時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「血が必要なんだ!人間の血が!そうしなくちゃ、この空っぽの世界は蒼ざめて枯れ果ててしまうんだ」  三島由紀夫『午後の曳航』
マンガ規制反対派を装った下衆共が、今もって妨害工作を働いているらしい。
マンガ文化の保護などはどうでもよく、民主党への嫌がらせが目的であるという。
この連中の真の目的が奈辺にあるかは判らないが、少なくとも利敵行為であることは確かだ。

いつの間にやら憂国忌が過ぎていた。三島没後40年になるのだが、世間的に騒がれるわけでもなく、個人的にも思い入れはないので、全く気付かずに終わった。
私は決して彼の良い読者ではなく、読んだ作品も多くない。まして彼の晩年を彩ったイデオロギー的な共感など一切ない。無論、三島にイデオロギーなんてものがあったかどうか、甚だ疑問ではあるが。
三島がゾルレン主義的に、まるで信じてもいない理念を信じることに決め、ひたすらその道を突っ走った、という解釈はおそらく正当だと思う。そういえば「お馬さんごっこをしているうちに馬になってしまった」というジャン・コクトーの警句があった。確か自作の「山師トマ」に関するコメントだ。「死んだ振りをしなければやられてしまうぞ」・・・幾らなんでも出来すぎている。
少なくとも、ハタから見て、つまらない死に方をしたことは確かだ。

私が読んだ範囲では、「午後の曳航」「沈める滝」「愛の渇き」辺りに一番魅力を覚えた。
「サド侯爵夫人」はかちりと決まった幾何学的な作品だと、今でも思う。
読まずに放置されている彼の作品が家に溜まっているので、そのうち少しずつ消化していくことにしよう。

午後の曳航 (新潮文庫)午後の曳航 (新潮文庫)
(1968/07)
三島 由紀夫

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ちょっと息抜き
漫画家・ダーティー松本さんのブログより転載。
息が詰まりそうになっている中、大いに励みになった。感謝、感謝。

RCサクセション I Shall Be Released


「有害情報」がどうのこうのというが、少なくともこの男の傲然たる姿を見続ける方が、精神衛生に悪い事は確かだと思う。


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「いとしい想像力よ、私がお前の中で何より愛しているのは、お前が容赦しないということなのだ」 ブルトン
眠い。頭が回らない。
以前に購入した「1968年文化論」を少し読む。
購入以来、暫らく放置されていたのだが、なかなか示唆に富んでいる。感想は卒読後に記す予定だが、このユニークな書物の目的は今日の文化を射程に収めることにあり、ノスタルジアに耽溺する為のものではない事をここに付言しておこう。
個人的には中村宏のイラストへの言及がとても嬉しかった。

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「夢を奪い返そう」
この度、出版倫理協議会、東京弁護士会、(社)自由人権協会からも青少年健全育成条例条例改悪への反対声明が出された。特に後者は、今回の再提出に関する手続きのプロセスに対し、手厳しい批判がなされている。
http://www.jclu.org/file/tokenzenikuseijourei2010seimei.pdf
また、29日にはちばてつや、松本零士といった大御所達がこの問題に関して、記者会見を開く模様。決して有名人に依存するということではない。ただ、「決して無視できない人」の声というものは必要だろう。とにかく、規制反対派の主張が伝わらなかったら意味がない。目標は勝利である。
それに、敬愛する作家達が共に行動し、味方についてくれることはやはり心強い。大手メディアが一斉に規制を言祝ぐ風潮にある中、尚更それを痛感する。

それにしても、流石にこの手の話題が続くと心が荒む。たまにはいつも通りの四方山話をしたい。

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日本ペンクラブよりの声明
東京都青少年健全育成条例につき、日本ペンクラブから声明がなされた。少し長いが、以下に全文を引用する。



