時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
母親の件で呼び出されたため、午後から病院に向かう。結局兄が紛らわしいメールを送りつけてきただけで、何の問題もありはしなかった。ヤレヤレだ。ただ、休日はこんな感じでバタバタしそうなので、様々な社会的アンガジュマンは控えることになりそうだ。

ドストエフスキー「未成年」(上)読了。学生時代に何度アタックしても序盤で挫折してきた代物である。後期のドストエフスキーには「罪と罰」の系譜と、「カラマーゾフ」の系譜があるが、本作は前者に連なるものである。私が好きなのは後者の方なので、少々馴染みがたい。
ちなみに私が読んでいるのは新潮文庫の工藤精一郎訳(全二巻)である。まだ五百ページにも及ぶ下巻が待ち構えているのだが、ちょっと長い旅になりそうだ。
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断片的な記録
名護市町選挙。稲嶺氏が勝ったのはまず嬉しい。だが、早速「基地反対が民意の全てではない」との言説がメディアを通じて流れ始めた。もしも末松氏が勝ったとしても、「基地賛成が民意の全てではない」とは言わなかっただろう。露骨さが余りある。

「永田町の民意」って何だよ。官僚の民意、多国籍企業の民意、軍需産業の民意、何でもありだな。「民意の尊重とは、オレ様の言うことをきくことだ」そう言いたいのだろう。レベルが低すぎる。

映画秘宝、映画芸術のベスト・ワーストが発表された。この所映画を観る余裕が全くないため、論評するすべを持たない。にしても、映芸一派はよっぽど山田洋次が嫌いなんだな。「馬鹿タン」あたりは高く評価しているようだが。

駕籠真太郎の画集「女の子の頭の中はお菓子がいっぱい詰まっています」を購入。残酷絵の集大成で、なかなか面白い。会田誠のエグい所を集めたようなものだと思えば大体のイメージは沸くと思う。駕籠ファンにとって見れば、「いつもの駕籠真太郎」なのであるが。

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疎外された選挙
疎外論的文脈で語るのであれば、現代日本における選挙のあり方は、選挙から人間性が疎外された状態にあるといえる。そこでは党利党略のみが至上の命題と位置づけられ、巧妙に立ち回ること、勝ち残るための技術的な巧みさのみが求められていく。いわば、戦術論が物神化されるのだ。挙句の果ては、戦略を語ることが運動の本質であり、倫理そのものであるかのような理念的倒錯が生まれる。
無論、ここで「今こそ選挙に人間性を取り戻せ」と観念的に叫ぶつもりはない。嫌な話だが、現状では、一旦このグロテスクな状態を受け入れた上で事態を打開して行くしかない。廣松渉風にいえば、資本主義社会の物象化はそれほどまでに強固なのである、というところだ。
だが、この現在の状態を当たり前のものである、絶対的なものであると錯認しないで欲しい。選挙のあり方とは、一種の社会的関係性である。恒常的な属性ではない。
そもそも社会運動に携わる人達は、こうした動向に飽き足らず、新しい政治の形を求めている人が殆どだと思う。これに対して、戦略至上主義的な立場から罵詈讒謗を投げつけたり、憎悪をこめて攻撃したりすることは愚劣である。人間性を求める運動が人間憎悪に転落する事例には、もううんざりだ。何度同じことを繰り返すつもりか。

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昨日母の見舞いから帰宅した後、病室でインフルエンザ患者が発生したとの連絡が入る。ちょっと勘弁して欲しい。にしても、やばくないか?私に関しては、今の所大丈夫な模様。

先日言及した長い小説は小休止。ミステリー小説やラノベなどを3、4冊読んで漠然と過ごしていた。この所、全くといっていい程テレビを見ない。どの番組もあまりにも見苦しい。どこへ出向いてもいい顔されるわけでなし、このまま隠者にでもなってしまおうかとちょっと考えるが、流石にこのご時世、そうも言っていられない。まあ、今暫くは否応無しに身動きが取れないのであるが。

ところでタイ情勢だが、あれは富裕層が反政府デモを主宰、逆に貧困層はタクシン側を支持しているという。わが国の運動圏で「タイに続け」という声が聞こえるが、事態はそう単純ではないらしい。ちょっと慎重に見て欲しい。

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雑想-1.11
連休の初日だが、母親の見舞いやら、携帯の機種変更やらで一日が丸々潰れた。
晩になって、思い切って押入れの書物を整理する。整理といっても、要らない本をピックアップするというだけである。
結果、かなり処分すべき本が発掘された。何故か捨てそびれていた、中高生の頃のテキストや問題集などである。同時に、探していた本が見つかるなどの成果もあった。何十年ぶりだろう。いやー、こんな所にあったのだね。今度じっくり眺めてみよう。

