時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ACTAれ小僧
衆議院外務委員会でACTA強行採決。本会議での採決を来週に控えることになった。
流石に怒りが収まらず、何としても仕事を早めに切り上げて霞ヶ関に行こうと思っていたが、バカのせいで遅くまで残業。会社が終わった頃はとっくに経産省前の抗議行動も終わる時間だった。
「ネット規制強化は誤解」などと言い訳しているが、言うだけならタダだ。「政治家が安全だと言ったら安全」か?こちとら当てにするほどお人よしではない。治安維持法の時も、「取締りを受けるのは共産主義者と無政府主義者だけ」(それだけでも問題だが)などといい加減な嘘八百を並べ立てていたのはこの類の連中だ。お前さんたちの「感想」を聞いているんじゃない。条文が問題なのだ。「直ちに危険性は無い」? いい加減にしろよ。
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余裕の無い日常の中、考える
急に書類関係の仕事が忙しくなり、遅くまで残業。残業代固定なので給料が上がるわけでもないのだが、とにかく仕事が終わらない。

帰宅後、ちょっと前に某所に寄稿した映評の再チェックをする。今回どうしたことか、最初の段階でチェックさせて貰えなかったので、ひどい事になった。こういう場合、必ず誤字や脱落が不可避的に発生するものである。これ自体は致し方ないのだが、決定稿とする前に一度確認させて欲しい。意味不明な文章を私の名で掲載されては不本意だ。
内容的には、このブログに記した事柄の焼き直しではあるのだが。

明日は毎週恒例の霞ヶ関抗議行動だが、ACTAの採決が予定されていた日でもある。先日述べたように、何が起こってもおかしくない。気を抜けない状態が続く。私自身は今日の続きもあるので現場に出向くわけにいかないのだが。

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ACTAは悪だ
ACTAの採決で一日中ハラハラし通しだった。よくもこれだけハレンチな協定をぬけぬけと押し通そうとするものだよな。徹底的に隠蔽して危険な政策を押し通す。現在行われているこの手口こそ、ACTAが目指そうとしている世界そのものである。つまり、監視体制と情報統制社会だ。実に象徴的だ。問責決議で国会は空転する見通しだが、野党欠席の中でさえ、ゴリ押ししようとする可能性が大いにある。この協定を推し進める執行部の議員達は、磐石な選挙基盤を有している。つまり、どれほど悪質で出鱈目な政策をネジ込んだとしても、自分達の地位の安泰は約束されているという事だ。油断は出来ない。

先日購入したパティ・スミスの「バンガ」を聴く。しっとりとしたバラードが基調のアルバムで、力強いシャウトは無いが、荒んだ心には実に深く沁みる。

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無理が通れば道理引っ込む・・・?
相変わらず、原発絡みでは不細工なニュースが続く。
「原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが28日、分かった」(共同通信)
この理屈だと、どんなにムチャな立地条件でも、権威ある公的機関が「安全だ」と言い張ればそれでいいということになってしまう。「エライ人が「鴉は白だ」と言っているから、白なんだ」というのと同じ強弁である。
「安全だ安全だ絶対安全だ」、そう言い張った結果が今日の体たらくである。この期に及んでどういうつもりなのだろう。ここまでくると、「日本はアメリカとの戦争に必ず勝つ」と強弁していた時代と、何ら変わっていないように思えてくる。
気持ち悪いのは、こうしたわけのわからない屁理屈が平気でまかり通ってしまいかねない事である。歪な力関係や、ウケ狙いの甘言で、情勢はいくらでも暴走しかねない。油断せず、見張り続ける必要がある。

