時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
アンクル・ファッカー♪
昨日紹介した「サウスパーク劇場版」の話をしよう。
本作は米国のテレビアニメ「サウスパーク」の映画版である。この番組については「映画秘宝」などでも毎号取り上げられているので、ご存知の方も多いだろう。
ストーリーは昨日も述べたように、青少年健全育成条例のアメリカ版。子供たちを守るため、カナダ製の有害映画を取り締まれ、と親や学校教師たちが騒ぎ出すというもの。健全化キャンペーンはますますエスカレートし、出演者の逮捕、ついにはカナダとの戦争勃発にまで至ってしまう。
これに対抗するのが主人公たる子供たち四人組(ケニー君はお約束通り死んでしまうのだが)。「僕達の言論の自由を守るため、立ち上がろう!」と、果敢にレジスタンスを試みる。

サダム・フセインの描き方が極めて薄っぺらで、ステレオタイプ的といえるが、わざと意図的に行っているような気もする。つまり、アメリカ人の抱くイメージを逆手にとっているのではないだろうか。
そして、そのことを通して
・健全化運動の行き着く先は、サダムに代表される野蛮な独裁者の支配する社会でしかない。
・本当に危険な存在は、悪魔ではなく人間である。
と象徴的に暗示しているような気がしてならない。実際、規制派の連中は、人間を国家や理念に奉仕する「機械」としか考えていないものだ。

これまでもしばしば物議を醸してきた「サウスパーク」であるが、この番組が今でも健在なのは、素直にレイティングを守っているからではない。自らの権利を主張し、闘い続けているからである。このことを勘違いしてはならないだろう。



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喫茶店で爆睡した
股関節を痛めた。不自然な姿勢で座ったり横になったりしていたためか。
テレビをつけるとマラソン大会とかで、いきなり石原チン太郎が画面に現れた。こんなバカ面、青少年に見せたくねェわな。まだ生きていたのかねぇ、ゾンビよりタチが悪いぞ。こいつと比べたら渋谷でゾンビ観ている人のほうが遥かに「健全」だよ。
そこで思いついたのだが、いっその事、東京をゾンビ映画のメッカにしては如何。カッコいいぞ。

昨日読んだ「落日の死影」について、元のマンガを確認。やっぱり決闘の場面で終わっていた。小説版では依頼主の背景まで書き込まれ、決闘後も話が続いている。また、パラオの漁師達の複雑な思いが語られているのが印象的だった。

夜、鬱状態が心に広がる。胸の辺りが重い。
昨日、「サウスパーク劇場版」(監督:トレイ・パーカー 脚本:トレイ・パーカー、マット・ストーン)を観たが、予想を遥かに上回る傑作。簡単に言うと、青少年健全育成条例のアメリカ版。なんだ、向こうでもやり合っているんじゃないか。語ることは極めて多いので、後日詳述したいと思う。

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船戸作品としては不満も残るが・・・
船戸与一著「落日の死影」読了。
いわずと知れた「ゴルゴ13」の代表作であり、船戸自身が外浦吾郎の名義で脚本を担当したものである。よって、本作は船戸によるセルフ・リメイクといえる。本当を言えば「ゴルゴ」はそれ程好きではないのだが、船戸作品とあっては無視できない。
作品の舞台は現代に置き換えられており、新たに脚色された部分がある。現代の国際政治への言及の部分には、船戸自身の視点が窺われるし、なかなか頑張っているといっていいだろう。
だが全体として、やはり船戸らしさは大分抑えた描き方になっている。考えてみたら致し方ないかもしれない。本当に船戸らしく描こうとしたら、ゴルゴまで殺さなくてはならなくなってしまう。
病み上がりのウォーミングアップとしては、こんなものかもしれない。個人的には「満州国演義」の続編の方が気になる。

それにしても、この本、文芸書のコーナーを散々探し回ったのだがどうしても見つからない。店員に聞いたらマンガ本のコーナーに並べられていた。おいおい、名の知れた作家だし、文芸書のコーナーに置かれていないのはまずいだろう。購買層には私を含め、船戸のファンだって多い筈だぞ。迷わないように工夫してくれ。まあ、店員は親切に応対してくれたので満足はしている。
(私が購入したのは池袋のジュンク堂。事前に他の書店を覗いたのだが、やはり文芸書のコーナーには見当たらなかった)

落日の死影 (ゴルゴ13ノベルズ 1)落日の死影 (ゴルゴ13ノベルズ 1)
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ゾンビが渋谷にやってきた!
明日から東京国際ゾンビ映画祭が開催される。
「ゾンビ(アルジェント版)」、「サンゲリア」等の旧作のほか、かなりレアな作品まで上映されるようだ。
私にはどうもゾンビ映画の魅力というのはよく判らない。ロメロの「ゾンビ」がアメリカ資本主義への強烈な揶揄を含んでいるなどの事実は理解するが、ゾンビそのものを描くことへの魅力、楽しさがいまいち理解できない。判らないままでいるのは悔しいので、これからもこつこつゾンビ映画に接し続けていくことになりそうだ。まぁ、のんびりとやっていこう。

