時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
今年のベスト、そしてワースト
ベスト
1.ヘヴンズ・ストーリー
2.ぼくのエリ
2.キャタピラー
4.BOX袴田事件
4.ソシアリスム
6.十三人の刺客
7.恐怖
8.怒る西行
9.土竜の祭
10.泥の惑星
ベストはいずれもクオリティの高い作品だった。
「ヘヴンズ・ストーリー」は文句なしの一位。映画の底力をまざまざと見せ付けてくれた。
「キャタピラー」は往年の若松映画の再来を思わせる出来栄えで、荒削りながらガツンとくるパンチ力を感じることが出来た。
「ソシアリスム」は鑑賞者の側が消化不良に終わってしまうのが残念。何回か見返すと、新たな発見があると思う。
「十三人の刺客」は肉体の激突をきっちり描いた事を評価したい。
「怒る西行」はもっと上位に入ってもおかしくないが、この辺りの順位は幾らでも入れ替え可能である。

ワースト
1.借りぐらしのアリエッティ
2.怪談新耳袋 怪奇
地雷を避けたので、ワーストはこの二本。
「アリエッティ」は、観客をバカにした映画だった。小手先の器用さに胡坐をかき、出来の悪いストーリーを見栄えよく誤魔化して見せている。その点、潔く大失敗した「ゲド」よりもタチが悪い。
「耳袋」については、我々は映画を観に来たのであって、テレビドラマを観に来たのではないの一言に尽きる。後半のみを低料金で、ミニシアターにて上映していれば、かなり評価は変わったと思う。

※付記:「ぼくのエリ」は、ワーストに入れてもよかったかもしれない。指摘が少ないのでネタバレを承知で書くが、これはいわば「男の娘」映画。日本公開版は去勢の跡を見せないことで、ストーリーの意図的ともいうべき改竄がなされている。「不健全」と言いたいのだろうか。
映画自体はベストに入れたが、日本版のこの改竄は罪深い。そう考えると「アリエッティ」と同列で、ワースト1位にランクインするだろう。



総括めいたことをいうと、規制問題で嫌なことばかり続いた一年だったが、よく生き延びてきたものだと思う。来年はどんな年になるかよく判らないが、このブログを読んで下さっている方々が、素晴らしい一年を迎えるよう、心から祈りたい。

新作の落書き<飯綱落とし>
izuna_small

スポンサーサイト

テーマ:2010年ベストテン - ジャンル:映画

打撃は絶え間なく与えねばならない
一昨日あたりから川崎のぼるが東京都からの受賞を拒否したとの情報が流れている。事実であれば凄いことだ。マンガファンからの特別賞をあげたいくらいだ。実際そういう動きがあってもいいと思う。



さらなるアピールの紹介。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の改定可決に抗議するアピール

私たちは、「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」に反対
し、現行の「不健全」図書指定の審議会に対して、市民への全面公開や、指定の取り消し、
異議申し立て手続きの整備を強く求めてきました。
問題点を指摘している当事者である私たち表現者に諮ることもなく進められてきた今回の
改定案には、「刑罰法規に触れる性行為」「著しく社会規範に反する」といった、判断基準が
曖昧な文言が存在しています。曖昧であるがゆえに、「慎重な運用」を盛り込んだ付帯決議
は、かえって当局に伸縮自在の「解釈の裁量」を与え、恣意的な判断を許すことになります。
第三者機関とされる審議会も、行政に人事権があり、その運用の主体は、行政と警察になり
ます。つまり、出版・表現物に対して、監視する立場の「青少年・治安対策本部」がさらに優
位な立場になるのです。
出版者・販売者は、トラブルや規制による販売制限を怖れ、また、「不健全図書」に指定さ
れることを避け、過度の自主規制が考えられます。それらは、創作の現場全体への制約に
繋がります。
そもそも「慎重に運用」しなければならないような条例は、不完全な条例であるといえます。
私たちは、今回の改定に反対すると共に、「不健全図書」指定の審議会に対して、市民への
全面公開や、指定の取り消し、異議申し立て手続きの整備を強く求めます。
2010年12月17日