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かけがえのない日常
山本美香氏の訃報に際し、「女性ならではの視点で戦場を撮影」という文言が目立った。彼女が紛争地における人々の日常にスポットを当てていた事から、そのような評がなされているらしい。だが、優れた戦場カメラマンは、みな同じような事を行っている。広河隆一然り、豊田直巳然り、かの渡部陽一をそこに含めてもいい。このことは「DAYS JAPAN」のような雑誌を繙いてみれば、すぐに判る筈である。
何故戦時下の日常の姿に焦点を当てるのか。それは、彼/女らが平和というもの、日常と言うもののかけがえの無さを知っているからである。戦争を取材する事によって、平和の貴重さを見出していく。山本氏もその一人だった。
どうやらテレビ報道の間では「戦場の撮影=ドンパチの撮影」などという認識が根強いらしい。情けない事この上ないと思うと同時に、命がけで活躍している戦場ジャーナリストの意志が、伝わっていないのが悲しく思えた。勇ましい報道が続いてしまうわけだ。

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西も東も南も北も
西東京で原発反対デモ。今日はあちこちでデモがあった。優先順位など存在しない。あらゆる場所でたたかいは続く。
動員数は100人程度と決して大きな規模ではないが、よい内容のデモになったと思う。
テレビでは、朝っぱらから領土問題で勇ましい議論が続く。無論、私は国家を基軸にしてこの問題を思考するべきでないという原則を採るので、これらの意見には与しない。それを踏まえた上で、敢えて言う。今、日本の領土を侵食しているのは何か。むしろ、原子力発電所がその筆頭ではないのか。事故により、居住不可能な地域が発生しているのは領土の破壊、主権の侵害ではないのか。
その一方で、前述の「勇ましい」政治家や識者たちに原発推進派が多いのはどういうわけだろう。ただひたすら「国益、国益」と言い募る論者達。彼らの考える「国益」なるものの正体がここに窺われるように思える。森巣博ならば、「永田町の利益」「霞ヶ関の利益」と的確に言い換えるところだ。

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何処へ
AKBとやらのイベントが連日行われているらしい。昨夜の会社帰りにやたら電車が込んでいたのはそのせいか。門外漢としてはハタ迷惑な気もするが、そこに夢を託している人たちが現にいるのだろう。
AKB商法については実にアコギな商売と思うが、こんなクソつまらない世の中で、何らかの拠り所を見出す事が困難になっているのは事実だ。いちがいにファンの精神性を責めてばかりもいられない。「流行は早死にする。だからこそ、流行には深みのある軽さが存在する」と述べたのはジャン・コクトーだった。

一方、新宿で「韓国征伐」と称する愛国ゴッコが行われたらしい。近場で仕事をしていたが、全く気付かなかった。「鏡像」という言葉をこの前使ったが、彼我の自称愛国烈士たちの姿は本当によく似ている。人の振り見て我が振りなおせという言葉を習わなかったのだろうか。
こちらについても、「他に拠り所がないのかねぇ」と思ってしまう。狂気のレイシスト集団には全く擁護の余地は無いが、この社会そのものがどん詰まりを迎えつつあるのは確かなようだ。冗談じゃねぇや。

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或る日
21時近くまで仕事。勿論、官邸前など行けはしない。
私生活面では最悪で、なす事全てうまくいかず。他人のむき出しの悪意に晒された一日だった。
不愉快なので、もう寝る。

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西域の人
諸星大二郎「西遊妖猿伝 西域編」第四巻を購入。伊吾国における、サソリ女との戦いがメイン。「西遊記」の毒敵山琵琶洞の女怪が基になっているらしいのだが、全く記憶にない。岩波文庫版で全部読んだ筈なのだが・・・。
尤も、「西遊記」は話が進むにつれてマンネリ化してくるので、一般の読者は細かい妖怪のことまでいちいち覚えていられるものではないだろう。金角・銀角や、黄風大王、牛魔王親子は有名だが。それにしてもこのマンガ、牛魔王以外の有名キャラクターは出尽くしたと思っていたが、まだまだあるものだな。
さて、本巻では戦闘シーンに頁数が多く割かれているため、ストーリー上の進展はあまり無い。些か物足りなさもあるが、「西遊記」だし、仕方ないか。尚、本作における「斉天大聖」とは、権力に仇なす民衆精神の具現化なので、ゾロアスター教の邪神、アンラ・マンユとの関わりがどう描かれるか、興味深く見守っている。
見習い神官のハルワータ、アムルータ兄弟は、今回も相変わらず活き活きと描かれている。何度も述べたことだが、諸星は子供を描くのが実にうまい。