●東京都青少年健全育成条例の修正改定案に反対する

 東京都は12月の定例都議会に青少年健全育成条例の修正改定案を再提出するという。これは漫画やアニメなどの表現、インターネットや携帯電話などの電子的ツールの法的規制を通じて、青少年の育成環境から有害とされる性情報を排除しようというものだが、用語の変更等による部分的な修正は見られるものの、あいかわらず根本において、公権力が人間の内面や言論・表現の自由の領域に関与・介入することに対する謙抑的な配慮が感じられない。
 表現やコミュニケーションという民主主義社会の根本にかかわる配慮や規制は、自主的・自立的に行われるべきであり、そこにおける主体的な工夫や試行錯誤が大人社会を成熟させるだけでなく、青少年が多様な価値観のもとで生きていく知恵と力を身につけるために不可欠な経験となることは、古今東西の文学が描いてきた常識である。
 これまでの、また今回の改定案も、公権力がある表現を「有害」かどうかを判断することについて、何の疑念も抱いていない。しかし、言論・表現にかかわる私たちは、戦前の日本の為政者たちが青少年の健全育成をタテに、まず漫画を始めとする子ども文化を規制し、たちまち一般の言論・表現の自由を踏みにじっていった歴史を思い起こさないわけにはいかない。
 また今回の修正改定案も、インターネットや携帯電話等に関し、青少年の利用を制限する責務を親たちなどの保護者に、これまで以上に広範に、画一的に求めている。
 これは、本来プライバシーの空間であるはずの家庭の中にまで行政的規制を持ち込み、私たちの内面の自由、良心の自由を侵蝕するものと言わざるを得ない。
 以上述べたように、私たちはこうした条例が言論・表現の自由をゆがめ、プライバシー空間にまで行政・公権力の関与・介入を許すものとして、改めて反対する


2010年11月25日

日本ペンクラブ会長  阿刀田高



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「従順な主体」の形成について
青少年健全育成条例と、「純化思想」との関係についてあれこれ考える。よく前衛党などで、「党的主体の形成」などとタワゴトめいたことを要求されるが、どうしてもそれを思い出してしまうのだ。このテーマは重たいので、纏めるのに少し時間がかかりそうだ。

例えば現在、健康増進法のような形で、私たちは身体というレベルまで公権力の管理下に置かれつつある。ここにタバコ規制の問題を含めてもよいだろう。
都条例の問題は、そうした管理への欲求が諸個人の意識のレベルにまで踏み込んだということではないかと思える。つまり、性欲及び恋愛感情という、意識作用を公権力の指揮下に置くということだ。「モノを考えさせていただく」主体の形成。欲求がおのずと公権力の方針に一致する主体・・・そんな不気味な妄想めいた考えがよぎってくる。
ただ、権力は古くから「よき人間の形成」として、こうした意識の支配・管理を目指してきたのであり、決して杞憂とばかりはいえないと思うのだが、どうだろうか。

監獄の誕生―監視と処罰監獄の誕生―監視と処罰
(1977/09)
ミシェル・フーコー、田村 俶 他

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まさに「末期症状」の表現規制条例
以前、このブログで取り上げた、「週刊金曜日」の記事「秋葉原 ジャパン・クール」がweb上で公開されている。とても優れた論稿であり、色々参考になると思うので一読をお勧めしたい。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000306-kinyobi-soci
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000303-kinyobi-soci
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000304-kinyobi-soci
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000305-kinyobi-soci
web公開に踏み切った理由として、編集部から以下のようなコメントが付されている。今回の東京都の動向に相当危機意識を抱いた模様で、広範囲に問題を訴えかけるためであるらしい。これには志を感じた。

(編集部注:この記事は『週刊金曜日』2010年5月28日号に掲載しました。東京都が12月都議会=11月30日開会=に再度、東京都青少年健全育成条例の「改正案」を提出することから、筆者である伊東乾さんのご了解をえて、公開することにしました。新「改正案」からは、”非実在青少年”という文言はなくなりましたが、条例案の問題の本質が変わっていないどころか、悪質になっている点があるためです。このため、条例案の文言などは掲載当時のものとなっています)