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そういえば、そんな時期か。気付かなかった。
時期的に一応二・二六事件の話をしておこう。どうせ当日には忘れてしまうに決まっている。
私はこの事件に積極的な関心はない。ただ、事実関係についてはもう少し勉強しようと自戒している。
この事件はしばしば小説や映画の題材になっているのだが、三島の小説「憂国」はこの範疇に入れるべきだろうか。大分昔に読んだのでうろ覚えだが、事件の描写の部分は作り物めいていて、あまり上等とはいえなかったと思う。ゴリゴリの左翼である井上光晴でさえ、将校達の決起の背景には困窮にあえぐ農村のリアルな姿があったのだ、と指摘し、三島の甘い描き方を批判していた。
あの小説は後段の血みどろの惨劇のくだりになると描写が俄然、鮮烈になるので、三島はこれを書きたかったのではないかと思える。三島の嗜血癖については澁澤龍彦が指摘している通り。テーマとしては内部と外部の弁証法を描いた観念小説であるので、やはり二・二六事件を背景にした、三島美学の世界を描いた作品と理解するのが相当だろう。尤も、創作物である限り、いかに現実の事件を題材に選ぼうとも「作者の世界」を描いていくことに変わりはないのだが。

映画では同名の三島作品のほか、五社英雄「226」、実相寺昭雄「悪徳の栄え」、吉田喜重「戒厳令」、鈴木清順「けんかえれじい」、中島貞夫「日本暗殺秘録」が思い浮かぶ。
小説では武田泰淳「貴族の階段」、それから…あれ、他に読んでいなかったかな…思いつかないや。船戸与一の「満州国演義」はまだそこまで読んでいないし。何てこった、ヤレヤレ。

前述の「日本暗殺秘録」は奇跡的にDVD化されたので、早速再見した。笠原和夫の重厚な脚本が活きている。天皇制についての距離感はかなり微妙だろう。同じ笠原脚本の「大日本帝国」(舛田利雄監督)にも言えることだが、徒に天皇への忠誠を誓うものではないので、注意して欲しい。

花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)
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三島 由紀夫

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常に他者から学び続けよ
昨日読んだ「子どもたちと話す イスラームってなに?」(タハール・ベン・ジェルーン著)の感想を記す。
一読したところ、少しいい子になりすぎている感がなくもない。
「本当のイスラムの姿」として、やたら理想的な社会像を描きたてているのは気になる。だがこれはむしろ、著者がこうあって欲しいと思うイスラムの最善の姿を提示したものと受け止めるべきだろう。いわば著者の願いのようなものである。
また、著者によればイスラムの強みは謙虚さにあるという。すなわち、自分が何でも知っていると思わず、常に他者から学び続ける姿勢を持つことであるという、このことは普遍的な意味を持っていると思える。

だが本書にしばしば登場する、テロリストはイスラムとは何の関係も無いのだ、別の世界の人間なのだという物言いには不満を覚える。テロリズムがその宗教性の一つの「解」であることは、やはり受けとめなくてはならないと思う。異質の異常者の行為としてではなく、自分達の問題として真摯に検討するべきではないか。
また、政治的テロルを無教養と狂信性によるものとして片付ける行為は正当ではない。こうした単純化はサイードなどにも見られるのだが、9月11日の事件に喝采を送ったのは狂信者だけではないし、ムスリムだけでもなかった筈である。いくら教養を積んでも憎悪が減殺されるわけではない。
批判めいた話が続いてしまったが、本書から得られるものは少なくない。著者の目的はイスラムの「善用」である。寛容で、謙虚に学ぶ姿勢を身に着けること。本来、イスラムにそうした契機が存在していたことを再確認することである。

私個人は宗教性にはどうしても馴染めないので、あまりありがたい話を聞かされても、今一歩踏み込めない部分がある。だが、中世においてはイスラム文化が世界の最先端であったことはもっと思い出されてもよい。一度私達の文化的なパースペクティヴを再検討する必要があるかもしれない。

子どもたちと話す イスラームってなに?子どもたちと話す イスラームってなに?
(2002/09)
タハール・ベン ジェルーン

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アラブからの一迅の風
久々の遅番。人事関係のゴタゴタは最悪の展開。どうすっかなぁー。


「子どもたちと話す イスラームって何?」(タハール・ベン・ジェルーン著 現代企画室刊)を購入、読了する。好著だが、問題点がないわけではない。感想は後日記す。
イスラム、とりわけアラブ圏の文化には関心はあったのだが、なかなか取っ掛かりがつかめないでいる。パレスチナ関係の政治論文はそれなりに目を通してきたが、カナファーニーの小説はどうも馴染めず、ハビービーの小説はいまだに読み通せず、「千一夜物語」もまともに目を通していないし、イブン・バットゥータの旅行記は抄訳版すら歯が立たない。
映画や音楽では、アラブ圏の作品にもある程度触れてきているので、いずれ小説や人文書などにもじっくり触れてみたいと思う。イブン・ハルドゥーンの「歴史序説」とか・・・長いんだよな、これが。