付記:尚、ハルワータ、アムルータの名は、それぞれ健康を意味する神格「ハルワタート」、長寿を意味する神格「アムルタート」から採られていると思われる。

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さまざまな潮流を
仕事が早めに終わったので、文科省前に顔を出そうかと思ったが、どうも中途半端な時間帯だ。抗議行動が終わる頃に現地に着きそうな気配。寝不足も続いているので、今日も断念する。

反原連と野田総理の面会が実現した。私は反原連の応援団ではないが、少なくとも日本の市民運動における、ひとつの成果には違いない。その事は率直に認めたいと思う。会談自体は物別れに終わったが、それは重要ではない。押しかける事は、やはり大事である。
野田の政治宣伝に利用されると言う声がある。ご当人はそのつもりなのかもしれないが、こんな「宣伝」に騙される人間がいると思うのだろうか。大衆蔑視も甚だしい。会談時の態度といい、公平に見て野田の側は大いにポイントを下げたと思う。
あまり反原連の擁護をしても仕方がないので、このくらいにしておく。

先程の文科省の件もそうだが、霞ヶ関一帯では連日、何らかの抗議行動が続いている。反原連の問題点をあげつらい、これと衝突するよりも、生産的に乗り越えていく方が大切だろう。内ゲバ主義に陥ったらお仕舞いである。特定の団体にとらわれない潮流が、確かに産まれつつある。

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戦争には行きたくない
フリージャーナリストの山本美香氏が亡くなった。「戦争」を身近なところに感じてしまう、痛ましい出来事だった。奇麗事ではない。殺し、殺される。それが戦争である。現在もシリアの人々は、日夜こうした理不尽な死を強いられている。
尖閣、竹島を巡る「戦争も辞さない」といった勇ましい議論が昨今かまびすしい。だが、これらの言説には、戦争に対するリアリティが徹底的に欠けている。すなわち、自分が誰かを殺害し、また自分がある日突然殺される、といった世界や、「死」が当たり前にそこにある環境に対する想像力である。「戦争では自分は死なない。死ぬのは兵隊だけだ」などと舐めた考えを持っているなら、その者には生きている資格はない。
そもそもドンパチ始めれば、相手も大人しく引き下がる、などと本気で考えているのだろうか。パレスチナでは1948年以来、土地の収奪をめぐる、実質的な戦争が続いている。終わりのない泥沼がそこには待ち構えている。
高みに立った視点から無責任に戦争を煽る論調は、多くの人々を不幸に陥れるだけである。私たちは戦争を回避するために、叡智を駆使しなくてはならない。

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やりきれない
職場での周囲の空気がよくない。何か特別な事をしたつもりはないが、どうも嫌われているらしい。ひどいもんだね。人間関係というものは。いっそ暴れてやろうかと思った。

トニー・スコットの自殺。この人の映画は観ていないので、特別な感想を述べる事が出来ない。一体何があったのだろうか。まあ、生きていれば自殺したくなることだってあるだろう。それでなくても、世界中、どこもかしこも下らない連中が幅を利かせていることだし。
つらい事には違いないが、それでも何とか、私は生きている。

先日のデモの動画。かなり音が割れているので注意。

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煙幕の陰で
八月も下旬になったが、まだまだ昼間は暑い。昨日はデモに出たため、今日は友人と馬鹿話をしながら、だらだらとデータ入力作業に終始。いつもの事だが、私は何をやっているのかねえ。
領土問題のバカ騒ぎが鬱陶しい。結局、国家を前面に押し出してエスカレートさせれば解決の道が見えなくなるので、どこかで落としどころを見つけるしかない。「共同管理」が今すぐには難しいとしても、方向性としてはそれに近いものに向かっていくしかないのではないか・・・これについては珍しく友人とも意見が一致した。
ところで、こうした騒動が起こると、どさくさにまぎれておかしな政策を押し通すのが現政権である。ACTA、TPPをはじめ、懸念材料はあまりにも多い。監視の目を休ませない事だ。

