時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
生贄たち
脱原発で話題になったアイドルグループ、制服向上委員会に「西暦20X0年」という曲がある。
内容を以下に記そう。
まず、西暦2010年(発表時は近未来)、周辺事態に対処するという名目で憲法が変えられ、自衛隊が軍隊になる。「遠い異国の戦いにも/戦車で乗り込んで行けるようになった」と歌われる。
さらに2020年、誰も軍隊に志願しないので、政府は徴兵制を復活させて、若者を集めようと企てる。
そして20X0年…
歌詞は次のように続く。

戦火渦巻く世界の中へ
若者を送り出すのは大人達
言葉を弄ぶ大人に煽られ
国を信じて若者が死んでいく

曲中では「国のために用意はいいか/この国のため命を捧げられるか」というリフレインが繰り返され、「こんな国のため命を捨てられるか」というフレーズで締められる。

この歌が発表されたのはだいぶ前なのだが、改めて聞くと、現在進行している事態が、何の誇張もなくそのまま歌われていることに気付く。発表時には、敢えてやや大袈裟な表現を意識していた筈なのだが、現実があっという間に追いついてしまった。ここに経済徴兵制を書き加えれば完璧である。
社会が成熟するには長い年月が必要だが、社会が崩壊するには一瞬で足りる。油断すれば、たちまちのうちに、全てが浚われてしまうというものだ。
改めて問う。こんな国のため命を捨てられるのか。
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テーマ:J-POP - ジャンル:音楽

水晶の夜
麻生発言など氷山の一角に過ぎない。私達はまぎれもなく水晶の夜を生きている。おをらく、虐殺の対象は私たち自身なのだろう。自らが、嬉々として自分自身に手を下す。そんな時代を私達は作り出してしまった。
内輪揉めに汲々としている輩は捨てておけ。私達は、とにかく生きなければならない。


テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

ヴィヨンを歌う
仕事が尾を引いて、眠れない日々が続く。昨晩は何度も不安になって目が覚めた。正直、身がもたないと思うが、耐えるしかない。空元気を振り絞ってみる。

急にモニク・モレリの歌うヴィヨンが聴きたくなり、収納箱を漁る。奥の方に潜っているのを漸く見つけた。
ヴィヨンとはいうまでもなくフランソワ・ヴィヨン。15世紀のフランスに泥棒詩人として名をはせた人物である。殺人や窃盗を繰り返し、殆どゴロツキのような男だが、その作品が今日も尚、愛唱されているのは周知の通り。
ヴィヨンといえば、ジョルジュ・ブラッサンスの「そのかみの貴婦人をうたえる」がよく知られている。「さはれ、さはれ、去年の雪、今はいずこ」。彼に較べるとモレリは日本での知名度は劣ると思うが、本国ではかなりの大物だったはずである。
さて、このアルバムだが、LP版では丸々一枚ヴィヨン作品に当てられている(CD版では「ロンサールを歌う」とカップリング)。しかも朗読ではない。歌われているのはどれも有名な作品ばかりで、「でっぷりマルゴー」や、「絞首罪人のバラード」といった詩も収録されている。独特の低音をきかせた渋い歌声は、一度耳につくとなかなか離れない。手にする機会があれば聴いていただきたいものである。

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

15年目の「4.2.3」
中島みゆきに「4.2.3」という曲がある。アルバム「わたしの子供になりなさい」の末尾に収録されているものである。
15年前の4月23日、MRTAによる日本大使館占拠事件に際し、ペルーのフジモリ大統領は武力突入を命令。17人の犠牲者を出しながらこれを鎮圧した。
「4.2.3」はこの事件を題材にしたものである。歌はテレビ中継の様子をやや物憂げに淡々と歌い上げながら、やがてペルー国軍の兵士が担架に乗せられていく様子を描写する。「胸元に赤いしみが広がって」と、兵士が瀕死(或いは既に死亡)の状態にあることが窺われる。そしてこのことに対し、日本のテレビ報道が一切言及しようとしない様子に、歌の主人公は苛立ちを見せる。
長いので要約すると、「あの国の戦いの正当性については判らない。だが、助けてくれた兵士に対し、一言も触れようとしないのはどういうことなのだろう」ということだ。さらに「この国は危ない、何度でも同じ過ちを繰り返すだろう」と歌は続けられ、日本社会の病理性を描き出す。歌は後半に至るにつれ、ぞっとするような凄みを帯びてくるが、このあたりは実際に聴いて確かめていただきたいところだ。

中島みゆきの歌は譬喩、婉曲や反語表現を特徴とするが、この歌はストレートに時事的な問題を歌い上げたものである。それだけに、ファンの間では今でも語り草となっている。太田昌国が高く評価し、繰り返し言及していたことも記憶に残っている。
中島はゲリラ兵士の死については前述のように慎重な姿勢を見せるが、「少なくともこれだけはいえる」という視点から、事態の深部を抉り出すことに成功している。予備知識のない者にとっても普遍的に通じうる言葉となっている点は、決して侮れない。
「棚から本マグロ」でも何でもいいが、こうしたまなざしの鋭さだけは失わないでほしいと思う。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

6/9はエロ日和
6月9日にちなんで。
S.ゲーンズブール&J.バーキン「69年はエロの年」


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プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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