サーブリーン「故郷を愛する歌」。パレスチナのアラビック・ブルース。


それはそうと、カダフィも年貢の納め時だろう。どうしようもない。

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不毛な一日
今日は仕事が休みなのだが、少し映画に食傷してきたので、ぼんやりして過ごす。図書館から借りた本を少し読む。読了したら感想を書くつもりだが、これはかなりきつい。長期にわたりチビチビ読んでいる(つまり何度も貸し出しと返却を繰り返している)のだが、漸く半分近く来たばかり。いい加減飽きているので、合い間に他の本を何冊も読み終えてしまっている。
「映画秘宝」の発売日だが、特に面白そうな記事も見られないので、購入を見送る。ルチオ・フルチの「地獄の門」は何度か観ているが、今もってラストが意味不明。主人公達は何を怯えているのだろう。

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クリストファー・ジョージ、カトリオーナ・マッコール 他

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中東情勢、今度はリビアがガタガタらしい。この国のことはよく判らない。カダフィはカストロに近いタイプかと漠然と思っていたのだが、どうなのだろうか。外見的な印象だけでは、やはり判断するべきではないようだ。



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恐るべき子供たち
「正体不明~THEMゼム」(監督:ダビッド・モロー、グザビエ・パリュ)を観る。
原題は「ils(イル)」、「彼ら」である。ホラーというよりはスリラー、サスペンスではないだろうか。
ルーマニアに滞在するフランス人夫婦が謎の存在から理不尽な襲撃を受ける話。やや「ブレア・ウィッチ」テイストの漂う作品である。
実話を基にしているらしいが、内容自体は左程独創的でない。マンガなどでしばしば反復されてきたストーリーで、ありがちといえばありがちな話である。
少年期は魔法の世界であると言ったのは吉本隆明だったろうか。この輝かしくもグロテスクな世界にもっと着目して描いたらもっと面白いものになったと思う。ジュリア・クリステヴァの唱えるアブジェクシオンにも通じる要素だ。
終盤近くにワイダの「地下水道」へのオマージュが見られたのは愉快だった。
ちょっとした小品を愉しみたい時にはいいかもしれない。

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バーレーンから
今度はバーレーンが大変なことになっている。


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邦題の勝利
このブログでも紹介してきた「ヘヴンズ・ストーリー」がベルリン映画祭フォーラム部門で受賞したらしい。力のある映画だったし、当然だろう。まずは瀬々監督、出演者はじめ、この映画に関わった人達に拍手を送りたい。

「エイリアンVSヴァネッサ・パラディ」(監督:ディディエ&ティエリー・ポワロー)を観る。
・・・ええと、どこからコメントしていいのやら。
取り敢えず、素晴らしすぎる邦題のことはひとまず措く。
ヴァネッサ・パラディが出演するコメディSF映画。彼女が劇中で意味もなく歌い出すのはご愛嬌。
前半はゆるいカントリー・ムービー風で、頭の狂った人々が生活する田舎町を舞台に、アメリカ映画を思わせる雰囲気が続く。ブラック・ユーモア満載のバカバカしい展開で、意外と楽しませてくれる。そんなこんなでお祭り騒ぎが続く中、突如正体不明の宇宙生物が襲来、住民達を襲い始める。
宇宙生物が無駄に凝った造形をしている他、残酷描写もまた無駄にしっかりしている。戦闘シーンも意図的にチープで、実に楽しい。最後に主人公達が迷い込んだ異世界は、何故かマックス・エルンストの絵画を思わせる不思議な岩山に覆われており、妙にシュルレアリスティックな終わり方をする。
ナンセンス・コメディとしてはまずまずの秀作だろう。だが、何をおいてもこの邦題を考えついた人に、まず喝采を送るべきではないだろうか。これまで「死霊の盆踊り」だの「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」(おっとこちらは原題の直訳だったか)だの、絶妙な邦題にいくつもお目にかかってきたが、本作も決してひけをとっていない。原題の「アトミック・サーカス」のままだったら絶対に手にすることはなかっただろう。
そこで提案。「プレデターVS中森明菜」というのを作ってみては如何。

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用意、スタート!
いつの間にやら、若松孝二が新作の撮影を始めたらしい。
船戸与一原作の「海燕ホテル・ブルー」。
船戸の小説でも駄作といわれている作品で、私も現在に至るまで手を付けかねている。好意的に見ても、失敗した実験作という所らしい。若松から話が来ていたにもかかわらず、船戸が映画化に消極的だったのもそのせいではないだろうか(対談の席でも原作権をせびっていたのは笑ったが)。
もっとも、若松は彼なりの切り口で思い入れを持った筈なので、それを私達に納得できる形で提示してほしいと思う。