一般社団法人日本劇作家協会
社団法人日本劇団協議会
協同組合日本脚本家連盟
国際演劇評論家協会(AICT)日本センター(12月20日付)
協同組合日本シナリオ作家協会(12月20日付)
日本児童・青少年演劇劇団協同組合(12月20日付)
協同組合日本映画監督協会(12月22日付)
日本新劇俳優協会(12月22日付)
日本演出者協会(12月24日付)
※表現や言論の各団体にこのアピールへの賛同を広く呼びかけています。
白土作品と出会いなおす
白土三平「消え行く少女」上・下を購入。遥か昔に長井勝一の「「ガロ」編集長」を読んで以来、ずっと気になっていた作品。広島で被曝した少女と強制連行の問題を扱ったストーリーで、若干の史実上の相違はあるものの、思い切ったテーマに踏み込んだ意欲作である。
発表は何と1959年。復刻した小学館の英断を讃えたい。問題があるとすれば、些か高額であることだろうか。購入に少し躊躇した。尤も、TAFボイコットの件があるので、支援、支援。

kieyukushojo

テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック

規制関係で振り回された一年だった。
漸く仕事納め。公私にわたり、返す返すも嫌な一年だった。

昨日から続いていた探し物(本)が漸く見つかる。おかげで部屋中を引っ掻き回すことになってしまった。
都条例の件で文章を少し書く。公権力のやりたい放題がまかり通る、何でもありの情況が続いている。幾らなんでもまずいだろうという趣旨。
今の所予定はないが、もしかしたら、そのうちここにも掲載するかもしれない。

アニメフェアに対抗するイベントを幕張で開催するとか。千葉県も規制に前向きなので、どうなるだろうか。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

許されざる者
年賀状の作成に思いの外手間取る。といっても、出す相手は数人しかいないのだが(殆どメールなので)。

忘れていた。先日、「映画秘宝」2月号を購入。特集はオール・ジャンル・ランキング。
巻頭の「ヤバいポスターランキング」を始めとして、整形女優ランキング、邦題縛り首ランキング、ちゃんと歌っているロック映画ランキング、今こそ観たい反日映画ランキング等、無茶な企画満載。
今年も恒例の読者アンケートを募集している。記載項目には、2010年ベスト映画の他、「死んで欲しい奴」の欄がある。勿論、私はあの男の名前をハッキリ書いて投函した。アニメがあるし、既に映画界も人事ではない。折角だから、「秘宝」には太陽族映画特集を組んでもらいたい。
私のベスト、ワーストは当ブログで改めて発表予定。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

さまざまなこと
周囲が年末モードに入ってしまっている。これに流されると、無為に時間を過ごしたまま終わってしまうところだ。気をつけなくては。但し、無理に年末年始ムードを排除してしまうと、これはこれで味気なく、メリハリがない。以前、それで失敗したことがある。あれはつまらなかった。結局、ほどほどに付き合う事も必要だと思い知った。要は、やることをちゃんと出来ていればいいのだ。

スリムクラブがM-1で決勝まで進んだとか。テレビは嫌いだし、お笑いも興味がないので、観ていなかった。個人的に、真栄田君達には頑張って欲しいと思っているので、いいニュースだ。

あちこちで変な青少年条例を作ろうという動きがある。東京都がキチガイ条例を作ってしまったため、権力者がやりたい放題を始めている模様。一体何を求めているのだろうか。国定性欲とか、国定人格のようなものを作りたいのだろうか。規制パラノイアそのものだ。事実、この執着ぶりには何かしら病理的なものを感じる。
出版社などが大規模な動きを見せないと、歯止めが利かないと思う。個々人のゲリラ戦だけじゃ、追いつかない。


テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

収拾がつかないぞ
一日中、スクラップの整理に追われる。よくもこれだけ、ほったらかしたものだと思う。切り抜いた新聞にアグネス・チャンの顔写真が掲載されていて、一気に怒りが膨らんだ。
だが、規制関係の切り抜きは左程多くなく、一般の社会的な事柄の方が圧倒的だった。無駄に好奇心が多いのだ。
そうそう、先日「僕は結婚しない」(石原慎太郎著)という小説を半分ほど読んだ。タルんだ、ヌルい小説。おいおい爺さん、ナメてんのか?そのうちレビューをここで書くつもり。