ファン・ヘネップ「通過儀礼」を購入。文化人類学の古典とも言うべき書物。私は文化人類学については通り一辺倒の知識を持つのみで、まだまだ浅学の徒である事を認めざるを得ない。何しろフレイザーさえ、まだ読んでいない不届き者なので、虚心坦懐に接してみるつもり。

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ひぐらしのなく頃も
プラカード製作のため、アクリル絵の具を購入しようとする。これまでは自宅に放置されていたパステルを活用していたが、そろそろ新しい画材が欲しい。ところが、近所の文房具屋が悉く潰れてしまい、探すのに苦労する。漸く一件見つけ、そこで入手。思ったより安かった。
17時半より296(ブクロ)デモ。大幅に余裕を持って行くつもりだったが、直前になって運動靴を買ったり、やる事が出来てしまい、ギリギリになって集合場所に到着。コースは前と同じで、区役所前の公園からグリーン大通りの方に出て、乙女ロードなど、サンシャイン周辺を練り歩くもの。池袋での反/脱原発デモはまだまだ馴染みが少ないため、沿道の人も新鮮な反応を示していたと思う。
150人程の規模だったが、原点を思い起こさせる、「何でもあり」のいいデモだった。反ACTA、反TPP、反消費税と、本当に何でもありだ。
デモ終了後は酒場で懇親会。変にかしこまらない所がいい。

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白い暴動
ロシアン・パンク「プッシー・ライオット」に禁錮2年(求刑3年)の判決が言い渡された。パンクがまだ力を持っていると言う事が、皮肉にも実証されたともいえるが。どうにも怒りが収まらない。
私は最近のパンクの動向については詳らかにしない。このバンドの活動内容についても殆ど知る所はない。だが、一般論として、この判決が到底許しがたいものである事は、いうを俟たない。スターリンの遺伝子は、あのKGBの親玉にも確実に受け継がれている。
これを対岸の火事と思わない方がいい。わが国でも「独裁が必要」などとわけのわからない事をのたまう政治屋が支持を受けているという現状がある。支配者の手口は、どの時代、どの社会においても普遍的なのだ。この局面においては、「不謹慎だ」「マナーを守れ」などという屁理屈は、権力への服従を要求するロジックでしかないのである。
ロシアで行われている事は、私達の問題でもある。表現者が当たり障りのない事しか言わないようになったら、その社会は終わりである。何度でも言う。これは私達の問題である。

付記:今日の官邸前行動の規模は、情報がうまく拾えないのでよく判らない。
尚、土曜日には池袋でデモがあるようだ。
http://296demo.blog.fc2.com/

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チキンレースを求める者たち
「新たな終局戦争の準備。農夫は静かに葡萄の樹を刈り、並んだ株の間の畝溝に肥料をほどこす。全て平穏無事だ」(トロツキー「亡命日記」)

休みボケでまるで仕事にならない。体がだるく、妙な疲労感で朦朧としている。まだお盆休みの会社も多いらしい。
相変わらず、テレビ、新聞は尖閣・竹島騒動で持ちきり。派手な国家主義的パフォーマンスが大好きなのは、どこの国も同じらしい。どこかの都知事もまた然りである。
従軍慰安婦に言及した李明博は、果たして本当に戦後補償の問題を解決する気があるのだろうか。この間の流れを見ると、単に人気取りのために利用しているように見えてしまう。このことは、北朝鮮の拉致問題を利用する、わが国の右派政治家とよく重なって見える。
他国の振る舞いが、自らの鏡像として映じてくる、そんな思いを頻繁に抱くこの頃である。

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この夏、一番騒々しい海
敗戦の日。靖国の様子でも見物に行こうかと思うが、今ひとつ気が進まないのでやめた。
いでたちから右翼と思われても嫌だし、ならゲバラTシャツを着ていくかと言うと、それはそれで完全武装・・・とはいわないまでも、少なくとも団体で行かないと洒落にならない。反天連系のデモは何とか大過なく行われたようだが。
靖国には何年か前に行った事がある。護憲団体の人たちと一緒だった。目取真俊(めどるま・しゅん)が「テーマパーク」と評していたが、よく言ったもので、来場者を飽きさせないような作りになっている。
この時は遊就館で、一緒に来た人たちに神話や文語文の初歩的な解説をした。大したものではない。「草薙の剣」の謂れなど、常識的な事柄である。それでも、段々自分が何者かわからなくなってきた。トホホ・・・