それにしても、クランクインのニュースにはワクワクする。主演は地曳豪。「実録・連合赤軍」で森恒夫の役を演じていた人である。海岸を舞台に撮影を行ったようだが、若松映画ではいつも海辺の光景が鮮烈であるのは周知の通りだ。今回もいい映像が撮れているといいと思う。

海燕ホテル・ブルー (角川文庫)海燕ホテル・ブルー (角川文庫)
(2001/09)
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三島由紀夫の映画の準備のため、市ヶ谷にも取材に行ったらしい。この人は一旦始動すると動きが早いので、これからも目が離せない。
過去にハリウッドでコッポラ製作の「MISHIMA」(監督ポール・シュレイダー)というのがあったが、再現物を作るつもりはないという。そういえば、渡辺文樹も「政治と暴力 三島由紀夫・赤報隊」を撮っていたな。上映形態が特殊すぎるので、結局観にいけないままでいるが。
http://www.wakamatsukoji.org/blog/2011/02/post_136.html

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そろそろイルカ肉が旬を迎える筈である。
シー・シェパードとかいうギャングのニュースが不愉快だ。名前もなぁ・・犬に失礼だろう。シー・ピッグ・・・おっと、これじゃ海豚(イルカ)だな。豚にもイルカにも失礼か。
まぁ殉職覚悟でいけなどと偉そうに言うつもりはない。それに自衛隊など出して強硬に当たったりすれば、国家間の武力紛争に発展しかねないということだろう。
だがこの辺り、もっとしたたかになれないものか。文化帝国主義に違いはないのだから。
第一、このやり方だと、国内でも感情論ばかり先走るぞ。
(余談だが、このチンピラ共を拉致って来て、人肉料理にして食べてしまうというギャグを考えてみた・・・しかしよく考えてみたら、まんま、「食人族」のストーリーだな、こりゃ)

昨日も少し触れたが、珍太郎の激昂ぶりには笑わせて貰った。チュニジアの前大統領みたいに脳卒中で倒れたら、みんなで赤飯を炊こう。

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歴史の蠢動
仕事の方は新しい情報が入らないまま。皆、不安を抱えたまま業務を続けている。
とりあえず気を取り直して、今日の話題に移ろう。

船戸与一著「風の払暁~満州国演義1」読了。
題名が示すように、満州国の顛末を描いたシリーズであり、第一巻は張作霖爆殺前後の時代を扱っている。読みながら、何かしら猛々しい地響きが聞こえてくるようだった。
既に「蝦夷地別件」で歴史を描く方法をものにしている船戸だが、ここでもその手腕は遺憾なく発揮されている。外交官、馬賊、軍人、気弱なアナーキストの四兄弟がストーリーの軸となり、それぞれが各自の思惑の下に、中国大陸を駆け巡る。そうした中、計算高くうまい汁を吸おうとする現地の馬賊群や、暗躍する秘密工作員が、彼等の運命をかき乱す。
中国大陸の勢力関係が丁寧に描かれ、前述した張作霖殺害、田中義一の死、張学良の易幟といった時代背景がストーリーと一体となって、生々しく迫ってくる。本書は日中近代史への格好の入門書にもなるだろう。
あまり取り得のない四郎は読者と等身大の位置にいると思うが、流石にここまで踏んだり蹴ったりだと気の毒になってくる。「蝦夷地別件」の主人公の僧侶を思い出すが、今後どのような運命を辿るのだろうか。総欖把・葉文光に復讐を誓う次郎と共に、先行きが気になる存在である。

風の払暁―満州国演義〈1〉風の払暁―満州国演義〈1〉
(2007/04)
船戸 与一

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くりした都議の質問が話題になっている。取り急ぎ、リンクのみ。
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/video2011-t1.html 

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許されざるもの
会社でゴタゴタがあり、ブログを更新する気分ではない。
会社勤めをしていればおわかりと思うが、人事関係が絡むややこしい話は、大抵ギリギリの直前まで公表しないのが常である。一体、労働者を何だと思っているのだろう。
しかも、まだ不透明な部分が多く、どうなるかわからない。人の気持ちを弄ぶのはやめてくれ。


不愉快なニュース。「愛恋千鳥一巻、増刷が決まった時点で有害指定される」
「いとこいちどり」と読むらしい。仮に増刷停止や取扱中止になった場合、気を使って「出版社を責めるな書店を責めるな」なんて言ってると、「黙って言うことを聞きましょう」ということにしかならない。言うべきことはきちんと意見しよう。
最近、表立った反対の動きが見られない。角川書店社長のインタビューなど良質な動きもあるのだが、まだまだアピール不足である。出版社、本当に闘う気あるのか?疑いたくはないのだが、まさか規制に立ち向かうのではなく、読者を如何に誤魔化すかに腐心しているのではあるまいな。読者に愛されてこその出版社だ。企業は信用を失ったらお仕舞いだということを思い出してほしい。

