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汎芸術アンパン

2013.03.21 (Thu)
国立新美術館で日本アンデパンダン展。反ACTA/TPPチームの出展に駆けつける。歌唱とスピーチによるパフォーマンスは上々だったが、一般の客足がその間は途絶えていたのが気になった。
作品の傾向は様々だが、原発、オスプレイ等の社会問題を扱ったものが目立つ。元々プロレタリア系の作風が強かった展覧会だ。今でもその名残があるのだろう。個人的にはどこか捻ったもの、多層的な感性のフィルターを通したものの方が好みだ。「彼に仮面を与えよ。さすれば彼は真実を語るであろう」とオスカー・ワイルドは言ったものである。

かつてわが国には二つのアンデパンダンが存在した。ひとつはこの日本アンデパンダン。もう一つは讀賣アンデパンダンである。当時、前者がお行儀のいい社会主義リアリズムを基調としていたのに対し、後者はひたすらアナーキーな作品が群れ集う磁場となっていった。そして表現の可能性を極限まで突き詰めた結果、最終的に自壊してしまったといえるのだが、美術史上の意義は小さくない。
赤瀬川原平「反芸術アンパン」を読むと、この讀賣アンパンのおおよその雰囲気がわかるので、一読をお薦めしたい。展示作品には「タンスはあるしヤカンはあるしドラムカンはあるしシャモジだってある。コッペパンやウドンまである」と記されている。

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