ところで、話題(?)の「さるでもわかる都条例対策」。バナーの向かって右が「石原しんたろうたん」だそうだ。

サルでもわかる都条例対策


テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

いい加減にして欲しい
「週刊金曜日」を漸く購入。件の投書は年配の女性。
あまりにもお粗末で話にならないレベルだが、反論しないと、読んだ人が「成程、やはり規制は必要だ」などと流されてしまうのが怖い。「週刊金曜日」の読者には運動関係の人が多いので、そういう人達に勘違いして欲しくない。
いくつか要点をあげる。要約したものなので、実際に雑誌を手にとって見て欲しい。

「コンビニなどに女性や子どもの性をもてあそぶだけが目的化したような”表現物”があふれている。私たちの文化状況はこれでいいのか」
「マスメディアはこの条例の悪い点だけをあげつらっている。歪曲されて報道されている」
「表現者は表現という”力”を持った存在であり、それによって被害を受ける力なき人々がいる。表現物によって性搾取され、被害を受けた人たちが福祉施設に大勢存在するのである。表現の自由を絶対視してはならない」

つまりマンガでエロを描くと現実の性虐待と同じ効果が発生し、実際に「マンガ被害者」が福祉施設にいるということらしい。バカにしているのではなく、この文面ではどうしてもそういうことになってしまう。
悪影響論を言っているのか、あるいは現実の児童虐待(強姦等)映像がコンビニなどで氾濫していると思いこんでいるのか、いずれかだと思われるが、正確なところよくわからない。

個人的には、少し根源的な問題に遡って反論を試みたいと思う。繰り返すが、この雑誌は「敵側」のメディアではないので、良質な反論を送ることは有効である。
投書は以下のページから可能だ。

http://www.kinyobi.co.jp/

テーマ:みんなに知ってもらいたい - ジャンル:日記

「法が正しくないときには、正義が法に勝る」 ゴダール
日比谷で「ソシアリスム」(監督:J.L.ゴダール)を観る。公開しているのを知らなかったので、教えてくれたmayoさんに感謝。ありがとう御座います。
それにしても邦題、何とかならないか。チケット屋で題名を言っても通じなかったぞ。何とかしよう。「社会主義」・・・いや、これじゃドン引きするな。「ソーシャリズム」これは論外。
パティ・スミスが出演するのだが、彼女の登場シーンは3回のみ。しかもいずれも短く、殆ど目立たない・・・こともないか。存在感はあるので印象には残るが、ファンとしてはもっと彼女を見たかった。アラン・バディウも登場し、無人の講堂で幾何学について講義する。
相変わらずだが、ストーリーらしいストーリーはあまりない。ひたすら映像と音、言語の洪水を体感することになるのだが、前半はかなり辛い。後半の映画史的考察を行っていくくだりになると、俄然入っていきやすくなる。
出来ることなら二回以上見るのがお勧めだが、また劇場まで行くのも辛い。ソフト化まで待つとしよう。

有楽町西武が閉店だと。今日有楽町から劇場まで歩いたのだが、気づかなかった。場所も知らないし。

予告編。「物事、黄金、ゲス野郎、歴史、言葉、動物、子供たち、伝説」といったキーワードが現れる。



テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

カーゴの季節がやってきた。
会社帰りに「週刊金曜日」を買おうと思っていたが、怒りが激しすぎたらしい。・・・買うの忘れた。いや、「反論を、反論を」とずーと考えていて、頭が一杯になってしまったのが原因だと思う。情けない話だ。取り敢えず、明日に延期する。
クリスマスとかいう、カーゴ・カルトの季節である。ニューギニアの信仰で、神が贈り物を届けてくれるという、アレである。元は大戦中に米軍が物資を投下したのが起源とか。諸星大二郎の「マッドメン」にもちょっと出ていたな。
冗談はさておき、クリスマスである。ここ数年、レノンの「ハッピー・クリスマス」が嫌いになった。理由は「イマジン」が嫌いになったのと同じである。こりゃ体制側の曲だよ、もはや。
第一、喧嘩の真っ最中に「ウォー・イズ・オーヴァー」なんて悠長に歌ってられるかい。
そんなわけでこの曲をお勧めしたい。マリリン・マンソン「アンチクライスト・スーパースター」