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究極のメニュー!
タイ映画「人肉ラーメン」(監督:ティワ・モエイサイソン)を観る。
ゲテモノ映画を期待していたのだが、思いの外良作。
過去と現在が混濁するあたり、主人公の狂気を表現したかったと思われるが、演出が凝りすぎで話が摑みにくい。ここは欠点として指摘されるだろう。
だがその中で、娘の姿に自分の少女時代の記憶が投影される様子は見事である。つまり、主人公にとって娘はもう一人の自分の姿であるということだ。欠点はあるにしても、演出意図は悪くない。
内容は、子を失った母の哀しみという、オーソドックスなストーリー。親子の情愛など、パターン化されているとも言えそうだが、逆に言えばそれだけ骨組みが堅固であるともいえるので、馬鹿に出来たものではない。「オーソドックス」を嘗めちゃいけないぜ、と改めて思い知らされた。
尚、題名に違わず、残酷描写は満載なので注意してほしい。

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突き抜けろ!
今、「満州国演義」(船戸与一著)を読み進めている。張作霖爆殺前後の時代を扱っているのだが、何だか現代の日本の情況とよく似ているような気がしてならない。実にイヤだ。

有休を利用して、「冷たい熱帯魚」(監督:園子温 脚本:園子温・高橋ヨシキ)を観る。
今ひとつ物足りない映画。「愛のむきだし」のようなカタルシスは存在しないので、注意した方がいい。「映芸」で荒井晴彦たちが叩いていたので、「何を言ってやがる」と思ったのだが、観終わってからは荒井達に同意せざるを得なかった。
何より、最後の決め手となる「人生とは痛いものなんだ」というセリフが効いていない。メッセージとして娘に伝わっていないので、言いっ放しに終わっている。既存の澱んだ価値体系をぶち壊して、その向こうに突き抜けていこうとするのが園子温の映画の魅力だったと思う。だが、これでは結局「人と人は分かり合えないものなんだ、何も伝わらないんだ、しょうがないんだ」と言うだけで、現状追認でしかない。
この結末部は、形式的に「紀子の食卓」の結末にも通じるのだが、あちらは家出することで、何かに向かっていこうという意思があった。だが今回は突き抜けようとするのではなく、こんなにえげつないものがあるんだぞ、と提示しているだけに終始している。
尚、スプラッター描写を賞賛する人がいるが、慣れた人にとっては、左程度肝を抜かれることはない。この要素は「自殺サークル」でも充分感得できる。
園子温には期待しているので、次回は是非突き抜けて欲しい。



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バレンタインデイ・スラッシュ
「ブラッディ・バレンタイン」(監督:パトリック・ルシエ)を観る。
左程悪い出来ではないが、少々物足りなさの残る映画だった。
所々3Dを意識した演出があり、興醒めする。無論、映画がそれ自体、一種のアトラクションであるという見方は可能だろう。だが、これではアトラクションに奉仕する映像でしかない。昨今の3D映画は殆どその域を出ていないのではないか。
血飛沫満載のスラッシャー映画としての演出は悪くない。不満があるのはストーリー面である。
犯人が狂人という設定は安易だろう。約束事といってしまえばそれまでだが、下手人(しかも人間)を絶対的に了解不可能な存在として位置づけるのは不満が残る。毎度の事ながら、こうした作劇の背景にはアメリカ社会の、他者に対する病的な恐怖観念があるのではないだろうか。つまり、我々の社会の中に異質な怪物(具体的に言うと「テロリスト」等)が紛れ込んでいるという不安感である。往年の名作「物体X」の疑心暗鬼になった登場人物を思い出すと判り易い。
どうせなら開き直って、ジェイソン並に化物にして、モンスター映画に徹した方がよかったと思う(そういえば、「ジェイソンX」の「ジェイソン宇宙に行く」というキャッチコピーには笑ったな。あれはまさに怪獣映画だったが)。

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価値を問い直すこと
「アメノウズメ伝」(鶴見俊輔著)。再読しようとしていたが、結局そのまま放ったらかしになってしまった。
あまり体系的に纏まった書物ではない。鶴見独自の観点から捉えた、アメノウズメ的なものに対する考察をまとめた文集である。
笑いと躍動感に満ちたアメノウズメの姿は、アポロン的なものに対する、ディオニュッソス的なものと言い換えてもいいだろう。彼女は「自分のくにと他人のくにとを問わず、権威をおそれない」。
踏み込んだ見方をすれば、近代的理性中心主義の自明性に対し、根本的な問いを投げかけることであり、全ての権威的なものを嗤いのめすことである。
民衆文化のうちに潜む、こうしたアナーキーな生命力に、著者は期待感を寄せていると思える。

例えば、サド侯爵の一連の作品は、価値そのものを徹底的に解体する試みだったといえる。
「支配階級の思想が支配的である」とはエンゲルスの記述であるが、少なくとも人間の意識がその社会的、時代的制約と無関係ではいられないことは確かだ。よって、徒に無為のまま受動的に過ごすのであれば、規格の檻の中で、それは精神であることをやめる。我々の精神は非常に危うい場所の上に立っている。
「決まっていることだから、これは正しい」・・・過去の歴史が示すように、これは排除と抹殺の回路を形成する。考えることをやめるとき、人は怪物となる。だからこそ、くびきを脱し、思考の全体性を回復しようとする試みが貴重となる。
昨今公権力によって提唱される「健全化」など、近代に奇形的にでっち上げられた公式のモンスター化に他ならない。これはまさに、考えることを規制せよといっているだけである。
私達は、自らの精神活動に潜む、エネルギーのマグマを圧殺してはならない。

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POWER TO THE PEOPLE
ムバラク辞任。日本の報道は何をしている。小向なんか追っかけてる場合じゃないぞ!