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「有害コミック」なんてものはない
その昔、足立正生が若松孝二の映画の脚本の書き直しを命じられたとき、以前と同じ内容の話をそっくりそのまま書いて提出したことがあったという。若松は「何だ、あまり変わってねえじゃねえか」と思いながら、仕方なくそれにOKを出したそうだ。足立としては、徹夜で書き上げた脚本をそのままゴミ箱に捨てられたことから、怒り心頭に発していたため、敢えてそのままの形で再提出したという。まあ、どっちもどっちで、いいコンビだというしかない。
なぜこんな話を持ち出したのかというと、この度の東京都青少年健全育成条例がまさにこのパターンだからである。「非実在青少年」という文言は消えたのだが、本質的には以前と変わらない改悪案。「曖昧さを回避する」などと称して、以前より規制の範囲が拡大するなど、悪化した部分があるのは周知の通りである。
事の本質は「人間の精神活動に公権力が介入することは許されない」ということである。作品の内容の良し悪しを公権力が判断し、販売を規制するなどはもっての他であり、曖昧さの修正等で済まされる事柄ではない。
求められているのは、「廃案」である。「修正案」ではない。

非実在青少年〈規制反対〉読本非実在青少年〈規制反対〉読本
(2010/06/04)
サイゾー&表現の自由を考える会

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犀の角のように、ただひとり歩け。
昨日予告した「犀の角」(監督:井土紀州 脚本:川崎龍太)の感想を記す。
オウム真理教を思わせるカルト教団と、地域住民の確執を描いた作品。住民達のの陰湿なイジメ、リンチがえぐい。
結論をいうと、志は感じるが傑作というほどではない。これは最後に爆発するかなーと期待して観ていたのたが、不完全燃焼で、やや物足りなさの残る作品だった。どちらかというとテレビドラマ的な作りなのだが、まぁ、この題材はテレビでは無理だろうなぁ。ただ、夜中に突発的に勤行(というのか)が始まるシーンにはぞくっとした。あの場面には、まさに「映画」が感じられた。
上映後、サプライズ的にトークイベントがあったが、俳優とゲストの内輪話が延々と続き、まるで「シベ超4」のグダグダのトークシーンを観ているかのようだった。勘弁してくれ。

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映画一揆、絵画一揆、漫画一揆、動画一揆……
今日は井土紀州監督の「犀の角」を観に行く予定。必ずしも体調は万全ではないのだが、このままだと観ないままで終わりそうなので、無理を押して行くつもり。
セリーヌの本を少し読む。相変わらずの「……」尽くし。それにしてもこの間、風邪引き、力仕事と続き、生産的な事が殆ど出来ていない。何ということだ。

都条例の件、妥協の余地なし、徹底的に闘うまで。
どうしてこうなった
風邪の調子は大分良くなった。だが、まだ完全ではないため、遠出は控えざるを得ない。
それでもキッチンの整理のため、重い荷物の運搬を任される。腰と膝が痛い。

先日、「DRAGONBALL EVOLUTION」(監督:ジェームズ・ウォン)を観た。
まず、このソフトをレンタル店で見つけるまでが大変だった。第一、ジャンルがわからない。アクション映画なのか、SF映画なのか、まさかホラー映画ではあるまいな。いくら探しても見つからない。勿論新作・準新作のコーナーにもない。恥をしのんで店員に聞く。「あのー、DRAGONBALL EVOLUTIONという、トンデモ映画を探しているんですが」
結局、何度もその前を行き来した、アクション映画のコーナーにひっそりと置かれていた。それにしても、目立たない背表紙だ。
さて、出来栄えはというと、聞きしに勝るイタい映画だった。こちら側の最悪の予想を楽々下回るところ、殆ど達人の域に達している。私は原作にこだわらないほうで、ストーリーを幾ら改変しようと構わないつもりだ。結果として、それに代わるものが劇中にあればいい。しかるに、ここに提示されたものは何か。アクション映画としても、SF映画としても成り立っていない、ただのつまらない映画だった。画面の作りにも一切センスが感じられない。良いところを探すのがこれだけ難しい映画も珍しい。近いものを挙げるとすれば、「少林少女」(本広克行監督)くらいだろうか。300万の低予算映画でも、これよりはるかに良質の作品を作っている人がいるというのに、一体何だったのか。
「原作を冒瀆」という評が聞かれるが、本作はむしろ映画に対する冒瀆だろう。どうしようもない。