竹島、尖閣とキナ臭い動きが続いている。以前にも述べたように、「国家」と言う単位を機軸に思考する限り、解決の糸口は見えてこないと思う。少なくとも、日韓中バカウヨ対決に陥る愚だけは避けたいものである。

yasukuni

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詭弁政治学
大阪市長が「曽根崎心中は自殺もの。子どもたちに自殺を美化しますか?」とのたまったという。詳細はあちこちでアップされているので、ご存知の方も多いと思う。
この字面だけを見ると、洒落本、黄表紙の摘発と同じに見えてしまうが、よく見ると少し違う。
ここで行われているのは言葉の詐術であり、話のすり替えである。どちらかというと野崎昭弘の著書「詭弁論理学」に出てきそうな議論だ。まともに相手をしても仕方ない。正直、論を追っているとこちらまで混乱してくる。何しろ、助成金カットの話が、ストリップの是非と自殺の美化の議論になっていくのだ。
こうした「論のすり替え」はこの男にとってはお手の物である。こんな人間が次期総理候補として持て囃されるのがこの社会の病理だ。前にも言ったかな、こんな話。
尚、橋下自身は文楽もバカにしているし、ストリップ・ティーズもバカにしている筈なので、勘違いなきよう申し添える。後者についての考察は、澁澤龍彦の著作などを繙いてみるといいだろう。

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月下の一群
お盆休みでボーっとしている。中途半端な時間が出来て、何をしようかと考えるが、気のきいたことが思いつかない。
久しく読み止しになっていた、サン=テグジュペリ「人間の土地」、漸く読了。小説と言うより、一種の随想碌。後半の遭難体験の場面はなかなか読ませるが、過去にも述べた通り、全体の印象としては私とは相容れない人間観に貫かれている。堀口大學の文体が好きなので、読み通しはしたが。
堀口の訳本では、コクトー、アポリネール、ボードレール、レニエ、モンテルラン、ジード、ジュネ、ルブランなどが知られる。細かい作家群を含めればきりがない。私も一時期、必死に掻き集めた時期があった。
勿論、対象となる作家によって幾分調子は変わるが、独特の癖のある文体は一貫している。今日、こういう翻訳者も見られなくなった。いささか残念である。

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今日はオフ
浅草で脱原発デモがあったらしい。気になったが、情報が入ったのが直前だったため、見送った。実は16時ごろに上野まで出向く用があったのだが、どうも気が進まない。
本件とは直接関係無いが、よく活動家で「明日来てくれ。どうせ予定はないんだろう」だのとオル対を振り回す人間がいる。予定の有無の問題ではない。これは気持ちの問題である、そういった事がこの種の人間には理解できない。人の心を傷つけているという自覚が全くなく、他人を利用対象としか見做していないのだ。
十年以上昔の話だが、思い出したらムカムカしてきた。

上野では博物館の常設展を眺めていた。心が落ち着く。とりわけ仏教彫刻や土偶などに心惹かれた。言ってみれば、一種のフィギュアだ。実を言うと、この種の常設展示は莫迦に出来ない。値段もお手ごろなので、お勧めする。

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忙中閑あり
バイト先で同僚と阪神談義。お互い阪神ファンに対してロクな思い出がなく、何のシンパシーも無いのだが、ここまで見事に負けが続くと逆に気になってしまう。凄い。今日も予想に違わず逆転負けしていた。

永井荷風「つゆのあとさき」を読了。無計画に購入した本の消化作業。前半がまだるっこしく感じられるが、読み終えてみるとさらりとした趣があり、なかなかいい。これは最後の「川島」の自殺まで一貫している。
そういえば、井上光晴の長編小説「ファシストたちの雪」も売春婦達の話だった。こちらは途中で読むのに挫折した経緯がある。再挑戦するのも、ちょっと今はしんどいのだが。



