時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
今年のベスト、そしてワースト
去年に引き続き、今年の新作ベスト及びワースト映画。

ベスト
1.アジアの純真
1.わたしたちの夏
1.コクリコ坂から
1.キック・アス
5.アンチクライスト
6.ブラック・スワン
7.一枚のハガキ

ワースト
1.モールス
2.冷たい熱帯魚

今年は震災、その後の個人的な諸事情により、新作映画を見る本数が減ってしまった。大浦信行の「天皇ごっこ」、園子温「恋の罪」を未見のままに残している事には悔いがある。
個々の作品については当ブログでレビュー済みである。ベストは4本が同順位に並んだが、破天荒さでは「アジアの純真」が頭一個抜きん出ている。おそらく「映芸」あたりでは上位に来そうな気がする。まあ、これは荒井晴彦の意向を予測してのことであるが。
ワーストの「モールス」は、リメイクの意味についての省察を徹底的に欠いた代物であり、金儲け主義の産物としか思えない。「キック・アス」で熱演したクロエ・モレッツが可愛そうだ。「冷たい熱帯魚」は主張が主張として突き抜けていない。結果、中途半端な出来に終わっている。

繰り返すが、ひどい一年だった。現在の社会状況を考えると、「よいお年を」という挨拶を送るにも抵抗がある。個人的な事情を言えば、自分自身の問題さえ処理し切れていないのだ。
そこでひとつ、ロシアン・ジョーク。
悲観主義者は言う「最悪だ、もうこれ以上悪くなる余地は無い」
楽観主義者は言う「心配ない、まだまだ悪くなる余地はあるよ」
スポンサーサイト

テーマ:映画関連ネタ - ジャンル:映画

年末に思う
軽い鬱状態で何も手につかず、漠然と音楽など聴いて過ごす。ほぼオブローモフ状態の非生産的な一日。そうこうしているうちに明日は大晦日だ。今年も様々な蹉跌を経験した。「真なるものは必ず蹉跌す」と述べたのは高村光太郎だったが、私のようないかものでもこんな状態なので、あまり当てになる話ではない。
今現在も出口はまだ見つからないし、あまり楽観的な要素は見出せていない。よって、「来年こそは」という抱負など語れるような状態ではなく、これまでと同様、ひたすらもがき続けるだけでしかない。

ところでテレビ局、今年一年を振り返るのであれば、自分たちの報道の迷走ぶりを振り返るべきだろう。看板だけはもっともらしいが、視聴率と、権力者の都合だけしか考えていないのは明白だ。来年も性懲りも無く破廉恥な醜態を晒すのだろうか。恥を知れ。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

創りたいものを創って欲しい
書道マンガ「とめはねっ!」九巻を購入。今回の内容はかなり良質だったと思う。私がこの間考えてきた内容ともかなり重複しており、我が意を得た思いだった。ストーリーの詳細はここでは差し控えるが、評価を求めるよりも先ず自分が楽しむ事、というテーマは重要である。
創作行為は自己慰安から出発するものなので、「自分の為に創造する」という基本理念を忘れて欲しくない。勿論、商業活動において、妥協する事もあるだろう。しかし、その中で「自分」を出す事を等閑にしては、何の為に作品創造を行っているのか判らない。これは創作活動における倫理であると思う。
尚、私がプラカードに与太なイラストを書き込んでデモに出掛ける事に対し、利用主義的と捉える向きもあろうかと思うが、私は何よりも心から楽しんでこれを行っているのである。これについては誤解なきようお願いしたい。

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)
(2011/12/27)
河合 克敏

商品詳細を見る

テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック

たまには…
何だかわからんが、昔の仲間と忘年会に突入しているので、今日はパス。
追記:飲みすぎで少々頭痛を抱えながらも、無事に帰宅。昔の思い出話に花(?)が咲いたが、無茶やったものだよな。いろんな意味で。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