少々長い小説を読んでいるのだが、いくら読んでもストーリーが殆ど進まない。読み終わったらレビューしようと思うのだが、この分だと何を書けばいいのか、ちょっと困りそうである。

権力争いの様相を呈してきたので都知事選とは距離を置いてきたのだが、一応記しておこう。
・権力者を甘く見るな。利用しようとして、逆にこちらが振り回され、骨の髄までしゃぶられることはよくある話だ。
・戦略に溺れるな、酔うな。宣伝やイメージ戦略などを振りかざしても、同じ土俵で勝てるほど敵は甘くはない。
・同じ陣営での誹謗中傷をするな。刺される覚悟無しには言ってはいけないような罵詈讒謗が散見される。最低だ。

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雑想
米澤穂信「秋季限定栗きんとん事件」読了。主人公の高校生達が放火事件を解決するというもので、現在までのところ、一連のシリーズの最新作品である。元々題名のきわもの感に惹かれて一作目の「いちごタルト」から読み出したのであるが、ラノベ感覚ですいすい読めるミステリーだ。内容的には取り立てて言うほどのものは無いが、深く考えずに安心して読める作品があってもいい。

そうこう言っているうちに、三が日も終わってしまった。入院騒動の影響で、休んだ感じがまるでしない。とにかく消耗した正月だった。早いところ落ち着きたいものである。

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同じだった、全く同じだった。
新田次郎「八甲田山死の彷徨」読了。読もう読もうと思っていながら購入する機会がなく、長らく未読となっていた一冊だった。誰でも知っている小説であるし、今更レビューを描くのもバカバカしいので簡単に済ませよう。尚、橋本忍脚本の映画は未見。
この小説は、山岳小説としての側面と、軍隊小説としての側面を併せ持っている。
前者においては一種の破局的な探検物としての興味を、後者においては今日に通じる様々な問題性を喚起させられた。
「不可能を可能にするのが日本軍人である」的な、わけのわからない精神主義は、昭和の戦争においても踏襲されている。これが南方戦線で膨大な餓死者を輩出する要因ともなった筈である。竹槍でB29を打ち落とそうとする様子にたとえてもよい。また、人体実験的な決死行は、国家が人間の命に何ら重きを置いていないことを示している。これは今日の福島の現状にも当て嵌まる。
遭難死した兵士を靖国神社に合祀するくだりを読むと、靖国という装置がいかに公権力の犯罪を正当化するかについて、色々考えさせられた。遭難死の原因を作ったのは公権力だが、戦死と同様の「栄誉」を与えることでカモフラージュし、あまつさえ、これを美談として利用しようとさえする。このグロテスク極まりない構図は、現在も別の場所で、形を変えながら尾を引いている。
この決死行は「日露戦争のため」という、明治帝国主義の「大義」のために行われたわけであるが、こうしてみると、今日の社会は当時から何ら進歩していないのではないかと慄然とさせられる。進歩史観的な物言いをしたいわけではない。私たちが過去の過ちから何ら学ぶことなく、同様の罪を再生産していることが問題なのだ。もう、いい加減にしたらどうか。

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元旦の雑想
馬。英語ではホース、フランス語でシュヴァル、ロシア語ではローシャヂ、ギリシャ語ではヒッポスとなる。・・・などと南方熊楠の物真似はどうでもいいのだが、とにかく今年は午年である。
埴谷雄高の短編小説集に、「闇の中の黒い馬」という作品がある。夢を基調にした思考実験なのだが、もう読んだのもかなり昔なのでちょっとここで論評することが出来ない。試みに繙いてみることをお勧めする。「死霊」とは一味違った埴谷宇宙に触れることが出来る筈である。駒井哲郎の銅版画が印象的だった。
黙示録では子羊が封印をとくと、白い馬、赤い馬、黒い馬、蒼ざめた馬が現れる。最後の蒼ざめた馬の背には「死」が跨っているのだが、聖書に馴染みのない人にも、この件りはよく知られているだろう。ロープシン(サヴィンコフ)の虚無的なテロリストを描いた小説の題名となっているのも周知の通りで、ロシア文学に関心のある方には是非ともお勧めしたい。

取りとめのない話ばかり書いてきた。さて、元旦だが、家にいてもつまらない。テレビなどは論外である。母親の快癒祈願もかねて、初詣にぶらぶら出かけてみた。近場で済ますことも出来るのだが、賑わいがない。ああいうものは、ワイワイした雰囲気を楽しむものである。出来ることなら仲間と連れ立って行くのがいい。
成田山新勝寺だの浅草寺だのは並んでいるだけで日が暮れてしまうのでちょっと勘弁だが、秩父の「あの花」神社や、「シュタインズゲート」のるか子神社なども賑わっていたのだろうか。馬鹿にする事勿れ、小説や映画の聖地めぐりなら、昔からある話である。色々な楽しみ方があっていい筈だ。

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プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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