テーマ:今日の1曲 - ジャンル:音楽

<告知>  味方を増やすために
東京都青少年条例の件で、「週刊金曜日」に規制推進派からの投書が掲載された。かなり酷い内容である。この雑誌は規制反対のスタンスを貫いているので、この記事の掲載には、問題提起の意味が含まれていると思われる。
反対派の諸氏は、効果的で理路整然とした反論を送って欲しい。投書は週刊金曜日のHPから容易に可能だ。あくまでも味方の雑誌なので、罵言は慎むこと。私も帰宅後に反論を送る予定。


(追記)過去の週刊金曜日の記事より
<マンガ・アニメを殺しかねない都青少年条例の改定案に、「子どものために必要」との声がある。しかも、「日の丸・君が代」強制の徹底など、石原慎太郎都政の “思想統制” に警鐘を鳴らす人たちの一部も賛成だという。不思議だ>

くだんの投書は、多分ここで言及されていた「賛成意見」だと思われる。

テーマ:みんなに知ってもらいたい - ジャンル:日記

海老蔵も麻木もどうでもいい!
改悪青少年条例について、ようやくあちこちから声明が出されるようになった。
いずれも運用の行く末を監視する、という内容。後ろ向きとも見えてしまうが、公に向けた声明という性格上、致し方ないことか。
このところ条例問題に振り回され、心労が耐えなかった。就中、睡眠に支障をきたしたことは身体に応えた。やたら眠りが浅いのだ。生産的な事柄もあまり出来ておらず。私生活の様々な場所に混乱が生じている。日常生活を返して欲しい。しかも、まだ闘いは続いている。生活環境を抜本的に見直す必要がありそうだ。こんな環境下で文化的な生活を送り続けることも、ひとつの闘いである。
クリスマス?そんなものは家来共に任せておけ!

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

第二、第三のヴェトナムを作れ、これが合言葉だ。
会社で年末のパーティーがあり、少々酔う。まぁ、つまらないイベントだったが付き合いなので、仕方ない。
イベント中から例の憂鬱感に襲われる。ズーンと胸が重くなり、苦しくなる。帰宅後、都条例のことをあれこれ考えて怒りを増幅させ、立ち直る(?)多分、一番精神衛生に悪い方法。

「第二、第三のヴェトナムを作れ、これが合言葉だ」
いうまでもなく、チェ・ゲバラの言葉である。趣旨は明瞭である。ヴェトナムに続いて世界各地で反撃を開始し、アメリカ帝国主義に対する包囲網を形成せよ、ということだ。
現在、10社会がアニメフェアボイコットによって、東京都に対し抵抗を続けている。第二、第三の抵抗戦線として、彼らを側面支援すべく次々と反撃の狼煙をあげていきたいのだが、さて、どうしたものか。
少なくとも、絶対に幕引きをさせない、事態を風化させないことが必要だろう。あちこちで「騒ぎ過ぎ」などという声が聞こえるが、これは危険な兆候だ。このまま黙ってしまえば、規制側は着々と次の手を打ってくるに違いないからだ。まずは、妥協しないこと、物分りよくならないこと、が求められているはずだ。
「あのフレイムの中の世界は俺達次第で地獄にも天国にもなった」(石原慎太郎「聖餐」)
石原慎太郎「聖餐」を読む。以前にも記したとおり、残酷描写は大したことはない。そちらを期待する人は、筒井康隆の「問題外科」をお読みいただきたい。
警察に睨まれ、逮捕された映画監督が主人公。権力による弾圧は執拗で、彼は執行猶予中の創作活動に至るまで徹底的に妨害を受ける。自由な作品創造の機会を奪われ、怒りと憎しみに燃えた主人公は、権力に復讐するため、殺人フィルムの制作を決行する、というもの。
敵役の警察官の台詞が憎々しい。
「憲法違反か何かは知らないが、お前さんたちがそんな訴訟を起こしても同情する人間はいないし、ただの居直りにしか見られないだろうな」
「いいか、警察にとっちゃ猥褻なんてどうでもいいことよ。だがな、それをお前らに勝手にいじくられ、世の中をくるくる変えられちゃ、世間も困るということなんだよ」
・・・一体誰が書いた小説か、判らなくなってきた。




テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない
東京都青少年健全育成条例改正問題 「説得」にあたった都職員の行為に「不適切」、「違憲」の見方が.
http://news.livedoor.com/article/detail/5219495/

そもそも公務員の政治活動については、猿払事件以来の評判の悪い判例があるので、あまり機械的に判断して欲しくない思いがあった。だが、そこを差し引いても今回の都職員の「説得」工作は異例である。PTAの集会に出向き、特定政党の政策を支持するように人々を説得したということになり、条理を逸脱していると言わざるを得ないだろう。
ただ、声を上げるときは、今回の件はあまりにも度を越している、という点を強調して欲しいと思う。前述したように、公務員の政治活動の可否については憲法学上の論争があるからだ。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

「だが総てを忘れてそれは美しく、身を引きがたく少年を捕えたのだ」(石原慎太郎「ヨットと少年」)
ホッケ「迷宮としての世界」、ジャン・ジュネ「バルコン/女たち」(いずれも岩波文庫)を購入。
石原慎太郎の短編「ヨットと少年」を読む。少年期をテーマにすると、筆致が生き生きする作家がいるが、石原もその一人らしい。認めたくないのだが、奥深い良作だ。
尚、本作では夫婦の性生活を少年が覗く場面が重要なファクターとなっている。この辺り、三島の「午後の曳航」を連想させる。ついでにいうと、「夫婦の性生活みたいなのを漫画に描くことが・・・」という、例のわけのわからぬタワ言も思い出した。作家としてはともかく、人間としては最低だ。

ところで、彼の「聖餐」がスプラッター小説であると一部で喧伝されているが、軽く拾い読みしたところ、残酷描写はどうということはない。筒井康隆の「問題外科」の方が、遥かに過激である。
「聖餐」については、いずれ感想をここで記す予定だが、思い込みだけで暴走しないよう注意して欲しい。

・・・そう書いておきながら、「太陽の季節」のバカバカしいパロディを思いついてしまった。あまりにくだらないので、ここには書かないでおく。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「大人達が拡げたと思った世界は、実際には逆に狭められているのだ」 (石原慎太郎「太陽の季節」)
石原慎太郎の小説について、エロ小説だの、ポルノだのという風評がまかり通っているが、やめて欲しい。読んでいないのがハッキリわかるし、バカだと思われてしまうからだ。
試みに、「完全な遊戯」「処刑の部屋」等を繙いてみてほしい。強姦、輪姦シーンは確かに存在するが、「強姦した」という事実を淡々と書いているだけで、具体的なポルノ描写は一切ない。確かに「太陽の季節」では、ペニスで障子を破るシーンが前半に登場する。だが、これはクライマックスでもなんでもない。寧ろストーリーの本題はそこから始まっている。結論をいうと、暴力小説、不良小説という言い方は成り立つが、エロ小説、ポルノ小説という言い方は成り立たないだろう。
ちなみに、今後同じような話をマンガで描くと不健全指定されると思うが、これは検閲側の頭がイカレているため。

「太陽の季節」は主人公と英子の「闘い」の話であると思う。ボクシングはそのメタファーであると考えていいだろう。苦心の末、主人公は英子を屈服させるが、堕胎の失敗による彼女の死で、全てが逆転する。これは英子による最も残酷な復讐であった。「死」は絶対的な事象である。主人公はこの報復に応えることが出来ない。写真に映る英子の挑むような視線の下、彼に出来るのは香炉を叩きつけることでしかない。彼は敗れたのだ。
荒削りで、ゴチャゴチャした部分もあるが、決して侮れない作品だった。
さて、嘗ては一定の優れた作品を物していたこの男、現在最低の外道として都知事の椅子にふんぞり返っている。一人の市民として、彼奴にどうやってケジメをつけさせてやろうかと、今のところ思案中である。