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地獄へ道連れ
お盆休みを前にして、片付けなくてはならない仕事が山積み。結局遅くまで仕事となる。給料が上がるわけじゃなし、つくづく割に合わない商売だ。霞ヶ関界隈の行動はどうだったのだろう。情報があまり入ってこないのでよく判らない。
取り憑かれたように私達の生活を破滅に導こうとする野田政権。今日は悪税の引き上げが決まってしまった。「夢は六本木ヒルズで自爆攻撃」という妄想が、ますます現実味を帯びてきた。民主党と自民党という仰々しい名を持った政党が、この国の民主化を阻んでいるというのは、皮肉にしてグロテスクな構図である。維新とかいう恐怖政治団体や、宗教政党だのは論外。

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明日の神話
長崎の原爆忌。
引き続き核とサブカルの話から。
小松左京に「見知らぬ明日」という中篇がある。圧倒的な軍事力を持った宇宙人により、地球が一方的に攻撃される話。彼らの前には地球上の如何なる武器も効果がない。なすすべなく、途方に暮れているところ、唯一核兵器のみが若干の効果を持つらしいことが判明する。最後は富士山頂の宇宙人基地を水爆で爆破しようという絶望的な場面で終わっている。
記憶が曖昧なので、論評は差し控える。ただ核を巡る、勝利の展望なき暗澹たる未来像に戦慄を覚えたことは記しておきたい。ちなみに「復活の日」では、細菌兵器の菌が核兵器の放射能によって死滅するという、アイロニカルな落ちがついていた。

井上光晴の詩集が漸く見つかった。あまりこの人の詩作品は好きではないが、ひとつだけ心に残っているものがある。過去にも引用したが、再度掲載する。題して「てまりうた」という(この詩の成立過程についても彼は色々語っている。何でも米軍のビラの文句が原型になったというが、この人は虚言癖があるので信憑性には疑問が残る)。

四月長崎花の町
八月長崎灰の町
十月鴉が死にまする
正月障子が破れはて
三月淋しい母の墓

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核とマンガについて
核問題を扱った映画は枚挙に暇がない。新藤兼人の諸作品をはじめ、「ゴジラ」、「太陽を盗んだ男」、洋画では「ウォー・ゲーム」から「サクリファイス」まで、数え上げればきりがない。
では、核を扱ったマンガとして思いつくのは何だろう。とっさに思いつかない。中沢啓治「はだしのゲン」は別格として、手塚治虫「火の鳥」、石ノ森章太郎「サイボーグ009」、白土三平「消え行く少女」、宮崎駿「風の谷のナウシカ」あたりが代表格か。放射能汚染で滅びかけた地球を救う、「宇宙戦艦ヤマト」を含めてもよい。細かい作品を加えればいくらでも思いつきそうだ。
永井豪の「デビルマン」では、極度の相互不信に陥った人類が、核戦争で自滅する。さながらラスコーリニコフの悪夢の場面のようである。武論尊・原哲夫「北斗の拳」は核を直截に描いた作品ではないが、核=破滅という認識は受け継いでいる。
勿論、出版界の意向もあるだろうが、日本人の意識において、核の問題は絶対的なタブーとして存在していた。このことは、マンガにおける核のイメージにもよく反映されている。これは記憶にとどめておいてよい。

個人的な思いをいえば、幼少時に読んだ石ノ森(当時は石森)の「サイボーグ009 移民編」の印象は強烈だった。この作品は、全面的核戦争に至った第三次世界大戦で人類の殆どが滅亡してしまうというもので、かろうじて生き延びた人々が重度の放射能被害で苦しむ様が描かれていた。奇形の描写は惨鼻を極め、現代であれば到底発表できない性質のものである。だが、このような方法だからこそ訴える事の出来たメッセージがあった筈である。ケチをつけるよりも、真摯に作品と向き合う眼差しを養う事が重要だろう。