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「胎児よ胎児よ何故躍る 母親の心がわかっておそろしいのか」
「あしたのジョー」の番宣が鬱陶しい。いい加減にしてくれないか。
タイガーマスクも実写版製作の方向性だという。「巨人の星」「侍ジャイアンツ」「ど根性ガエル」の実写化も近いか?個人的には「がきデカ」を希望したいが。「風と木の詩」「パタリロ」・・・やれるもんならやってみろ。
そういえばジャック・ドゥミ監督の、実写版「ベルばら」という凄まじい代物があった。流石に観るのが怖く、未見のままだが。

先日観た「屋敷女」の感想を記そう。(監督:アレクサンドル・バスティロ 、ジュリアン・ モーリー)
原題はア・ランテリユール。「内部にて」という意味である。胎児のイメージが頻出することからも窺われるように、これは子宮内部の意味でもあり、屋敷の内部の意味でもある。もっと言えば、本作のストーリーそのものが子宮の内部で起こった出来事であると考えてもいい。
プロットは単純で、頭のいかれたハサミ女(ベアトリス・ダル)が、主人公である妊婦(アリソン・パラディ)を襲うというもの。動機は末尾に示されてはいるものの、ここまで来ると偏執狂というしかない。
最終的に主人公は胎を切り裂かれて殺害され、摘出された胎児をハサミ女が胸に抱くところで映画は幕を閉じる。
胎児は胎内瞑想の夢を破られ、生誕する。惨劇で徹底的に破壊された家から生まれるものは何だろうか。
それとも、「生誕とは一種の惨劇である」ということだろうか。
ちなみに、ベアトリス・ダルは「ベティ・ブルー」の女優。アリソン・パラディは歌手のヴァネッサ・パラディの妹である。

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妄言の総合商社は即刻廃業せよ
「創」3月号を読む。
戸塚ヨットスクールのドキュメンタリー「平成ジレンマ」が話題だが、これはパス。優れた作品と聞くが、シゴキやイジメはどうも生理的に受け付けない。無論、映画を取り締まれなどとバカなことを言うつもりもない。
香山リカによる「逮捕されるまで」(市橋達也著)評は、あくまでも精神科医としての分析を記したもの。残念ながら、あまり斬新な見解は窺われなかった。
長岡義幸の「まだ終わっていないぞ!都条例改定問題のその後」はこの間の動きの続報である。関心を持ち続けている人には真新しい内容ではないが、経緯をあまりよく知らない人には是非とも読んでもらいたい。
東京都から槍玉に挙げられたマンガには、私が読んだ作品も含まれていた。「あきそら」(糸杉柾宏著)である。
この際断言しておくが、私が読んだ限り、この作品は決して悪い出来ではない。無論、作劇上の疑問は幾つかあるのだが、これはあくまでも作品論であり「道徳性」などのしゃしゃり出る余地はない。
その他の記事では、田代まさしの近況、マツコ・デラックスによる石原慎太郎批判が目を引いた。
マツコ達ゲイにとって、石原発言は「生まれてきたことを否定されたに等しい」というもので、この問題の深刻さについて認識を新たにした。
実際、マンガファンもこの男から全人格を否定されてきているわけで、他人事ではない。また知事選に出るつもりだろうか。こんな、脳が排泄物で出来ているような男には、二度と権力を与えてはならない。

創 (つくる) 2011年 03月号 [雑誌]創 (つくる) 2011年 03月号 [雑誌]
(2011/02/07)
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寒い日はホラーに限る
先日、「パラノーマル・エンティティ」(監督:シェーン・ヴァン・ ダイク)を観た。
「アクティヴィティ」の模倣作品で、主人公の妹が悪霊に取り憑かれるというもの。フェイク・ドキュメンタリーである点も「アクティヴィティ」と共通する。
夢遊病のくだりなど、ここまで似せていいのかと思う箇所があるが「アクティヴィティ」が好きな人は楽しめると思う。壁の足跡などなかなか楽しい(?)箇所もあるので、マネだ、パクリだとあまり目くじらを立てないで鑑賞するといいだろう。

「屋敷女(ア・ランテリユール)」(監督:アレクサンドル・バスティロ 、ジュリアン・ モーリー)の感想も記しておきたいが、体調が悪いので後日にする。
それにしても、エジプト情勢がこちらのメディアでまともに取り上げられないのは気掛かりである。