taiyo

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「サンデー・モーニング」という悪質な番組
今週の「サンデー・モーニング」はあまりにも酷かった。
相変わらずマンガ規制問題について、悪質な情報操作が行われている。「酷いマンガが溢れかえっている」などとホザくが、具体的にどのような内容の作品か提示するべきである。しかし、番組では一切それに触れようとしない。当然だろう。これは作家、出版社に対する配慮などではない。根拠のない噂を撒き散らす、風説の流布以外何者でもないからである。
「絵は駄目だが、実写や小説はいい」等とする支離滅裂な条例内容に言及しないなど、もはや確信犯としか思えない。特定の政治勢力の応援団だ。こうした、情報操作番組を垂れ流すTBSテレビは、即刻廃業するべきである。今後、関口宏、吉永みち子の出演する番組は一切観ないつもりだ。
TBSラジオが良質な番組作りをしているというのに、この落差は何なのか?

「サンデー・ジャポン」での出演者のコメントは比較的まともだったので、少し留保する。この番組は嫌いだったのだが、今回に限ってはマシなほうだったと思う(テリー伊藤のコメントを除く)。世代間ギャップが如実に出た形だ。
尚、「しずかちゃんが服を着たままシャワーを浴びる」というギャグは、シャレでなく誰もが危惧した事態だと思うので、あまり独創的ではない。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

「輝ける道」
ソフトバンクのCM、「光の道」って、センデロ・ルミノソみたいだな・・・
犬の死骸を吊り下げるという、猟奇的な宣伝方法で有名になった武装ゲリラだが、あの「お父さん」が犬なだけにブラックだ。
センデロについては現代企画室からすぐれた著作が刊行されている(「センデロ・ルミノソ」カルロス・I・デグレゴリ他)。一口に言って、センデロは愚昧極まりない団体であり、彼等から学ぶべきものは一切無い。だが、そこに希望を託さざるを得ないペルーの先住民達の、困難な社会背景を見据えなければならない・・・そんな内容だった。極めて示唆的な書物なので、お勧めしたい。
また、マニックスのベーシスト、ニッキー・ワイアーに「ザ・シャイニング・パス」という曲もある。

shiningpath


テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

本当に「誰でもよかった」のか?
耳を傷めた。大きい音に耐えられない。耳鼻科で診て貰ったが、特に異常はないとの事。一応炎症止めの薬をもらう。映画は控えよう。

取手の事件。案の定「誰でもよかった」との報道がなされている。毎回お決まりのパターンだが、幾らなんでも画一化されすぎていないか。
森達也は秋葉原事件について、「誰でもよかったということは、特定の「誰か」であっては困るのだ」と分析していた。なかなか鋭い指摘だと思う。だが、そもそも一連の事件の容疑者は本当にそんなことを言っているのか?少し眉に唾をつけてみたくなった。
例えば、取調べで被疑者がモジモジして何も喋らないところ、刑事が「誰でもよかったんだろう?」と持ちかける。考えがうまく纏まらず、被疑者は「ハイ」と答える。
あるいは、刑事が「誰でもよかったんじゃないかねぇ」と口にしたのをそのまま新聞が垂れ流しているとか、様々な可能性が考えられる。
扇情的な報道に踊らされることなく、事態を注視する必要がある。


テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

これはなかなかイイ感性かな
ダーティー松本さんのブログより転載。面白いので紹介しておこう。
私は彼女をあまりテレビで見たことがないのだが、やたら語尾に「さー」が多い。普段からそうなのか、それとも怒りに興奮したせいなのだろうか?