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「黒い雨」騒動のこと
だいぶ以前、P.K.ディックのSF小説「ブラッドマネー博士」を読んだとき、原爆や核兵器の扱いのあまりの安易さに唖然とした事がある。爆心地にいて平気で生き延びているのは幾らなんでも変だろう。このあたり、日本とアメリカでは認識に大きな隔たりがあるようだ(ちなみにこの作品は嫌いではない)。
わが国で原爆を扱った小説作品としては、原民喜「夏の花」や井伏鱒二「黒い雨」、井上光晴「明日」「地の群れ」が筆頭に挙げられる。「黒い雨」は今村昌平が、「明日」は黒木和雄が映画化しているので、御覧になった方も多いだろう。おっと、熊井啓の「地の群れ」もあった。
これらの作品群の中でも「黒い雨」の知名度は一段と高い。だが、この作品には盗作説が持ち上がっていたのをご記憶の方も多いだろう。猪瀬直樹などもこの説を採用していた。
さらに「週刊金曜日」においては、死人に口なしと言わんばかりに、井伏に対するありったけの憎悪を込めた人格攻撃が盛んに行われていた。あたかも、著名人を叩く事によって自らを権威付けようとしているかのように思え、私などは嫌悪感を禁じえなかった。だが、その後、この雑誌は「黒い雨」問題については(私の知る限り)ぴたりと口を閉ざしてしまう。これだけ重要な問題が、納得のいく結論を見ずに有耶無耶に収束してしまう事には違和感が残った。
その後伝え聞くところによると、やはりこの記事には問題があったようだ。どうも、盗作説を唱えた歌人・豊田清史の主張のみを無批判に掲載したということらしい。「黒い雨」に下敷きがあるのは事実だが、それ以上の事柄については多くの疑義が提示されている。一体、これだけの糾弾キャンペーンを張る必要があったのだろうか。
そうなると、私がこの雑誌に対し、漠然と感じた印象が真実味を帯びてくる。「コイツハ馬鹿ナノダ、俺ハ偉イノダ」式の思考パターンに嵌まっていたということだろうか。実に情けない思いがした。

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私達のトラウマ
今日は原爆忌。
幼少の頃、丸木美術館に連れて行かれたことがある。原爆絵画で有名な美術館だ。別に私の親に「問題意識」があったというわけではない。単に家族で森林公園に遊びに行ったついでに足を伸ばしたというだけである。
作品は幼い私の意識に鮮烈な印象を残しており、原爆と言えばこの時の絵画体験が真っ先に心に浮かぶ。具体的な絵の内容は殆ど忘れてしまっているが、おぞましい記憶だけは鮮烈に残っている。今にして思えば、よいトラウマを残したと思う。尤もわが国においては、原爆を扱った作品は多かれ少なかれトラウマを残すもので、これはさほど珍しい事ではないだろう。
あれ以来、全く訪れる機会に恵まれていない。時間が取れないのもあるし、場所的にかなり難しいのだ。それでも子供のいる人は、家族連れで行ってみてはどうかと思う。

3.11以降、ヒロシマ・ナガサキは特別な日の特別な事柄ではなくなった。それは私達の「日常」の中に深く刻印されたのである。事態は現在も進行中であることは忘れないで欲しい。

このテーマ、明日以降も少し考えてみたい。

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まつろわぬ意思
自己嫌悪が収まらず、それを打ち消すように読書に没頭する。
昨日借りてきた「生涯編集者」を読了。「創」草創期の相当無茶な苦労話から始まり、コミック規制問題、三田佳子次男、田代まさしの薬物問題、死刑をめぐる問題など、テーマは多岐に亘っている。とりわけ、和歌山カレー事件における三浦和義の奮闘振りには感心した。

暫く読み止しになっていた、船戸与一「満州国演義7・雷の波濤」を読了。小出しに感想を記していたので改めて書き立てることはあまりない。ストーリーの主軸は、日米開戦、というよりもマレー半島戦にある。このあたり、パーシバルの降伏に至るまでかなり緻密に描かれている。予備知識がないと、戸惑うかもしれないが、その場合、改めて関連資料などを当たりながら読み直してみるといい。自国の行状を知る事は、やはり必要である。
ラストの華僑虐殺の描写は船戸与一の面目躍如である。歴史を都合のいい美談として語る事を徹底的に拒否する姿勢は、信頼したい。