今日も寒い・・・
サンド「スピリディオン」少し読み進める。神学談義が続くが、これ、舞台は18世紀なんだよな。一部、ラブレーの「ガルガンチュア」を意識したようなくだりもあった。ガルガンチュアが坊主共の下らん知識ばかりを身につけてパーになってしまい、ゼロからやり直すところ。
そういえばガルガンチュアも過去に斜め読みで済ませたきりなので、続編共に今一度ちゃんと読んでみたい。宮下先生に義理を果たしたいところだが、手元の渡辺訳で済ませる事になりそうだ。
今、手元の文学史のテクスト(白水社刊)を開いたら、サンドの項目の少し後にペトリュス・ボレルの名前があった。嘗ては考えられない事だったろう。時代も変わったものだとつくづく思う。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

安い物語は御免こうむる
夕方、池袋の本屋を散策。興味深い本がいくつかあるが、資金的な理由から断念。置き場所も無い。
帰宅後は探しものに追われるが、結局見つからず。いい加減、面倒くさくなってきた。
年末になるにつれて、この一年を振り返るテレビ番組が多くなってきた。お涙頂戴の美談に纏め上げようとしているようだが、放射能はまだダダ漏れだ。何も収束なぞしてはいない。
あの時自分は何を考えていたのか、思い起こすにはいい機会なのだが、何よりもこの連中にはセンスというものがかけらも無い。対象世界を把握するのにもセンスは必要な筈だ。


ところで浅田真央が優勝したとの事。真央といえば、やはりこの歌だろうwww



追記:更新の具合がおかしい。ちなみに探し物は先程見つかった。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

カーゴの季節が去ってゆく
今年もカーゴ・カルト兼セックス・フェスティバルの時期が過ぎようとしている。
読みさしのままになっていた、ジョルジュ・サンド「スピリディオン」を少し読み進める。おっと、これはメタフィジカルな宗教小説だな。時期が時期だけに妙な気持ちに駆られるが、神秘主義的幻想の部分に着目して読んでいく事にしよう。どっちみち、こちらは異教徒だ。
そういえば、今年はケーキも買わなかった。別に逆らっているわけではなく、たまたま買わずに過ぎてしまっただけなのだが。まあ、何はともあれ、本格的に年末ムードが色濃くなってきたようだ。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

火精(ザラマンダー)よ燃え猛れ
三連休の中日。何だか周囲が賑やかで慌しいが、今日、何かあったのか?
「スラッグス」(監督・脚本:J・P・サイモン)を観る。突っ込み所が満載なのは大目に見よう。
特につまらないという程でもないのだが、引き込まれるようなものでもない。ゲテモノ映画を撮るなら、もっとその艶かしい気持ち悪さにこだわって欲しかった。開き直って変態映画に徹すればまた違った評価もあった筈だが、そこまで突き抜けるわけでもない。こちらが精神的に不調なため、途中で少し飽きてしまった。
それにしても、あの主人公の最後の行動、どう考えても犯罪だと思うがなぁ。

スラッグス [DVD]スラッグス [DVD]
(2011/03/29)
フィリップ・マクヘイル、パティ・シェパード 他

商品詳細を見る

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

出るべくして出た異論
何だかよく判らないが、祝日とかであるらしい。

「週刊金曜日」で、中島岳志が同誌の過去に行った特集を批判していた。いわば、内部批判である。批判の対象となったのは、4/15号の「原発文化人ブラックリスト」。私もこのブログで批判的に触れた事があるが、中島もまた、この手法にハシズムに通じる「嗜虐的な愉楽」の匂いを感じるという。
彼の主張に私も完全に同意する。編集部は「罪を憎んで人を憎まず」と嘯いていたが、どう公平に見ても、そこにあったのは「人」を吊し上げて、自らの正義に酔う姿だった。拉致問題の際の、各誌の北朝鮮報道と同レベルである。
一方で、この件に関する佐高信の居直り的な文章は、読むに耐えない。「創」で彼が行っている連載にしても、傲然たるスタイルばかりが鼻につく。私は講演などで佐高が時折見せる人懐っこい表情は嫌いではない。おそらく、本人は一種の芸、読者へのサービスを意識して、これらの吊るし上げを行っているのだろう。だが、この手法はうまくいっていない。すぐに改めるべきだ。
しかし、そう考えると中島のような人が「週刊金曜日」に編集委員として携わっているのは重要な事だ。勿論、先の特集に見られるように、彼の意向が全て反映されるわけではない。だが、この雑誌は時折変な暴走を見せるので、仲間として異論を唱える者が存在することは貴重である。

