時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
2016年の映画 私的ベスト&ワースト(完全版)
「映画芸術」のベスト&ワーストを見ていて気がついた。「あー、わたしのベストには断食芸人とFAKEが抜けてるよ」
つい横着を決め込んで、自分のブログも見返さずにランクを決めてしまったのが災いしたか。耄碌するにはまだ早いが、去年印象的だった映画がすっかり抜けてしまうのは情けない。ワーストは不動の「シン・ゴジラ」一点だが、ベストを再度掲げておく。

1位 聲の形
2位 FAKE
3位 断食芸人
3位 マンガをはみだした男 赤塚不二夫
4位 この世界の片隅に
4位 アイアムアヒーロー

それにしても荒井晴彦、「シン・ゴジラ」は嫌いだろうなと思っていたら、案の定「どこが面白いのか分らなかった」と一蹴。「便乗ビジネスには乗らない」とそれ以上は語らなかったが、そこは突っ込んで欲しかった。

今年観た映画は
「傷物語 冷血編」(監督:尾石達也)
「沈黙~サイレンス」(監督:マーチン・スコセッシ)
「アメリカン・スナイパー」(監督:クリント・イーストウッド)
である。体力のある時に、それぞれ感想を記してみたいが、また忘れてしまいそうなので、短くコメントする。
「傷物語」は、三部作の完結編。上質のエンターテインメントとして、なかなか楽しめた。キスショットの屈折した愛情がいい。
「沈黙」は、実は原作未読。遠藤周作は「死海のほとり」「海と毒薬」「白い人」などを読んで、重要な作家として意識していたが、時代小説が苦手なことから、つい読むのが遅れてしまった。映画そのものはずしりと心に響く作品。イッセー尾形による、金子信雄ばりの怪演も見事だ。ただ、最後のシーンは説明的で不要だったと思う。
「アメリカン・スナイパー」は、人によって見方がまるで分かれる映画。わたしが観たところ、米兵の鬼畜ぶりががっつりと描かれていたように思えたが、人によっては「米兵の悪事を正当化している」と見えるらしい。どうも、観る人がそれぞれ何を抱えているかによって、見えるものが異なり、評価が分かれるようだ。その点、R.スコットの「ブラックホーク・ダウン」にも共通するだろう。
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雑想 2017.1.21
来週からはもう少し自由に色々出来そうだが、今は目の前のことに専念したい。するしかない。
私的な事柄であり、端から見れば下らないことかもしれないが、ちょっとここでしくじるわけにはいかないのだ。落ち着いたら詳細を記そうと思っている。
まぁ、仮にこれを乗り切ったとしても、虫けらのように毛嫌いされ、ゴミのように扱われる実生活の現実には何ら変わりは無いのだが。


↓こいつら、いい勝負だな。
ズォーダー
2ズォーダー

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お笑い国策映画は如何
日本政府が明治維新映画の支援を検討しているらしい。やろうとしていることは国策映画そのもので、いかがわしいことこの上ないが、寺山修司あたりが生きていたら、支援を受けた上で自分の作りたいものだけを勝手に作ってしまいそうな気はする。ピンク映画勢からのカウンターも期待したい。
とりあえず、ゴジラとキングギドラが出てくるのなら観に行ってもいいかと思う。巨大ロボットを出すとか、今流行りの全キャラ美少女化してドタバタコメディにするとかならありなんじゃないか。

与太話ついでにホラー物のストーリーを考えてみた。
薩長からゾンビが現れて大パニック。日本中でパンデミックを起こし、遂に江戸も陥落。最後には生き残りが五稜郭に立て籠もり、生存を図るというもの。
ジョークとして考えたのだが。よくよく考えたらかなり正統な社会的寓話になりそうだ。この薩長=ゾンビの映画、誰か実現してくれないか。

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2016年の映画 私的ベスト&ワースト(不完全版)
年末に映画のベスト・ワーストを挙げていなかったので、ここに記す。
ベスト
1位 聲の形
2位 マンガをはみだした男 赤塚不二夫
3位 この世界の片隅に
3位 アイアムアヒーロー
以下、君の名は。、艦これ、きんモザ等々が続くが、ほぼ同じくらいの順位だ。

「この世界の片隅に」は、戦争期の一人の女性の生き様を丁寧に追った作品で、イエ制度のグロテスクな姿や、戦時下の息苦しさ、空爆の恐怖、愛する者の死等々が描かれ、その中を必死に生き抜こうとする主人公の姿が心を打つ。
一部で「反戦メッセージが無いのがいい」などと言った頓珍漢な評価がなされたが、基本的に日本の反戦映画はこのようにして描かれてきたのであり、この作品もその流れの中にある。「加害責任が描かれていない」というのはごもっともだが、日本の庶民が加害責任を自覚などしなかったのは事実で、このストーリーにそれをネジ込もうとすれば、出来の悪いプロパガンダにしかならない。創作活動は、「正しければいい」というような、甘っちょろいものではない。
尚、本作を「仁義なき戦い」に結びつけるユニークな意見が見られたが、全く正当である。わたしもこれを支持したい。

「艦これ」は出来の悪いTVアニメ版の続編をなした作品である。TV版の出来の悪さはオトナの事情が色々絡んでいるのだろうが、こちらは打って変わって、「見られる」作品に仕上がっている。ストーリーはシリアスに絞り込み、雰囲気をぶち壊すような登場人物は極力排除しているなど、なかなかの本気度が窺われる。
闇落ちした吹雪との対話は、もう少し深く切り込むことも出来たと思うが、「無念の数だけ希望がある」という台詞は悪くない。軍艦が活躍する必要など全くないのだが、せめて人々の記憶に残って欲しいというのは分からないでもない。これ以上踏み込むと、「これは艦これという作品自体のメタフィクショナルな意味を明かしているのでは」という妄想に駆られるので、この辺にしておく。
ただ、話の構造がゲーム設定にまだ捉われているのは事実で、「これは別物」と割り切って、もっと大胆な展開をもってくれば評価は一層上がった筈である。また、多くの人が指摘していることだが、最後のシーンは不要だった。如月の帰還は「これからの希望」として残しておくべきで、分かりきったことをわざわざ説明するのは野暮というものである。そこが残念だった。あと、TV版はこのクオリティで、二時間程度の映画に作り直して欲しい。そちらを決定版にして、あの悪夢を葬り去るべきだろう。

「きんいろモザイク Pretty Days」は、ほのぼのとした小品で、好感が持てる作品である。あまり期待せずに観たのだが、嬉しい誤算だった。
ストーリーは大宮忍をはじめとするレギュラー達の、高校受験を回想する話である。この劇場版の実質的な主人公は小路綾なのだが、彼女は志望校を辞退して友達と一緒の高校に入学する。これは現実的に考えると無茶な話で、このキツい部分を最終的に「自分の選択は正しかったんだ」と纏め上げたのは見事だった。
別の作品で、友人の海外留学を当たり前のように止めてしまうアニメがあったが、人生の重大な決断を安直に扱われたらたまらない。それに見合うような明確な動機付けはやはり必要である。

ワースト
1位 シン・ゴジラ

ワーストははっきりこれを挙げておく。「ヤクザと憲法」はやや期待はずれだったが、ワーストにはあたらない。2016年に観た映画でマイナス評価を下した作品は、この一本のみである。どれだけ絶賛が集まろうと、この薄っぺらさは容認できるものではない。

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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