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ジュンの魂
週末のバイトだが、仕事そっちのけでひたすら仲間と駄弁くっていた。我ながら何をやっているんだか。
図書館で篠田博之「生涯編集者」を借り出す。著者はいわずと知れた、創出版の編集長。死刑制度、犯罪報道、表現規制問題等、読み応えがありそうだ。

夜になり、板橋の喫茶店「百日紅」(「さるすべり」ではなく「ひゃくじつこう」と読むらしい)で早見純の原画展を観る。展示数は多くないが、やはり素晴らしい。個人的には切腹の絵、その他、モノクロ作品に心惹かれた。
早見作品を最初に意識したのは十年くらい前に「血まみれ天使」を購入してからだろうか。全く予備知識もなく、絵柄に惹かれて手に取ったのだが、書物との出会いにも「縁」というものがあるらしい。血と精液を煮詰めたようなその作風は、他に類をみないもので、それ以来、熱狂的なファンという程ではないが、好きな作家として常に意識の上にあった。現在、こういう作品を発表することが困難になっているのは情けない限りである。

hyakujitukou

hayamijun

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民草の息吹
仕事が速く終われば霞ヶ関に・・・と思ったが、頭の狂った社長が奇声を上げて同僚を怒鳴り続けているため、どうにも帰りづらい。結局遅くまで残業。少しでも自分の思い通りにならないと感情をむき出しにして当り散らす輩である。パワハラの域を越え、もはや病んでいるとしか思えない。業務妨害だ。
経産省前の抗議は21時を過ぎても続いたらしい。そう考えると行ってもよかったかなと思うが、無理はしない方がいい。生活の再生産もまた闘いである。
反原連について色々取り沙汰されているが、もはや誰が主宰していようと、人々にとっては関係がない。とにかく、毎週金曜日に霞ヶ関界隈にわらわら集まって抗議の声をあげる習慣が定着しつつある。ここまでに至る彼らの功績は充分評価すべきだが、同時に、「本当の「主役」は誰か」と言う事を今一度考え直してみよう。

今日、死刑が執行された。国家権力が生殺与奪の権限を握っているという事。これが何を意味するか、更なる検討が迫られている。

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リメイク四方山話
映画「トータル・リコール」がリメイクされるという。私は未見だが、原作がP.K.ディックであるという以外、大して評判にもならず、評価も低い作品である。一体何のためにリメイクするのだろう。ハリウッドも余程ネタがないのか。「ぼくのエリ」のリメイク「モールス」には「金返せ」の思いを禁じえなかった。「惑星ソラリス」のリメイクなどは全く観る気がしない。
ただ、「十二人の怒れる男」のロシア版は評判がよかったようだ。監督は名作「愛の奴隷」のN.ミハルコフ。さもありなん、といったところだ。
文学作品でリメイクと言えば、芥川や中島敦が筆頭に挙げられるが、いずれも単なる焼き直しではなく、近代人の宿命、危機を新たに描き出したものである。個人的には中島の「山月記」や「名人伝」は忘れがたい。後者は弓の名人が、弓道を極めた挙句、弓さえも必要としなくなり、ついには弓を忘れてしまうと言うもの。彼はここに知識人の悲劇的な宿命を描き出した。ここで坂口安吾の「勉強記」を対置させてみると面白いのだが、長くなるので割愛する。

そう言えば先日、「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク「宇宙戦艦ヤマト2199」を友人と観る機会があった。こちらはリメイクとしては極めて優れた水準に達している。この旧作はその魅力と同時に、ある種の危うさやいかがわしさを合わせ持っていた。今回の製作者達はそこを充分自覚していると思われる。あまりリアリズムを追求して陰惨な展開になっても困るが、期待は持てそうだ。庵野秀明がスタッフとして参加している事もあり、綾波もどきのキャラクターや、「エヴァ」のセルフパロディも見られた。
ただ、スターシャのメッセージ・シーンは旧作の方が圧倒的に良かった。あの静止画は今見ても美麗である。

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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