時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
年末にあたり、とりとめもないことを記す
腰痛が続くため、安静にしたままとなっている。
年末といって、特に感慨も無い。今年はそんな一年であった。世相を見れば、碌でもないことばかり続いていた。「愚劣」の一言に尽きる。わかり切っているので、詳述はしない。
私生活では、転職するなどの幾許かの動きはあった。明らかに心身ともに変調を来たしていたので、潮時だったと思う。それでも、生活が苦しいことに何ら変わりは無い。

新作映画もあまり観ていないので、今年もベスト・ワーストの評価は避ける。レビューしたい作品も溜まっているが、もう少し後にする。うまく纏まらないのと、腰痛で集中できないためである。題名だけをここで挙げると、以前記した「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」、「楽園追放」、「ファースト・スクワッド」。何故かアニメ映画ばかりだが、どうしたことか。漠然と絵の快楽に身を委ねていたということだろうか。勿論、そんな単純な話では無い筈であるが。

さて、書くことが無くなったわけではないが、どうも中途半端になりそうなので、これくらいにしておこう。些か投げやりではあるが、今年はそんな年だった。こんな締めくくりもありだろうかと思う。

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ある種のご都合主義について
死んだ筈の登場人物が生き返るというのは、ドラマ作りでは最大の御都合主義であると思う。 だが、そんなご都合主義が二千年間人々の心の支えとなってきたわけだから、作劇法としても、必ずしもバカには出来ないのだろう。ティルトゥリアヌスの曰く。神の子は甦れり。我これを信ず。そは不可能なればなり…
文学作品ではどうだろう。シャーロック・ホームズが無理矢理復活させられたことは有名だが、他にはどうか。聖書物だが、アンドレーエフの「ラザロ」くらいしか今は思いつかない。他に挙げようとすれば、どうしても怪奇小説になってしまう。まあ、致し方ないだろう。
これに対してマンガ、アニメ作品では、かなり多い。ファンタジーとの親和性が高いせいか。
キン肉マンやドラゴンボールのような作品は取り敢えず措く。それでも、「宇宙戦艦ヤマト」の森雪や「ガッチャマン」のコンドルのジョーなどから、「さんかれあ」などの作品に至るまで枚挙に暇がない。白土三平の「忍者武芸帳」での復活はトリックだが、この主人公の不死は作品のテーマと関わっている。お読み頂ければわかる筈だが、「民衆の存在が死ぬ(消え去る)ことはない」ということである。圧制に対する抵抗の意思は、潰されても潰されても決して絶えることがない、そうした民衆意思を体現したのが、この影丸という主人公の存在であった。
最近も、「黄昏乙女×アムネジア」という作品を興味深く観たが、こちらは恋人である幽霊が消滅後、再び戻ってくるというものだった。個人的に、「死んで悲しい悲しい泣きました感動しました」という作劇があほらしくてたまらないので、ぬけぬけとヒロインを甦らせてみせるこの姿勢は嫌いではない。甘っちょろいと言われそうだが、甘いことは決して悪いことではない筈である。余談であるが、同じ幽霊物でも「あの花」で復活が無いのは、喪失からの浄化が作品のテーマだからである。
亡くなった鈴木則文が、「映画は嘘でいいんだ、嘘を描くのは映画作家にとって、祈りのようなものなんだ」と語っていた。泣かせ映画や鬱アニメが今も一部で持て囃されているが、別にそんなものに深みがあるわけでも何でもない。安っぽい悲劇への傾斜はもう沢山だ。ガツンとくる作品を提示して欲しい。

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さまよえる「自由」
「レイプレイ」というアダルトゲームがあった。月刊誌「創」をお読みの方はご記憶のことと思う。海外からの抗議に遭い、販売中止になったといういわく尽きの代物である。ゲームとしての出来はいまひとつだったようで、マニアの間でも評価は高くない。私も内容は詳しくは知らないのだが、確か堕胎を巡る扱いの安易さが、攻撃のきっかけになったかと記憶する。
映画「ザ・インタビュー」を巡る騒動で、このゲームのことが妙に思い出されてならなかった。ここで表現の自由を唱える人たちは、このゲーム作品についてはどのように考えているのだろうか。多くの場合、「規制は当然だ」と言いそうな気がする。となれば、結局は線引きの基準を争っているだけで、「表現の自由を守れ」という命題は破綻する。作品を「靖国」と置き換えたり、「天皇伝説」「妹ぱらだいす」を代入してみてもよい。
ポルノ創作物=女性差別というのであれば、「ザ・インタビュー」も北朝鮮差別ということになる。また、この種のポルノ作品は、そこで描かれる世界に対し「そんな馬鹿な」と、一線を画すことを前提としているものである。そう考えると、「ザ・インタビュー」の社会風刺のほうが、現実に直結している分、「罪深い」ということになりはしないか。
私が言いたいのは、「表現の自由を守れ」というとき、事実に基づき、論理的一貫性を持った立論をして欲しい、ということである。「こちらは守るべきだが、これはダメだからダメ」「これは~に決まっているからダメ」では、論として失格である。
尚、「レイプレイ」よりも遥かに過激な性描写を描き、「ザ・インタビュー」よりもどぎつい社会風刺を含んだ作品が、パゾリーニの傑作「ソドムの市」であることを申し添えておく。