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シェーン・ヴァン・ダイク、エリン・マリー・ホーガン 他

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叛史の前哨
船戸与一「群狼の島」を再読する。
本作の発表時期が、船戸が自らの作風を確立する前であることは念頭に入れておくべきだろう。何しろ、デビューしてわずか数年しか経っていない頃である。粗の多いことは覚悟しなくてはならない。

出来栄えしては、安いアクション小説の域を出ない。やはりまだまだ習作の域を出ない作品である。これでは舞台がマダガスカルである必然性が無いし、素材を活かしきれていない。ソ連軍の軍事基地を破壊するというのもありきたりだし、登場人物も血の通わない人形でしかない。
単に国際娯楽アクションを求めるのであれば、充分に読ませるものになっている。だが、船戸らしさを求めると期待はずれに終わる作品なので、注意するべきだろう。
主人公達が凄絶な殺し合いを演ずる向こうに、広漠と広がる民衆の力強い姿が描かれるというのが船戸作品の特徴であるが、船戸がその持ち味を発揮するまではまだ時間が必要だったようだ。

近々、船戸が脚本を担当した「ゴルゴ13」のセルフ・リメイク小説が刊行される予定だが、どのようなものとして現れるのだろうか。船戸が書くからには、読者は「ゴルゴらしさ」よりも「船戸らしさ」を求めている筈だ。期待を裏切らない、重厚な作品に仕上げてほしいと思う。

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懐かしい曲のこと
「HAUTE TENSION」(邦題:「ハイテンション」 監督:アレクサンドル・アジャ)を観る。
のっけから懐かしい曲が響き渡る。RICCHI E POVERIの「サラ・ペルケ・ティ・アーモ」。
映画ファンにとっては「なまいきシャルロット」(監督:クロード・ミレール 主演:シャルロット・ゲーンズブール)の主題歌としておなじみの曲である。私もご多分に漏れず、「~シャルロット」のDVDを観た直後、CDショップに駆け込んだものだった。
この人も今じゃ「アンチクライスト」だからなぁ。親子共々、よくやるものだ。

「ハイテンション」の話に戻る。映画自体はとても楽しく観たのだが、所々、解釈に自信が無い部分がある。難解という意味ではなく、トリッキーな作りをしているということである。納得がいったらレビューするつもり。今日は音楽の話のみ。

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ひとつの<死>
永田洋子が亡くなった。脳腫瘍を患い、既に昏睡状態であることは知っていたが、拘置所ではまともな治療がなされることは無いのは周知の通り。「十六の墓標」が押入れの奥にあるはずだが、ある程度拾い読みした程度で、殆ど目を通していない。流石にむごたらしいのだ。瀬戸内寂聴との往復書簡が手元にあるので、いつか目を通しておきたいと思う。
ところで数年前、映画「実録・連合赤軍」が公開されたとき、ブント系の「情況」誌で永田の人格問題について触れた論稿が見られた。そこでは、「思い込みの激しい、自立していない人格」の問題が、京浜安保の仲間から指摘されている。
無論、連合赤軍事件が誰にでも起こりうる「はまり込むのがあまりにもたやすい深淵」(P.スタインホフ)であることは異論の余地が無い。それを踏まえた上で、彼女の人格の問題を検討しようということである。事件から40年近くたったことから、タブーが解けたということだろう。勿論、「鬼婆」だの「魔女」だのといった中野裁判長の妄言は論外である。
若松孝二の映画は遠山美枝子の件があるので、どうしても私怨のバイヤスが掛かるのは致し方ないだろう。いずれにせよ、この事件が将来にわたって、真摯に探求されていくことを期待したい。

そういえば、日本赤軍の丸岡修(無期懲役)も心臓病で危険らしい。重信房子(懲役二十年)も癌を患っていたので、その後が気になるところである。

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都知事の足元でも、目に見えないマグマが噴き出そうとしている筈だ。
石原慎太郎「火の島」を読了。以前にも記した通り、途中で飽きたため、やたら時間がかかってしまった。
まずはあらすじを紹介する。
大企業の社長夫人と、その会社を食い潰そうとするヤクザ組織の幹部が主人公。二人は幼馴染であった。三宅島の噴火以後、離れ離れになっていた二人は運命的な再開を果たし、一挙に不倫の愛へと突入する。
迸る愛の狂熱を三宅島の噴火になぞらえているのだが、小説として長すぎないか。もっと切り詰めて書いたほうがいいと思う。また、主人公達が激情を奔放にぶつけていくのは初期の頃から一貫しているが、見方を変えればパターン化しているともいえる。奥行きがあまり進化していないのだ。