ところで、我らが「ワイルド7」がとんでもない事になっているらしいという、穏やかならぬ噂がちらほら流れている。実際はどうなのだろう。「映画秘宝」で杉作J太郎が観もしないで劇場版を褒めていたが、何と無責任な!まあこの雑誌、今に始まった事ではないのだが・・・

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

ちょっと休息
年賀状を投函する。色々と空回りが続いた一日だった。中々予定通りに行かないのが情けない。
夜になってから、どうも体調がおかしい。風邪を引いたかもしれない。
今日発売の「週刊金曜日」について、少々コメントしたいが、後日にする。中島岳志の記事が興味深い。私がこの間考えてきた事と、丁度交錯しているのだ。

kinyou1223


テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

理念や公式のアテハメは何者をも齎さない。
森田芳光が亡くなった。年末に来て、まだ訃報を記す事になろうとは思わなかった。私は森田映画のよい鑑賞者ではないが、「家族ゲーム」「サウスバウンド」は目にしている。前者は周知のように、不条理なホームドラマを描いた怪作。後者については、かなりチープで粗が目に付くのだが、それでも観終わった後に残るものはあったと思う。
ここ最近、流石に死亡記事を書くのに疲れてきた。幾らなんでも多すぎる。

ついでに「脱原発「異論」」の感想を記す。あくまでも感想なので、本格的な論をおこすつもりは無い。
一口に言えば、垂れ流し的な座談会を中心に、この間の脱原発運動の動向に関する団塊たちの言説を纏めたものである。
事実関係の認識もかなり杜撰で、思い込みを恣意的にアテハメた現状分析がだらだら語られている。特に「脱原発運動は6.11に右翼と共闘しようとして駄目になった」という件りは噴飯物で、「駄目になったに決まっている」という身勝手な判断を押し付けている。6.11の問題点は、右翼と共闘しようとした事ではなく、ノンセクト団体が暴力的に集会を妨害した事にある。この点の論の杜撰さは、これらスタ団体に対する、論者たちの党派的な擁護が働いていると思われる。
あとは知的輸入業者たちのグダグダの自慢話。長原豊などは、相変わらず程度の低いヒネリに終始しており、読むに耐えない。また、「反スタは反動化する」などと絓秀実がホザくのはスターリン左翼(まさに反動主義!)の醜悪な居直りである。偉そうに高みから語るが、「自分たちの運動は過去に敗北したのだ」という反省がまるで無い。ひかれ者の小唄とはこのような事をいうのだ。
読むに値するのは後半の三分の一程度。「セキュリティ社会との対決」のくだりだろう。ここにおいて漸く内容のあることを語っているなと思える。
正直に言うと、吉本の「「反核」異論」の方が読み応えはあった。吉本の論稿には誤った分析も見られたが、少なくとも「何をしてはならないか」という点につき、重要な示唆を含んではいたのである。

脱原発「異論」脱原発「異論」
(2011/11/17)
市田 良彦、王寺 賢太 他

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

悪趣味さでは、彼我ともにいい勝負である
金正日のミイラを作ったようだ。その昔、レーニン廟の愚劣さを痛烈に批判したのは埴谷雄高の「永久革命者の悲哀」であった。スターリン批判の草分けとなった記念碑的な論文である。ここで「レーニンはレーニン全集の中にあり」と埴谷は喝破したのだが、金正日がその存在価値を、行動なり論文なりという形で残したという痕跡は、私の知る限りどこにも無い。あまつさえミイラまで作ったとあっては、グロテスク趣味の極み以外何者でもないだろう。
ひょっとするとゲテモノ映画が好きだったのだろうかなどと、妙な勘繰りをしたくなってきた。そういえば、いしいひさいちの古いマンガには、機械仕掛けで動くミイラが登場したものだが。
それにしても、危機管理を連呼し、安倍晋三を引っ張り出して識者扱いするマスゴミの愚劣さには呆れる他は無い。何度も言うが、一刻も早く廃業しろ。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