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汚辱の時代
二週間程長期出張に入っており、現在もそれは続いているのだが、取り敢えず近況を記す。
まぁ、秘密保護法施行といい、衆院選といい、酷いものだ。選挙については、私は前述の理由から、期日前投票を早々に済ませてしまった。そのため、消化試合的な感覚が意識に付き纏ったが、努めてそれを拒絶して来たつもりだ。とはいえ、仕事でバタバタしているうちに、投票日が来てしまったというのも事実である。
当日はホテルの一室で選挙速報を胸糞悪い思いで眺めながら、ヤケ酒を煽っていた。自民党としては、議席を幾分減らしたとはいえ、充分成果を得たことだろう。「有権者の信任」という形式上のアリバイと、向こう四年間の権力の座の保証を得たのである。
私達としては、沖縄などでの勝利はあるものの、総体として敗北であることは認めなくてはならない。勝てなかったことは事実だからだ。ここで「勝てなかった」というのは、自民の暴走を止められるだけの結果を出せなかった、という意味である。
アリバイ作りの成功で、集団的自衛権や原発再稼働にも、お墨付きが得られた。これまで以上に遠慮ないやり口で、事態が進められていくことを覚悟しなくてはならない。

もうひとつ、中休みを利用して見に行った映画「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」の感想を記したかったが、話題が辛気臭くなってきたので、別途機会を設けることにしよう。

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これだけは言っておく
ろくでなし子が再逮捕された。警察の弾圧も、ここまで来ると、病理的な領域に入っているという他ない。無論、彼女が「週刊金曜日」に執筆しているマンガが再逮捕の要因になっているのは事実だろう。つまり、運動圏に対する嫌がらせである。
さて、問題は同時にパクられた北原みのりである。運動圏が標的であるとすれば、警察権力としてはこちらが本命ということになるだろう。この徒輩が、「フェミニズム」の論客として受け入れられ、一部でもて囃されて来たのは周知の事実である。
所謂オタク文化にまつわるこの薄バカの発言の出鱈目さ、愚劣さ加減については、何度も指弾したとおりである。この人物は、オタクと呼ばれる男性の性的嗜好に対し、憎悪を込めた悪罵を投げつけ、口汚く罵ってきた。個人の秘めやかな内心の領域に暴力的に踏み込み、醜悪極まりない罵言を投げつけてきた。反権力でも何でもない。「弱者には強い」という典型なのだ。私が「週刊金曜日」の購読をきっぱりやめた理由のひとつが、この人物の執筆した記事である。思い出すと胸が悪くなるのでいちいち繰り返さない。
だが、刑法175条で逮捕されたとなれば、話は別である。このど阿呆のこれまでの垂れ流し的悪罵を免罪するつもりは一切無いが、まず、性表現に対する弾圧は決して許されてはならない。これは絶対的な原則である。そして、今回のように「猥褻」を口実とした言論活動、社会活動への弾圧は許されてはならない。これも自明の理である。
よって私は、ろくでなし子再逮捕に抗議すると同時に、北原に対する不当逮捕をもまた、弾劾する。

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弾はまだ残っとるがよ~菅原文太逝く
菅原文太が亡くなった。鈴木則文、高倉健に続き、東映の黄金時代を彩った映画人が、またも他界することとなった。本当に、近しい人の死はなぜ連鎖するのだろう(こうなると体調を崩している田中邦衛のことが気掛かりである)。
「仁義なき戦い」、「県警対組織暴力」、「トラック野郎」、「太陽を盗んだ男」、「ボクサー」等、映画をめぐる思い出は尽きない。運動圏では脱原発、平和運動の旗手という側面(それはそれで立派なのだが)ばかり取り上げられているが、彼の出演したすばらしい映画群とじっくり向き合って欲しい。「仁義なき戦い」は現代社会の縮図を象徴的に描いた傑作であるし、「トラック野郎」は、山田洋次が捨て去った下品さの中に、人間劇の本質を探り出した快作だった。「太陽を盗んだ男」についてはご存知の通りである。原発から天皇制、寄る辺の無い青春像といった、多様なテーマを盛り込んだ、日本映画の極北だった。本当に良作に恵まれた人であったと思う。あるいは、映画が菅原文太という俳優に恵まれた、と言えるかもしれない。
若い頃の菅原はかなり生意気だったらしく、助監督時代の若松孝二から「お前なんぼのもんじゃい!顔に傷つけるぞ!」と恫喝されたという。後になって、「俺を脅したの、お前だけだ」と語っていたとか。さすがに本物のヤクザ経験者にはかなわない。

ニュースによれば、高倉健に対して国民栄誉賞の授与が検討されているという。まさに政治的茶番劇以外何物でもないが、自民党政権に真っ向から立ち向かった菅原文太には、流石に贈られそうにはない。贈られたとしても、喜ぶはずが無いだろう。
「こがなことされて、満足か?満足じゃなかろう?儂も同じじゃ」(仁義なき戦い)

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プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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