テーマ:おすすめ情報 - ジャンル:日記

この闘いは「感性の闘い」である
取手で通り魔事件。治安パラノイアが何か言い出しそうだ。またマンガやゲームの所為にするんじゃあるまいな。
ちなみに、映画監督/作家の森達也に言わせると、通り魔事件の年間犠牲者数は、スズメバチに刺されて亡くなる人の数より少ないそうだ。これは今日聞いてきた話。実は、森達也、二木啓孝両氏のトークショーに行ってきたのである。「A3」の刊行記念だが、本書が広く読まれることを私からも望みたい。
森氏は今日の社会は右傾化ではなく、擬似保守化であり、集団化である、と指摘する。一人でいることが怖いため、何らかの敵を見つけて集団化する。危険な存在を見つけたいと躍起になる、それがポスト・オウム社会の実態であるという。

折角なので、質疑応答で、監視社会化や青少年条例のことなどに触れてみた。二木氏は都議会民主党の変節に対するありったけの怒りを表明していた。その上で、この条例をめぐる闘いは、「感性の闘い」である、と規定していた。つまり、支配的な感覚の持ち主と、それと異なる角度から物事に接する者との間の、「感性をめぐる闘い」であるということだ。また、森氏からは「ポピュリズムに迎合しない人が現れれば、変わってくると思う。展望があるとすればそこじゃないか」との回答が示された。
私の拙劣な質問に回答して下さったお二方に、感謝を捧げたい。

A3【エー・スリー】A3【エー・スリー】
(2010/11/26)
森 達也

商品詳細を見る

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

幕引きは許さない
本屋で話題の「KAGEROU」を半分ほど立ち読みした(1時間もあれば全部読める筈だ)。これはひどい、話にならない。こんなタルんだ代物が文学賞とは片腹痛い。乱歩やルパンシリーズ等、ポプラ社の書籍に子供の頃にお世話になった身としては、悲しい限りだった。


規制問題は、まだ何も終わっていない。条例可決後、反対派からは幾つかのアピールがなされた他、まだ大きな動きが見られないが、このまま沈黙していれば「黙示の承諾」と見做される。そうなれば規制側は立て続けに攻撃を仕掛けてくる可能性がある。「よいことは幾らやってもよい。もっと規制を進めよう」というわけだ。これは決して大袈裟な話ではない。私たちは権力に対する警戒心をもっと抱くべきだろう。
・・・丁度今、この問題をTBSラジオで取り上げている。ゲストは保坂展人、兼光ダニエル真。こちらに集中したいので、今日はこれまで。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

「戦争とは平和であり、自由とは隷属であり、無知は力である」(オーウェル「1984年」)
都条例可決。はらわたが煮えくり返る思いである。本日の表題に掲げた「ビッグ・ブラザー」の謳い文句は、むしろ今日の都政にふさわしい。この落とし前をどうつけてくれようか。
クニマス発見のニュースでさかなクンのエネルギーと、矢口高雄の予言性を讃えようかと思ったが、全てぶち壊しになった。
「映画秘宝」では毎年3月号に「死んで欲しい奴グランプリ」というコーナーが掲載されているが、今年一番死んで欲しい奴は決まったようなものだ。今日は怒りでまともに仕事が手に付かなかった。
「クニマスは生きろ、ヤツは死ね」

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

なりふり構っていられない
菅総理の発言が話題となっている。藁にもすがりたい気持ちだが、よくよく見ると、出版社を牽制しているとも取れる。悪意的に受け取る必要もないと思うが、これだけではなんとも評価し難いというのが正直な感想だった。
だが・・・

宮台真司のツイッターより。
「菅総理からのメッセージは、東京国際アニメフェアの開催が危ぶまれれば自らの成長戦略と矛盾するという物言いを借りて、都議会民主党とりわけ3役の動きを牽制するもの。とても重大なメッセージです。総理から初めて出されたアキバ系寄りのメッセージ。ぎりぎりのタイミング!」

「地域主権が旗印の民主党内閣としては都議会民主党に正面からは介入できません。精一杯のメッセージだと理解します」

とにかく、菅発言を潰しにかかるのはやめよう、こちらの武器として活用するべき。
今この時点で有効に活用できるかどうか判らないが。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

待ってました!
早速、出版サイドからの反撃が始まった。さすがドクター・マシリト!
以下引用

自社漫画のアニメ化作品も出展拒否=都の漫画規制に抗議―集英社
(時事通信社)
集英社の鳥嶋和彦専務は13日、都内で開かれた漫画新人賞授賞式で、来年3月の東京国際アニメフェアへの参加を拒否するだけでなく、同社刊行の漫画を原作とするアニメ作品の出展も認めない方針を表明した。過激な性描写のある漫画やアニメを販売規制する東京都青少年健全育成条例改正への抗議の一環。

同社刊行の漫画が原作の「ナルト」「ワンピース」などのアニメは海外でも人気が高い。

同専務は新人漫画家らに「ぜひ石原慎太郎(都知事)をぶっ飛ばすような漫画を」と訴えた。茨木政彦同社第3編集部長も「萎縮しないで好きなものを描いてほしい。面白ければジャンプは全部載せる」と呼び掛けた。

同社など漫画出版10社は10日、同アニメフェアへの参加拒否を表明している。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

闘いの権利は捨てない
東京都「マンガ規制条例」の委員会可決について。

本当を言うと、凹んでいるのは自分のほうである。
政治は愚劣である、という埴谷雄高の呟きを思い出す。こんなものに振り回されなくてはならない事が実に忌々しい。特に、都議会のレベルの低さには目を覆いたくなる。

無論、まだ闘いが終わったわけではない。だが、現時点においても、私より年少の世代の徒労感は並大抵ではないと思う。テレビ、新聞などをはじめとする、あまたの悪意にさらされて、人間不信に陥ったひとも多いのではないだろうか。前にも記したが、規制派のいう「健全育成」とは何だろうか。「力こそが正義であり、ウソも百回言えば本当になる」と教えることか。

「ぼくは彼等に不幸の借りがある」とニザンは言った。私達を不幸に陥れる「彼等」とは何か、本件の場合で言えば、自民党と公明党が筆頭に来るだろう。おかしなデマに踊らされ、規制に反対するつもりで自民党の応援に走る人がいるようなので、ここは強調しておく。

それから、
元暴走族なんかどうでもいい、元太陽族の親玉を何とかしろ!

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

立ち向かえ
くたばってたまるかよ。
凹んでいる方、取り敢えず聴いてください。

筋肉少女帯「タチムカウ」

テーマ:今日の1曲 - ジャンル:音楽

闇の中を抜けて行け
都条例の件で、ニコ生中継を観ながら落書き。何故かカムイになってしまった。この顔を書くのも十数年振り、うろ覚えなので、だいぶ間違っていると思う。尚、ニコ生の方は途中で追い出された。

その昔、白土三平の「忍者武芸帳・影丸伝」が残酷マンガだと騒がれたことがあったが、「カムイ伝」も18禁コーナーに置かれるのだろうか。
ナナ、アケミの強姦は肯定的でないと言われるかもしれないが、直後のストリーキングは人間賛歌として肯定的に描かれているし、そもそもこのマンガ、差別と圧政に苦しむ民衆の暴動を肯定的に描いたものである。拷問の描写も只事ではない。
外伝では近親相姦(「はんざき」)やレズビアン(「飛天の酉蔵」)が肯定的に描かれているし、本編の第二部では衆道(男色)が重要なファクターを占めている。どうなっていくのか?
個々の議員の健闘は理解するし、立派だと思う。だが、「付帯決議による決着」は到底評価できる水準ではないことは、やはり申し述べなくてはならない。まだ闘いは続く。

kamui

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

負ケラレマセン勝ツマデハ
70年代の東映に「恐怖女子高校・暴行リンチ教室」(監督:鈴木則文)という映画がある。私の神映画でもある。
ここに登場する、悪徳校長「イシハラ・シンタロウ」は、生徒が一人も参加しないにもかかわらず、創立記念日の式典を強行しようとするのだが、果たして実在の石原慎太郎は今回のアニメフェアを強行するつもりだろうか?この映画、多くの点で予言的なので、後程詳しく紹介したい。
しかし、あの男の事だ。会場が無人となっても、意地になってやり遂げようとするかも知れない。

恐怖女子高校 暴行リンチ教室 [DVD]恐怖女子高校 暴行リンチ教室 [DVD]
(2009/08/07)
杉本美樹、佐分利聖子 他

商品詳細を見る

テーマ:オススメの映画 - ジャンル:映画



プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

11 | 2010/12 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター