代物である。反原連の人々に対し、悪しき印象を社会に与えようとする、印象操作のために発表されたプロパガンダだったのだ。
報道としての力を徹底的に悪用し、特定の勢力に奉仕するためになされたのが、「文春」の反原連記事であった。だが、頽廃しているのは「文春」ばかりではない。ACTA、秘密保全法、瓦礫拡散等、一向に報じない他のマスコミも五十歩百歩である。私達の社会は、このまま座して死を待つのか。
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この記事に対するコメント
東京&大阪コーリング
結局、背景に「国家権力」が見える、見えない、で判断すれば良いのではないでしょうか?  

文春(新潮も)については、「ロス疑惑」の時から全く変わっておりませんなぁ。  
さすがに、本件については、テツ氏も怒って当然です(私も視ました)。  

珍タロウ君の、耐震住宅云々によれば、私は「我欲の塊」なんだそうだ。  

そして、橋の下の人、また「戦(いくさ)」って…好きだねぇ、ナビ役の村上龍も落ちぶれたもんだ。 
【2012/09/13 23:55】 URL | ダムド #- [ 編集]


□○に言わせれば、誰も彼も「権力の走狗」です(笑)。
実はこの文章を書いているとき、もうひとつ、森達也が麻原彰晃の出身地(熊本)を訪ねたことが念頭にあったのです。こちらは実にユニークなレポートでした。同じ対象を取材しても、切り口によって全く違う記事が出来上がる。結局、何故取材するのか、如何に取材するのか、が重要なのだと思います。
【2012/09/15 00:21】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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