所々に著者特有の差別主義が顔を覗かせているが、一応小説化された言説と看做しておく。それにしても、やたら美智子皇后にこだわるのはどういうことだろう。皇族を出せば登場人物が大物に見えるからというのであれば、発想が貧困という他は無い。
導入部の滑り出しが悪いのはいつも通りだが、彼の小説では読みやすい部類に属する。飽きなければ、すぐ読み終わるはずだ。どんな小説でもそうだが、一旦飽き出すと、読み続けるのが辛い。出来の良し悪しより以前に、とにかく疲れた。当分珍太郎の小説は読みたくない。

火の島火の島
(2008/11)
石原 慎太郎

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「武蔵野市民学校 映画○学ぶ会」のこと
武蔵野市民学校という、個人運営の名作映画上映会がある。一部地域では古くから知られているらしい。運営者の志を応援したいので、ここに紹介しておく。
尚、私の行動範囲からはかなり外れるため、なかなか行けそうに無い。残念なところだ。
ちなみに、今日はポランスキーの特集だったらしい。仕事の都合もあり、私は行けなかったのだが、上映作品は「反撥」と「死と乙女」。前者はカトリーヌ・ドヌーヴが出演しているもので、私も10年ほど前に観た事がある。体調を整えないと間違いなく寝るであろう一本。
今後の上映予定は以下の通りだという。

<武蔵野市民学校2月上映会案内>
2/6 戦後日本名作映画史シリーズ16
13:10~「ユンボギの日記」
14:40~「サンダカン八番娼館」
2/11 アジア映画の魅力2 中国編
13:10~「紅いコーリャン」
15:20~「上海にかかる橋」
2/13 日本の名監督シリーズ3 小津&溝口
13:10~「浮草物語」
15:00~「残菊物語」
2/25 世界名作映画の旅3 仏&アルジェリア
13:10~「ラ・ジュテ」
14:00~「Z」
2/26 ポーランド映画の全貌14 アンジェイ・ワイダ監督特集
13:10~「死の教室」
15:00~「すべて売り物」
2/27戦後日本名作映画史シリーズ17
13:00~「砂の女」
15:20~「股旅」

<高峰秀子追悼特集>
2/11 「宗像姉妹」監督:小津安二郎
2/12 「二十四の瞳」監督:木下恵介
2/25 「浮雲」監督:成瀬巳喜男
2/26 「無法松の一生」監督:稲垣浩
全て10:00~

★参加費:無料(カンパ歓迎)

会場:埼玉県志木市柳瀬川図書館

註:その後、12日の上映予定が変更になったらしいので、訂正を加えておく。
上記は訂正後のバージョン。

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落伍者たちの連帯
昨日、船戸与一「蟹喰い猿フーガ」を読了。湾岸戦争真っ只中のアメリカ。主人公を始めとする社会のはみ出し者達が、クウェートの富豪の隠し財産をめぐり、マフィアを相手に争奪戦を繰り広げる。
主人公と仲間達の固い結束感が小気味いい。落ちこぼれ達の連帯は、ニューヨークのホームレスを巻き込みながら、マフィア達を圧倒していく。魅力的な仲間達と行動を共にするうちに、主人公が成長していく姿も見事である。尚、主人公の成長振りの度合いは、劇中曲「蟹喰い猿フーガ」への反応に象徴的に示されている。ところで、あまり指摘する人はいないのだが、船戸の小説には石川淳の影響があると思うが、どうだろうか。
何はともあれ、実に痛快極まりない、傑作だった。一読をお勧めしたい。


八百長騒動について、石原慎太郎曰く「騙されて楽しんでればいいんじゃないの、そういうもんだよ、相撲って」。
一見もっともらしく聞こえるだろう。だが、人畜無害なマンガに対しては徹底して規制を進める姿勢を見ると、自分が気に入ったものには寛大で、気に喰わないものは潰しにかかる、そんな姿勢が浮き彫りとなる。このような外道と一緒にされたくないので、念のため書き記しておく。
石原よ、エジプトの事態は他人事ではないぞ。

kanikui

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「正義ははた迷惑だ」 鶴見俊輔
相撲界の八百長が話題だ。まあ、今に始まったことじゃない。ある程度ダークな部分はあった筈で、聖人君子たることを求めようとは思わない。まあいい機会だし、色々オープンにしたらいいんじゃないかと思う。

格闘技では、プロレスが八百長であることは親から散々聞かされてきた。そのせいか、今日に至るもプロレスには積極的な関心を抱いていない。
だが、長じて後、プロレスファンの話を聞いて大分印象が変わった。要するに、「ギミックで何が悪いのか」ということだ。プロレスは、勝ち負けを含めた一定のストーリーが予め決められている。これを逸脱すると大事故に繋がりかねない。そうした枠組みの中、鍛え抜かれた肉体で、どれだけ素晴らしい技を観客に見せていくかが勝負であるという。
成程な、と思う。

相撲とプロレスは性格の異なる競技であり、同一視は出来ない。ただ、純潔化を求める風潮に些かうんざりしているのは事実だ。事実関係が明らかになっても、ヒステリックに拳を振り上げる風潮には加担したくないと思う。

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プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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