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(2009/07/24)
ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム 他

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いかん、朦朧としてきた。
キッチンの床板の張替え工事。一日中、自宅に缶詰となる。落書きなどをする。テロリストを主題としたもの。
その後、片付けやら何やらで重労働。腰痛が酷い。風邪もこじれたらしく、発熱する。PCに向かいながらもふらふら状態なので、ここで切り上げる。

1xsai.jpg

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風邪を引いたらしい。
この前、無理をおして「ラザロ」を観にいって以来、風邪気味の状態が続いている。仕事中もボロボロ。今日から「犀の角」が上映されるが、到底無理。
帰宅すると、キッチンの床板を張り替える為、力仕事を任される。引越しでもするような状態。
その後、つまらないダメ絵を描く。や、もう12時近く。早く寝よう。

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日本語でいえば、「超常現象」といったところか。
「パラノーマル・アクティビティ」(監督・脚本:オーレン・ペリ)を観る。
よく「アブノーマル・アクティビティ」と言い間違える人が多いらしい。実際そんな題名のパロディがあってもおかしくないだろう。ちゃんと邦題つけろ~。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じテイストの低予算ホラー。フェイク・ドキュメンタリーである所も両者は共通している。派手な恐怖はないが、じわじわとした刺激感がここにはある。私を含め、好きな人にはこたえられないだろう。「ブレア・ウィッチ」同様ここでは世界は常に、予兆に満ち満ちているのである。
エンディングは二種類用意されているが、私は別エンディングの方が好きだった。落とし前をつけている点と、凄惨さを残している点がいい。

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(2010/06/02)
ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート 他

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「蛆虫で何が悪いんだ!」
井土紀州監督「ラザロ」(第一部 「蒼ざめたる馬」脚本:板倉一成・井土紀州、第二部 「複製の廃墟」脚本:森田草太・遠藤晶・井土紀州)を観る。流石に平日のレイトショーはしんどい。帰宅したときは深夜0時を回っていた。
ストーリーはネチャーエフ型の主人公・マユミをリーダーとする、テロリストグループの話。第一部ではマユミ達が金持ちのボンボンをたらし込んで次々暗殺し、金品を奪い取るというもので、第二部は彼女達が偽札を大量に製造し、経済テロを起こすというもの。
低予算の自主映画だけあって、作りの粗さは否めない。だが、個人的な思いをいえば、似たようなことを考える人もいるんだなぁというのが正直な感想だった。私も同じような話を構想(夢想)していたことがあるからだ。テロリストたちが3人(第一部)というところまで一致している。まあ、勿論具体的な内容はまるで違うわけだし、こちらは大風呂敷を広げすぎてグチャグチャになっていったのではあるが。だが、少なくとも今の時代の雰囲気が、このような性格の作品を求めているということは出来るだろう。
映画について言うと、第一部はもっと沢山犠牲者を出して欲しかったと思う。そこで話が盛り上がったところで壁にぶち当たる、とした方がよかったのではないか。そのため、どちらかというと、第二部の展開のほうが映画としての魅力に富んでいる。なかなか密度の濃いつくりになっていて、終盤の刑事との対決シーンは圧巻だった。
この映画、本当は三部作であり、今日が第三部の上映日なのだが、体調が優れないため断念した。やれやれ。

映画『ラザロ』オリジナルサウンドトラック映画『ラザロ』オリジナルサウンドトラック
(2007/08/22)
不明

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「甘く見てんじゃねえよ」
仕事帰りに井土紀州映画一揆に行く予定。レイトショーなので、21時からの上映となる。感想は後日に。

非実在青少年の件で不穏な動きがある模様。いい加減にしろとはこの事だ。ヒマを持て余した税金ドロボーたちが、愚にもつかない条例案で一般市民の貴重な時間を奪っている、この現状。おかしくないか?
カウンターカルチャーの足跡
珍しく「週刊金曜日」で日活ロマンポルノの記事が掲載された。寺脇研の執筆したものだが、入門者向けに割りとよく纏まったものになっている。ただ、一般にはAVとピンク/ロマンポルノの区別がついていない人が多いので、そこから解説を始めるべきではないかと思う。
「週刊金曜日」の読者なら尚更だろう。ハダカ=セクハラだ、けしからん、取り締まれ、正しい思想を伝えるのが文化の使命だ云々・・・などとホザく連中の如何に多いことか。
映画は純潔主義者共の宣伝道具じゃねぇんだよ!(そういえば絓秀美も「情況」か何かの座談会で、若松映画はセクハラだと思った、と発言したことがあった。その後意見を改めたかどうか知らないが)
どうもこの話題、トラウマがあるので熱くなってしまう。とにかく、この雑誌が嘗てのカウンターカルチャーについて再検討を始めたことは喜ばしいことである。今やポリティカル・コレクトネスの桎梏は解体されるべきであろう。

尚、AVとピンクの違いについて、初歩的なことを説明すると、以下のようになる。
●AV・・セックスを撮影したもの 本番あり
●ピンク・・ベッドシーンの多くある映画 本番なし、擬似性交のみ(撮影の際に前貼りを使う)
(ロマンポルノは日活という大手の会社が制作したもので、予算、規模以外は基本的にピンク映画と同じと考えてよい)
勿論、個々の作品にはそれぞれ差異もある。ストーリー性のあるAVを撮っている人もいるだろう。だが、大雑把なイメージとしては、上記のようなものと考えておいて欲しい。頓珍漢な話をしている人をよく見かけるので、ここはこだわりたい。

週刊金曜日 2010年 11/12号 [雑誌]週刊金曜日 2010年 11/12号 [雑誌]
(2010/11/12)
不明

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それはそうと、サムライミが「ノワール」(監督:真下耕一 脚本:月村了衛)の実写版を検討しているとの情報を耳にした。「黒き御手は嬰児の、安らかなるを護りたもう」というアレなのだが、もうリメイク、やめようよ・・・

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「私をよく見よ。私を知れ。汝もまた己を知らねばならぬ」
バルガス・リョサ「継母礼賛」(西村英一郎訳 福武書店)読了。以前、図書館で衝動借りした本である。
左程長い小説ではないが、思いのほか手間取った。
ヒロインが夫の連れ子と愛欲に溺れる話だが、途中に本編と関係のない話が幾度も挟まれる。いずれも、絵画から派生するイマジネーションを文章化したもの。それ自体、短い短編小説風だったり、随想だったりする。シシュロの作品を除き、本編と直接ストーリー的に繋がるわけではないが、イマージュにおいて通底している。ここをつかみ損ねるとかなりきついし、つかんだとしても話のリズムに馴染めず、飽きがくるだろう。
ラストは小悪魔化した少年が義母との関係を全てあからさまにぶちまける。そして、召使の女性との関係がこれから進んでいくことを暗示して終わる。
F・ベーコンは私の好きな画家なので、これに言及するくだりがなかなか嬉しい。また、「受胎告知」のくだりには、色々と無駄な空想を膨らませることが出来た。ひょっとしてあれは、少年が神であり、悪魔でもあるということを示しているのだろうか。

mamahaha



ついでに「週刊金曜日」の記事にも言及したいところだが、後日にしよう。今日はこれまで。

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伝説のプロデューサー
ディノ・デ・ラウレンティスが亡くなった。
嘗てはフェリーニの「道」のプロデューサーとして名を馳せながら、一方で「異邦人」(ヴィスコンティの黒歴史)、「バーバレラ」(ロジェ・ヴァディムのおバカSF)を制作。アメリカに渡って以降、「フラッシュ・ゴードン」(クイーンの音楽でのみ有名)「キング・コング(ギラーミン版)」「キング・コング2」など、珍作を生み出し続けた名物男である。
個人的にはD・リンチの「砂の惑星」はお気に入りであるし、「バーバレラ」にも根強いファンは存在するので、決して馬鹿にできるものではないだろう(尚、リンチと組んだ「ブルーベルベット」は私には今ひとつだった)。
昔の東映がそうだったが、この業界には、ある種の「なりふり構わなさ」のようなものが必要なのかもしれない。

何故か「炎の少女チャーリー(1984)」のDVDは日本版が出ていない。バスタブに張った水が燃えるシーンが衝撃だったのだが。不本意だが、ラウレンティス作品として、「ハンニバル」を掲げよう・・・いや、やっぱ「バーバレラ」だな、うん。

バーバレラ [DVD]バーバレラ [DVD]
(2006/04/21)
ジェーン・フォンダマルセル・マルソー

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真実が欲しい
中居正弘司会の番組に渡部陽一が登場。この手の番組では珍しく、彼の本業を特集していた。
内容自体は左程悪くない。渡部の戦場カメラマンとしての地道な活動を追ったもので、予備知識のない人にとって、新鮮なものになったのではないだろうか。
だが、番組中にジョン・レノンの「イマジン」が流れたとき、何故かイラッとした。この歌は既に本来の力を奪われていると思う。この曲が指弾している筈の当の相手に、完全に取り込まれ、無害化されているのだ。
嘗てマニックスは「ジョン・レノンが死んだときは笑っちまった」と敢えて挑発的な歌詞を用いたものだった。笑うかどうかは別として、私もその不満自体は共有する。その後彼ら自身、「国民的バンド」になってしまったのは皮肉と言うほかないのだが。
事はレノンに限らない。表現の持つ本来の刺々しさが、あっさりスルーされてしまう風潮に、苛立ちを覚えるのは私ばかりではないと思うが、どうだろうか。

イマジンイマジン
(2010/10/06)
ジョン・レノン

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「僕は「造反無理」でいいと思う」
健康診断の結果。依然として、肝臓が悪い。このところやたら吹き出物が現れるのはそのせいか。
酒も殆ど飲まないのに、どうしたことだろう。

井土紀州の特集上映が近々ユーロスペースで催される様子。何年か前、「映画時代」に掲載されたこの人のインタビューがとても面白かったので、それ以来ずっと気になっていた。
レイトショーなので、連日通うわけにはいかないのが勤め人の悲しいところ。「行旅死亡人」は公開時に新宿で観たが、今ひとつの印象だった。他は全て未見の作品なので、楽しみである。

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APEC狂騒曲
やたらとそこかしこに警官がうろついている姿を見かける。ここまでの動員は洞爺湖サミットの時以来だろうか。な~にがAPECだか。とにかく私にとっては目障り極まりないオブジェ群であった。おっと、これは澁澤龍彦のレトリックだった。
それにしても鬱陶しい。鬱陶しいことこの上ない。久しぶりに本棚から「マルコス ここは世界の片隅なのか」を取り出して読み返す。サパティスタの名も、グローバリゼーションという文言も久しく聞かないが、事態の本質はなんら変わっていないと思える。とりわけマルコスが、宗教的・民族主義的原理主義の危険性を戒めるあたりは目を引いた。彼はこれを「偽りのオルタナティヴ」として拒絶するのだが、この点は今日私達が直面している課題にも通じており、印象深かった。

マルコス・ここは世界の片隅なのか―グローバリゼーションをめぐる対話マルコス・ここは世界の片隅なのか―グローバリゼーションをめぐる対話
(2002/09)
イグナシオ ラモネ

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

西崎義展逝く
頭痛は相変わらずだが、昨日よりは具合がいい。
さて、昨日の続きである。西崎義展が亡くなった。幼少の頃、「ヤマト」の再放送を見て育った世代としては、やはり衝撃は大きい。やはり、良くも悪しくも彼の個性なくして「ヤマト」という作品は成立しなかったのだろう。出来の悪い続編を濫作したのは目に余ったが、金儲け主義だけではあるまい。やはり「ヤマト」に取り憑かれた人生だったのだと思いたい。
無論、著作権裁判、ドラッグ事件、銃刀法事件を始め、様々な黒い噂が纏わりついていることは百も承知である。だが、これらの事件が些かも「ヤマト」の作品価値を減ずるものではないことは強調しておく。変化することがあるとすれば、個人的な感情の問題だけである。
漫画界における梶原一騎のような存在といってもいいだろう。

今から思えば、「ヤマト」のストーリーについては幾らでも欠陥が指摘できる(幾ら敵とはいえ、惑星を滅ぼしたらまずいだろう)。題名からしてナショナリスティックな意識が露骨だし、とりわけ、胡散臭い軍人精神、続編に顕著な無駄な特攻主義、歴史修正願望などは充分批判に値する。
だが、一方でこれが神話的な物語であることは忘れてはならないだろう。
「ヤマト」の物語の原型はギリシャ神話の「アルゴー船の遠征」に求めることが出来ると思う。日本で言えばタジマモリのエピソードを思い出しても良い(彼の場合は帰還が間に合わないのだが)。
若者達は一見無謀とも思える旅に出る。そしてそこには途轍もない試練が待ち構えている。その向こうにあるのはイスカンダルである。「イスカンダル」がアレクサンドロス大王を指す名称であることを思い出してみよう。つまり、この物語は人が英雄(半神)となるイニシエーションの過程なのだ。
作品の評価は様々だと思うが、この人気作の骨格が、堅固な神話的原型に裏打ちされているということは、やはり指摘しておきたい。

宇宙戦艦ヤマト TV DVD-BOX( 初回限定生産)宇宙戦艦ヤマト TV DVD-BOX( 初回限定生産)
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伊武雅之(現:伊武雅刀)納谷悟朗; 富山 敬; 仲村秀生; 麻上洋子; 青野 武; 永井一郎

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日本シリーズが終わった。
夕方から頭痛がする。頭痛薬を飲んだが、なかなか復調しない。疲れが溜まっているのだろうか。
今日は急逝した西崎義展のことを書きたいと思ったのだが、稿を改めたい。
世代的に思い入れがあるので、ちゃんとした内容を持った文章を書きたいのだ。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

「恐れることはないんだ、やっちまえ!」
「わが道」(監督・脚本:新藤兼人)を観る。
東北の過疎地域に住む主人公夫婦。生活苦から出稼ぎに出た夫が、突如失踪する。行旅死亡人として発見された彼は、杜撰な身元照会手続きのもと、医大の解剖実験の材料にされていた…
おそらく綿密な取材が行われたのだろう。新藤の脚本はここでも緻密である。裁判当事者の心労まで丁寧に描きこまれているあたりは見事というほかない。過疎の問題(後年の「ふくろう」にも通底する)、貧困の問題、非人間的な公権力の問題と社会的なテーマを扱いながら、打ちのめされながらもそこに生きる人々の姿を、本作は生き生きと描き出している。
そして、物語は安易なハッピーエンドを拒否し、今も尚、過疎、貧困という重たい現実が横たわっていることを示しながら、静かに幕を閉じる。ひさびさに、心にずしんと響く一本だった。

わが道 [DVD]わが道 [DVD]
(2001/09/10)
乙羽信子殿山泰司

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心が荒むこの頃である
ここのところ、永山則夫のことが気になっている。そんなわけで書架に眠っていた「無知の涙」を引っくり返す。昔、あちこち拾い読みしたものだが、きっちりと通しで読んだことがない。近いうちに挑戦しようと思っている。
そんな中、出勤途中にジュンク堂を覗くと、ちょっとした永山則夫特集のコーナーが組まれていた。やはり考えることはみな同じらしい。「永山が読んだ本」として同コーナーに陳列されていた、コロレンコ「悪い仲間・マカールの夢」を購入。コロレンコについては学生時代、「盲音楽師」に感動したことを懐かしく思い出す。
さらに「創」12月号を購入。田代まさしの獄中手記が痛々しい。あまり無理をして変なサービス精神を発揮しないほうがいいと思う。読んでいて辛くなる。特集は例の大阪地検の捏造事件。読み応えがあって、なかなかいい。本件が決して例外的な事件ではないことを、私たちは認識すべきだろう。
それにしても柳美里は、幻覚、希死念慮に襲われているというが、大丈夫か?きっちり入院して、病気を治した上で戻ってきて欲しい。

創 (つくる) 2010年 12月号 [雑誌]創 (つくる) 2010年 12月号 [雑誌]
(2010/11/06)
不明

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孤独の肖像
例によって蔵書の消化作業。ガルシア・マルケス「愛その他の悪霊について」読了。
ヒロインのシエルバ・マリアと神父カエターノ・デラウラの悲恋を軸に、様々な登場人物の愛と孤独が描かれる。
色々な寓意を読み取ることが可能だと思われるが、私には教会が米国を象徴しているように見えた。つまり、米国が自らの思惑で、中南米社会をグチャグチャに掻き回しているという事である。
解放への夢は潰え、孤独を自らのうちに抱えたまま、死を迎えていく、そんな登場人物達の姿に、中南米社会の困難が象徴されているように思えた。果たして、これは考えすぎなのだろうか?

愛その他の悪霊について (新潮・現代世界の文学)愛その他の悪霊について (新潮・現代世界の文学)
(1996/05)
G. ガルシア・マルケス

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九十にして矩をこえる
昨日予告した、「ふくろう」(監督・脚本:新藤兼人)の感想を記す。
乙羽信子亡き後、齢91歳に達した新藤監督が放つブラック・コメディ。基本的にひとつの舞台空間でストーリーが終始するので、演劇にも向いていると思う。
過疎化により、限界集落となった村に住み続ける母娘の物語で、「鬼婆」との共通性を語ることも出来るだろう。男達を次々に毒殺する様子が、陰惨さを見せることなく、コミカルな筆致で描かれている。「泣きなーさぁいー」と、「花」を歌いながら屍体を運ぶシーンには笑ってしまった。
主要登場人物たちは、いずれも国家によって見放された人々である。無責任な開発計画への批判、格差の問題など、新藤監督の視点はここでもぶれることなく、一貫している。新藤作品には欠かせないセックスのテーマも健在である。
それにしても、この歳でこれだけ愉快な作品を作り出す新藤監督のバイタリティには恐れ入る。「一枚のハガキ」で最後とは言わず、百歳を超えても撮り続けて欲しいものだ。

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「何かが私のうちに起こった。もう疑う余地がない」
一日中、ひどいめまいと嘔吐感。何も出来ず、横たわるのみと相成る。
読書、DVD鑑賞もパス。無理をすると、鑑賞後の印象が不快な思い出とともに残ってしまう。
先日、「ふくろう」(新藤兼人)を観たので、後日感想を記す予定。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

彼岸から見た風景
日本シリーズはロッテが中日を下し、星ひとつリード。

「午後の遺言状」(監督・脚本:新藤兼人)
後年の「石内尋常高等小学校」を思わせる不思議な雰囲気を持った作品。いわば「彼岸の映画」である。ストーリーらしいストーリーはない。避暑に来た女優と管理人の前に、次々妙な事件が生起するという話で、「老い」と「死(生)」の問題を真正面から取り上げたものである。
映像は美しく。不思議と達観したような、透徹した世界が広がる。痴呆症と介護の問題など社会性のあるテーマは窺われるが、全て、善悪の彼岸に達したようなまなざしに吸収されていく。「石内~」でも指摘されていたが、こちらも技巧的に真似をしようとすれば、悲惨な結末に陥ることは間違いない(或る若手監督に変に悟り済ましたような、ふざけた映画があるのだが、敢えて名前は挙げないでおく。あれはタルコフスキーの真似だったろうか)。
万人向きの映画ではないかもしれないが、観ておいて損はないと思う。

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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