あこがれの北朝鮮
まあ、大騒ぎだね。
私は昼間池袋の駅前を通ったが、号外が配られている様子はなかった。いや、地下道に入ったせいか?とにかく気付かずに過ごしていた。事実を知ったのは帰宅してからである。
しかし、マスコミも拉致問題一点張りの報道ばかりだ。拉致問題はとても大事なことだが、かの国の民衆の側に立った報道が一切なされないのは問題だろう。この一年、民衆運動の風が世界を駆け巡ったが、この国はどこへ向かおうとするのか。尤も、それ以上にこの日本こそ問題が山積しているのだが。
それにしても、2011年は暮れになるまで波瀾万丈の一年だった。この調子だと、晦日まで油断は出来ないかもしれない。まだまだ何が起こるか、わかったものじゃない。
さて、「金正日」というタイムリー過ぎる映画を製作した渡辺文樹が、来月にも同作を再上映する意向という。時間の都合でこの前は見逃したので、今度こそ見に行きたいものだが・・・?

kim01

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

「魂は、肉体の殻から踏みだすべき戸口である」
軽い鬱状態が続くので、今日は無理をしない。読みさしの佐藤優「共産主義を読み解く」の続きを読むが、まるで頭に入らない。参ったね。廣松渉の「エンゲルス論」がエンゲルスに対する政治的な擁護である、という指摘は戦旗派の連中などが盛んに行っていた。よって実証性の乏しさという指摘の部分は真新しい話ではない。だが、佐藤の論は神学上の専門領域に踏み込んだ解読となっている。もう少し精神的に調子のいい時なら興味深く読めたと思うが、今の所はちょっと受け付けない。

夕方、漠然と「埴谷雄高準詩集」を取り出して眺める。
宇宙空間にきらめく、星星の写真を背景に並べられた詩篇群を眺めていると、心が落ち着いてくる。私がこの本を購入した頃は埴谷はまだ健在だった筈だ。
そういえば彼は、通り魔事件を取り締まるくらいなら、核武装という最大の犯罪を取り締まれ、と述べていた(「核弾頭」『墓銘と影絵』所収)。今日なら原発犯罪を取り締まれ、となるだろう。「収束宣言」は売却、再稼動、増設、を目論むものと言われている。頽廃は今も尚深まっている。

junshishu

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

ウソはいけない
野田総理大臣によると、福一の原発事故は収束したそうだ。
勿論、事態の推移とは無関係に、予め決められたスケジュール通りに「宣言」を出しただけのことである。公約を達成したという、体面を作りたいのだろう。だが、誰がどう見てもウソであることが明白な体裁作りをして、誰が得をするのか?
原発を推進する企業団体にとっては、既成事実が出来たことに意義があるのだろう。諸外国の首脳クラスもまた、現実から目を背けたタテマエ外交を歓迎することも考えられる。目先のゼニ儲けに腐心しているのはどの国も一緒なのだから。メディアはともかく、海外の政府関係者がどのような反応をしているのか、実に気がかりだ。
またこの調子だと、今後、放射能被害、被曝事故が起こったとしても、ますます「原発とは無関係」と認定されることにならないか。事故は「収束した」のだから、原発被害は存在しないという理屈だ。将来予想される補償裁判は、こうした「建前」をめぐるゲームと化することが懸念される。現段階でさえ、作業員の死亡事故の扱いには納得がいかない。

ツイッターデモ。家にいると鬱が酷くなるので、とりあえず参加。おかげで少し気が楽になる。寒かったが、予想以上に動員は多かった。昨日の収束宣言が効いたのだろうか。あれでは完全な挑発そのものだ。

1217demo01

1217demo02

1217demo03

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

「上役が『カラスは白い』と言えば白なんだ。『原発事故は収…(以下略)」
ホルヘ・マンリーケ「父の死に寄せる詩」読了。短い物語詩なので、すぐ読める。ただ、どちらかというと併録の「死の舞踏」の方が面白い。メメント・モリ(死を忘れるな)。

原発事故収束宣言を出した狂ったバカの事など、言うべきことは色々あるが、鬱状態がひどいので今日はパス。自己嫌悪と不安感でグダグダ。

父の死に寄せる詩 (岩波文庫)父の死に寄せる詩 (岩波文庫)
(2011/09/17)
ホルヘ・マンリーケ

商品詳細を見る



テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

知らぬ存ぜぬは許しません。
明日は大事な用件があるので、色々準備中。よって簡潔に記す。
野田という男は福一の「冷温停止宣言」を出そうとしているらしい。真面目に言っているのか。以前にも記したように、「冷温停止」とは正常な原子炉に対して用いられる概念である。破損した原子炉に「冷温停止」はあり得ない。下らないパフォーマンスだ。そこには「もう終わったことにしよう」「さっさと忘れよう」という政治的意図が見て取れる。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

死の舞踏
私生活で泥沼にはまっており、中々抜け出せない。絓秀実や長原豊達の、「「脱原発」異論」の感想を述べようかと思ったが、暫く後回しにする。読んでいるうちに不快なことを色々思い出すためである。理念のアテハメなど愚劣の極みという他ない。
ホルヘ・マンリーケ「父の死に寄せる詩」を購入。近所の書店から岩波文庫のスペースが急速に削られているため、少しでも買い支えをしようという目論見である。もう遅いかもしれないのだが。
スペイン中世末期の詩篇だが、本編(併録作を含む)と解説がそれぞれ百ページほどの量。よって、解説を中心に読む方が有効だろう。

(付記)自民党とかいう火事場泥棒集団が、この期に及んで改憲案を出そうとしているらしい。この政治的廃棄物の最終処分場も早く探さなくてはならないな。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

野生の黙示録
「「脱原発」異論」を一通り読了するが、座談会のうち、良かったのは後半三分の一程度だけ。内容的にもう少し整理できたら感想を記すつもり。ただ、これよりは吉本隆明の「「反核」異論」の方が、得るものはあったと思う。

「大アマゾンの半魚人」(監督:ジャック・アーノルド)を観る。古い映画だが、間延びすることもなく意外としっかり作ってある。秘境探検物の映像作品としては、我らが川口浩探検隊などにも引き継がれる原形をなす。あるいは「地獄の黙示録」の遡行シーンを思い出してもいい。
テーマ的には「キング・コング」(未見だが)と共通するのではないか。キング・コングが抑圧される黒人のメタファーであることはよく指摘されている事柄である。では、半魚人とは何か。インディオと考えることもできるが、大自然そのものを象徴的に表現していると考えてもいい。他者や外界に対する、恐怖と畏れ、破壊とそれに続く反省がアンビバレントに入り混じっていることが見て取れる。
観終わった後、これらのテーマについて、あれこれ思いを巡らせてみてもいいだろう。名作の名に相応しい一本。

大アマゾンの半魚人 (初回限定生産) [DVD]大アマゾンの半魚人 (初回限定生産) [DVD]
(2006/07/28)
リチャード・カールソン、ジュリー・アダムス 他

商品詳細を見る

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

よく言うよ
以前大雑把に立ち読みした、「「脱原発」異論」を少し眺める。先日図書館で漸く借りてきたのだが、やはり得る所の少ない本と思える。詳細は読み終えてからに譲るが、トンチンカンな現状分析も少なくない。
平行して、小説をひとつ読み始めているが、こちらの方が精神を豊かにしてくれそうだ。「人生は一行のボオドレエルにも如かず」とは芥川龍之介のつぶやきだが、一般論として考えても、この手の業界本よりはデカダンス文学を読む方が遥かに有意義だろう。まあ、業界本は必要だから読まざるを得ないのだが。
尚、前述の小説とはデカダン関係の本ではない。後で混乱を生じないよう、念のため。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

雨を見たかい
元々反戦歌だからね・・・

kogasa_nuke

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

英雄神話に止めを刺そう
昨日の月蝕は実に見事だった。私も、すっかり童心に返ってはしゃぎ回っていた。まあ、いつもの通りと言ってしまえばそれまでだが。
shoku

カール・マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日」読了。言うまでもなく、二月革命がルイ・ナポレオンのクーデターによって葬り去られるまでの経緯を分析したもの。「一度目は悲劇として、二度目は茶番として」で有名なあのテクストである。この男の毒舌ぶりも並大抵ではない。
本書は歴史書的な性格が強いため、マルクスの著作の中では最も読みやすい部類に入ると思う。但し、最初の部分で躓く可能性があるので注意して欲しい。やたらゴチャゴチャした点を気に留めず、ある程度我慢して読み進めば、勢いがついて読み進むことが可能となる筈だ。マルクスの口の悪さを楽しむのも一興だろう。
歴史分析としての価値はかねてより定評がある。「当時の人々をはるかに凌駕していますし、後の時代の研究その他をも完全に越えてしまっている」(フーコー)と評されるほどだ。
秩序党がグダグダになり、自滅するような形でルイ・ナポレオンの前に屈服していく様子は、大阪のファシモト人気とどうしても被ってしまう。この点、普遍的な権力分析として、本書は今も有効性を保っているのではないか。
そう思っていたら、「週刊金曜日」で同じようなことが書いてあった。人の考えることは似かよってくるものらしい。
無論、19世紀フランス社会史について、高校の教科書程度の知識が最低限必要となる。だが、臆せず繙いてみるといいだろう。それだけの価値はある筈だ。

marx

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

狂気月蝕
今日は皆既月蝕。だが、家の窓からは見えず。わざわざ表に出て湯冷めするのも嫌だなあと思いつつ、外出。や、欠け始めた!

午前中、図書館で本を数冊借りる。読まずに終わってもみっともないので、敢えて書名は挙げないが、原発やTPP関連書、小説などである。
今日はゆっくりしようと思ったが、日比谷で反原発デモがあるのを知る。正確に言うと、ビラは貰っていたがそのままスルーして、結局忘れていた。どうしようかと迷うが、やはり出かけることにする。
野音に到着すると、PANTAのライブが始まっていた。曲はこの前と同じ「さようなら世界夫人よ」。鎌田慧、大江健三郎のアピールなどが後に続く。大江の話はこの前よりは聞きやすかった。それにしても寒い。段々辛くなってくる。
1210demo
上がPANTA、下は大江健三郎
1210demo

1210demo
デモコースは日比谷公園から東電前を通り、銀座、八重洲に向けて練り歩くというもの。それにしても警官の数が尋常ではない。
スタートして間もなく、部隊の雰囲気が妙に静かになってきたので、東電前あたりから恥を忍んで大声でコールしてみる。喉が枯れたので八重洲を通り過ぎる頃に控えたが、まあ、いいんじゃないか。
1210demo04

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

寒いのは気温ばかりではない
「週刊金曜日」で藤波心の投書が掲載されていると話題になっている。「『朝日ニュースター』がなくなる!!」という題名。私はCSを観ていないのだが、地上波との温度差が並大抵ではなかったという。
この雑誌は、玉石混交とはいえ投書欄は充実している。どういうわけか私などの投書が、たまに掲載されているのはご愛嬌。
さて、そんな地上波の「ラピュタ」を観ることもなく(テレビを家族にoccupyされた。「金スマ」・・・)、K.マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日」を読む。歴史書として、実に面白い。でも、橋下の当選と重ね合わせてしまうのは私だけだろうか。あと一息で読み終わる予定。ちなみにこれは大月書店版。過去に岩波版を読もうとして挫折した。

「週刊金曜日」の話題に戻るが、内田樹の記事「橋下を勝たせた「弱者」の心理」はやり切れない。苦しむものの頭数を増やすことによる、嗜虐的な快楽に有権者は支持を与えた、との指摘は、当たっているだけに気が重くなる。

週刊 金曜日 2011年 12/9号 [雑誌]週刊 金曜日 2011年 12/9号 [雑誌]
(2011/12/09)
不明

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

神の沈黙
ヴェルコール「海の沈黙・星への歩み」読了。蔵書の消化作業だが、これは学生時代に購入した本。
読み終わるのに少々時間がかかった。スピード感を殺した散文的な文体で書かれた作品で、テーマ的にもかなり重いのだ。
「海の沈黙」における<沈黙>とは、ドイツ兵(良心的な親仏主義者なのだが)に対する恐怖、憎しみの表れであり、最後は重苦しい絶望の表れに繋がっていく。この絶望感は、フランス人家族のみならず、ドイツ兵にも共有されている。
「星への歩み」は、フランスに憧れ、フランスを愛したユダヤ系移民の主人公が、ほかならぬフランス(ペタン政権)によって殺害されていく痛ましい話。主人公のような人々を見殺しにするばかりか、自ら手を下していく、フランスの責任を問うた作品である。
両者とも、異邦人とフランスとの関係をテーマにしている点は重要である。

レジスタンス文学の名著として名高い本作を、わざわざここでレビューするのも馬鹿馬鹿しい気がするが、敢えて感想を記してみた。相変わらず当たり前の事柄しか言えていない自らを、ひたすら恥じるのみである。

海の沈黙 星への歩み (岩波文庫 赤 565-1)海の沈黙 星への歩み (岩波文庫 赤 565-1)
(1973/02/16)
ヴェルコール

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

憑かれた人達
「創」1月号を購入。香山リカ、橋下に対して本気で怒っている。彼女は色々批判されることも多いが、これらは基本的に敵対矛盾の問題ではなく、内部矛盾の問題として考えるべきだと思う。いたずらに走狗だの何だのと、「敵認定」する愚は避けるべきだ。
他の記事はまだあまり目を通していないが、現代書林の件は気になる。マンガ規制で「言うこときいてやり過ごそう」と、太平楽を決め込んでいる大手出版社連中。いい加減ヤバいと気付け。

創 (つくる) 2012年 01月号 [雑誌]創 (つくる) 2012年 01月号 [雑誌]
(2011/12/07)
不明

商品詳細を見る


図書館で佐藤優「共産主義を読みとく」を借りる。「情況」に連載された廣松渉論だ。佐藤もノンセクト連中から色々ゴチャゴチャ言われるが、大抵の人は、基本的に一定の距離を置きながら読んでいる筈だ。「佐藤に発言をさせるな」と言い募っているバカはいい加減にしろ。この辺の左翼陣営の泥仕合、調べていくと本当にうんざりする。部外者にはもはや狂信者の罵り合いとしか見えないだろう。

共産主義を読みとく―いまこそ廣松渉を読み直す『エンゲルス論』ノート共産主義を読みとく―いまこそ廣松渉を読み直す『エンゲルス論』ノート
(2011/07)
佐藤 優

商品詳細を見る

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

語り残したこと
インタビューはどうも苦手だ。私は発話機能に軽い肉体的障害がある為、喋りがどうもうまくない。
その結果として、話し言葉で文を組み立てるのがうまくいかなくなっている。つまり、往々にして会話の内容が支離滅裂になってしまうのだ。口下手にも程がある。
先日も、反原発デモでインタビューを受けたが、うまく回答できなかった。その為、多くのことを言い残したことに忸怩たる思いがある。後で考えたことを含め、ここで少し補足しておきたい。

「原発売るな」という文言を、私はこのところ毎回使いまわしている。内容については説明するまでもないだろう。日本政府が、ベトナムやトルコといった国々に、原発の輸出を画策していることへの批判である。だが私の場合、毎回プラカードを作成するたびに同じ文言を繰り返してしまっている。端的に言えば、発想がパターン化しているということだが、もう少し考えを進めてみる。すると、ある事に気が付いた。
仮に、「原発」を「阿片」に置き換えてみたらどうだろう。有害な物質や施設を外国に売りつける。これは、阿片戦争の状況に似ていないか。勿論、日本が原発の買取を要求して戦争に至るという過程は、リアルな問題として考えにくい。だが、ひとたび原発事故が起これば、これは戦争に匹敵する、もしくはそれ以上の災厄をもたらすこととなる。事の破廉恥さにおいて、もはやイギリスのことを笑うわけにはいかない。
断っておくが、「国辱だから」これを批判するというわけではない。勿論「愛国」を標榜する人たちには、論理的必然性として、そうした意識を持って欲しいと思う。だが、私の動機はもっと単純だ。人として、これは許されないことであると考えるからである。
尚、本日、原子力協定が衆議院を通過した。

1204demo02

それはそうと、若者バッシングをメシの種にする大谷明宏というワイドショー芸人に対しても、何らかの制裁措置が必要だと思うがどうだろうwww

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

ゆきゆきて、原発
延び延びになってしまったが、渡辺文樹脚本・監督「バリゾーゴン」「腹腹時計」の感想を記す。
尚、現在も高円寺の油野美術館で、特集上映は開催中だ。
バリゾーゴンの方は、過去の福島原発労働者の変死事件をめぐる、ドキュ・フィクション。亡くなった青年が原発のあり方に批判的だった事、また日頃村からやっかみを受ける存在であったことから、これは密殺ではないかと監督自ら体当たり的に取材を試みる。その様子はさながら「ゆきゆきて、神軍」(監督:原一男)の奥崎健三を思わせる。はっきり言って、無茶だ。合間に再現ストーリーが挟まれるが、実際の真相はわからない。だが事件全体の事実関係とは別に、取材の過程で村社会の閉鎖性や、様々な因習が色濃く浮かび上がってくる。本作の意義はそこにあると言っていい。何が原発社会を生み、何がそれを支えたのか。この映画はその問いを我々に突きつけてくる。
「腹腹時計」の方は、天皇裕仁暗殺をめぐるアクション映画。東アジア反日武装戦線の「虹作戦」が下敷きになっている。ただ、作りはかなり雑だ。そもそも時代背景をいつに設定しているのかよく判らないし、テロリストの証拠の残し方はあまりに無防備だ。
それでも、列車乗っ取り以降の攻防には目を見張るものがあり、監督自身の体を張ったアクションも中々楽しめる。警官役が高齢者ばかりなのはご愛嬌だ。ヒロインの父親が最後に天皇の責任を問うていく場面は序盤の独白シーンと呼応しており、見事に決まっていた。
監督はマカロニ・ウェスタンや初期のコスタ・ガブラスのファンであるとの事。孤高の映画人と見られがちだが、実際は正当な映画的系譜の流れの中にあるのだと思う。
それにしても公安、こんなところに貼り付いていて、何の意味がある?基本的に娯楽映画じゃないか。昔、赤瀬川原平達アーティストが「思想的変質者」としてマークされていたというが、その延長か。バカバカしいにも程がある。

wata01

wata02

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

それぞれの熱い思い
西東京市でデモ。地域デモだが、主催者発表では動員数は140人との事。太田昌国氏の顔も見えた。
デモコースに人通りが少ないのがちょっと気になる。あの界隈ではもっと人通りの多い場所があるのだが、そちらを回って欲しかったと思う。それでも頑張ってシュプレヒコールを上げる。
劇画作家のとみ新蔵氏とお話しする機会を得た。ここでは書けないが、除染作業で大変な思いをされたという。どうか体には気をつけて欲しい。

反/脱原発運動ではお馴染みの、秋山理央氏の発言もあった。
1204demo

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

雨上がりの昼空に
渋谷で反原発デモ。今日は私も所用があったので参加するかどうか迷ったのだが、何とか時間が空いたため、駆けつけた。
1時間程集会・ライブ→デモ→また同じ場所で集会・ライブというスケジュール。午前中は雨天のためやたら寒かったのだが、集会開始時には雨も上がり、いいタイミングだった。
とはいえ、天候の影響は避けがたく、参加人数は今ひとつだったようだ(自分は鈍感なため、あまり意識はしなかったのだが)。
1203demo01
今日のコースはあまり長く感じられなかった。慣れてきたせいか?

後半の集会ではPANTAが登場。アコギを手に、「さようなら世界夫人よ」を熱唱していた。やはり存在感は圧倒的だ。実は生のPANTAを見るのはこれが初めて。頭脳警察のファンでありながら、情けない話だが。
個人的にPANTAの声は、若い頃よりも、ある程度年季を経てからの方が好きだ。同じ歌でもどっしりと響いてくる。
1203demo02

そしてFRYING DUTCHMAN。
1203demo03

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記



プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

11 | 2011/12 | 01
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター