時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
雑想2017.7.2
都議選、わたしは東京都民ではないのだが、印象を一言でいうと、コレラが減衰してペストが蔓延したというところだ。まぁ、朝テレビをつければ連日都民ファーストの動向と、安倍政権の不祥事(何を今更)のニュースが流れてくるのだから、結果は目に見えていた。結局はイメージの抗争でしかない。
これをもって、遂に民意が目覚めたなどというのはおめでたいと思う。こんな事は今迄にも散々目にしてきた筈だ。

この間に読んだ本
・櫛木理宇「ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり」
相変わらずだが、シリーズの中では平均的な出来栄えか。この手の小説はさらりと早く読めるのはいいが、少し時間を置くと印象に残らなくなってしまうのは困ったものだ。つまり早い話、あまり内容を覚えていない。
・櫛木理宇「侵蝕」
洗脳ホラー小説。出来は決して悪くはない。だが、「一番怖いのは人間だ」という、尤もではあるがありきたりの結末は、流石に拍子抜けの感も否めない。
本作とは話がそれるが、この「一番怖いのは人間だ」というテーマは、一歩間違えると性格の悪いバカが暴れているだけの話にもなりかねない。やはり「一番怖いのは幽霊だ」という方向性は蔑ろにしないほうがいい。
・ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」
いわずと知れた、古典的ホラー小説。ジャンルとしてあまりにも弄られ過ぎたため、中々原点を顧みる機会がないのが殆どだろう。改めて読むと、決して莫迦にできたものではなく、なかなか引き込まれる。19世紀末の小説作品として、もっと広く読まれていい。
・カール・セーガン「コンタクト」
北杜夫がやたら推していた作品。いつか読んでみようと思って延び延びになっていたものである。印象は、左程でもない。決して悪い作品ではないが、凄いとも思わない。主人公達の活躍が、全て無かった事にされていく件りはなかなか厳しく、結末で一応逆転(?)した格好になっているが、カタルシスはあまり感じない。両親との関係の方が、心に響いた。
出張中なので、感想は改めて更新する事としたい。
スポンサーサイト

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

日本から少し離れて~大陸編 (4)
このブログで数度にわたって掲載してきた中国訪問記であるが、切りがなくなってきたので、今回で終了とする。駆け足であるが、後程加筆することもあるだろう。一旦まとめて書き上げてしまう。

(承前)
一旦ホテルにチェックイン、休憩し、食事をとった後、鳴沙山に向かう。よく知られた観光地なので、ご存知の方も多いだろう。わたし達が砂漠と呼んでイメージする通りの風景が広がっている。途轍もない砂の大地だ。果てしなく広がる風景に、呆然とする。唐の時代は、この砂漠の彼方から突厥の軍がやってきたのだろうか。

IMG_2255.jpg

ここで駱駝に乗った。両足を輪に引っ掛けて、よっと立ち上がるとなかなか背が高い。時刻は既に夕方をまわっているが、敦煌の夜は遅く、まだまだ日中の明るさである。砂漠に日は落ちて・・・よくよく見るとこの駱駝、なかなか可愛らしい。降りた後、思わず首筋を抱きしめた。ちょっと得意げに澄ましている様子だった。

IMG_2210.jpg IMG_2265.jpg IMG_2271.jpg

夜がとっぷりと暮れた頃、夜市をまわる。掏摸が多いので気をつけるようにと警告される。お土産など様々で高価なものから安物まで多様であり、目移りしてしまう。今日は見るだけに収めようと、皆でシシカバブを食べる。胃がボロボロなのだが、無理して食べる。通訳のJさんは桜桃を大量に買わされていた。どうするんだ、これ。

IMG_2292.jpg

夜市を散々まわった後、蘭州ラーメンを食べる。これも無理して食す。味は・・・やや微妙。芥子ペーストのようなものがあったので、それで味を調整する模様だった。尤も、わたしの体調ではそれも叶わないのだが。

翌日。朝食はヨーグルトで済ます。心なしか、体調が大分違う気がする。博物館で観光案内のビデオを観た後、莫こう窟へ向かう。山の斜面にアリの巣のような無数の穴が開いている。世界屈指の仏教美術の拠点である。窖の中で懐中電灯を照らし、これでもかと言わんばかりの作品群にとにかく圧倒された。

IMG_2331.jpg IMG_2352.jpg

有名な反弾琵琶はそれ程目立つものではなく、ついつい見過ごしてしまいそうになるが、これに目をつけた人間は見る目がある。いいセンスをしているものだと感心した。ガイドが或る鳥の絵を指して、これはカショービンガですと解説している。カショービンガ?ああ、迦陵頻伽か。僭越であるが、訂正しておいた。
再び博物館。展示物を見学する。張騫の存在が本国ではかなり大きな扱いを受けているのが印象的だった。わが国でも世界史の教科書に名前が出るが、当地では偉大な英雄である。

IMG_2434.jpg

夜は演劇場で舞踏を観る。正直あまり関心が無かったので、渋々付き従ったのであるが、これがなかなかの収穫だった。ストーリーは昔話を基にしたもので、典型的な勧善懲悪物なのだが、衣装と舞が洗練されていてしばし幻惑された。

IMG_2487.jpg IMG_2492.jpg IMG_2506.jpg IMG_2512.jpg IMG_2516.jpg

翌日はヤルダン地質公園に向かった。荒れ果てた砂漠の中を車で進む。途中に見える草は、名高い駱駝草か。駱駝しか食べないという、鋭い棘のある植物。

IMG_2539.jpg

昼頃、公園に到着。何だこの岩は。砂地が削られ、風化していった果てに残された岩石群である。まさに奇岩と呼ぶにふさわしい。そういえば「火の鳥」で、人間がこんな岩に見えるという描写があった。あんな妙ちきりんな形状である。ここでは観光バスで、園内をグルグル観て回った(とにかく広いのである)。三蔵法師玄奘をはじめ、古の隊商もこんな岩を目撃していたのか。

IMG_2592.jpg IMG_2608.jpg IMG_2610.jpg IMG_2613.jpg IMG_2624.jpg
IMG_2627.jpg

昼食の後は東に戻り、玉門関に向かう。ガイドと西遊記をめぐり、熱っぽく語ってしまった。偉そうに、ひどいもんだね。今思えば汗顔の至りである。
玉門関といえば河西回廊の最西端。西域への交通路。ここから西には遥か彼方まで砂と岩ばかりで何も無い。だだっ広い砂と礫、あるいは先程のヤルダン地形のような風景が続くわけだ。まさに最果ての地に設けられた関所である。諸星大二郎の西遊妖猿伝では玄奘がここを迂回して莫賀延磧に足を踏み入れる。当時、突厥との緊張関係から国境が閉ざされていた為である。漫画に描かれた風景と重ね合わせ、しばし物思いに耽った。正直、諸星大二郎と、漢文、世界史の記憶があれば、充分色々語れてしまうものである。

IMG_2674.jpg IMG_2675.jpg IMG_2685.jpg IMG_2688.jpg IMG_2699.jpg

夜、再び夜市に向かい、土産品などを買う。木彫りのプレートやら装飾品やら雑多な品物が色々並んでいる。ふと、赤い手帳のようなものが目に留まった。毛沢東語録だ。日本円で四、五千円くらいか。買っていく程酔狂でもないが、手にとってパラパラと眺めてみる。と、乱丁に気が付いた。途中から頁が上下さかさまになっている。店のオバちゃんにそれを指摘すると、大爆笑。そのまま二人でしばし笑っていた。と、このオバちゃん、そのまま乱丁の語録を店頭に並べ直した。やるもんだねえ、この庶民的バイタリティは憎めない。
翌日、北京経由で羽田に向かうことになった。なかなか愉快な体験をしたこの地ともいよいよお別れである。朝方、しばしホテル周辺を散歩した。ホテル前を流れる大きな川は、冬になると干上がってしまうのだという。結構広い川なのだが、日本では想像もつかない。実にスケールの大きな話だ。さらに足を延ばすと、市役所の前で体操が行われていた。ラジオ体操みたいなものだろう。敦煌市の中心には大きな反弾琵琶の像があるのだが、この像ともいよいよお別れか。敦煌のガイドにはお世話になった。深謝したい。

IMG_2777.jpg IMG_2786.jpg IMG_2791.jpg

・・・こう綺麗に終わればいいのだが、北京空港で唖然とした。外の風景が黄色い。何だこれは。飛行機を降りるときは嫌な気分がした。この空気は吸いたくない。それにしても北京の税関は時間が掛かりすぎる。とんでもない行列だった。しかも空港がやたら広く、迷いそうになる。冷汗三斗の思いで何とか飛行機に乗り、何とか帰国の途に着いた次第である。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

仏検騒動記
落ち着いたので、報告する。
仏検二級に合格した。正式名称を、実用フランス語技能検定試験という。何故受かったのかよくわからない。
これまで、特に当ても無くだらだらとフランス語を眺める日々を送っていた。到底、勉強と呼びうる行為ではない。だがある日、仏検のサイトで二級の過去問を覗いたところ「あれ?これなら受かるんじゃないか?」と思った。単純なきっかけである。
とはいえ、受けるからにはそれなりに準備期間も必要である。余裕を持って一年後の試験を受けようと思い、問題集を購入。過去問を解き始めた。それなりにハードではあるが、地道に学習に励む。だが、勉強を進めているうちに、「あれ?ひょっとしてこれ、3ヵ月後の試験に間に合うんじゃないか?」と思うに至った。魔が差したと言おうか。そのまま願書を出してしまった。もう引っ込みがつかない。やるしかない。駿河台出版社の過去問を繰り返し繰り返し解き、電車の中でも問題集と睨めっこをしていた。
試験はペーパーテストばかりではない。聞き取り問題もそれなりに高度になる。リエゾン、アンシェヌマンに頭を抱えながら、ディクテを続けていった。世の中にはディクテに賭ける猛者もいるらしく、奥の深い学習テーマである。ただ、他の人も指摘しているが、この出版社のディクテはあまりにも難問過ぎる。よいトレーニングにはなるだろうが、同様にこれを活用している学習者の諸氏は、聞き取れないからと落ち込まないほうがいい。
さて、試験当日である。あっさりと熱を出した。困ったね。どうしたものか。それでも何とか持ちこたえられそうだと、会場に赴いた。意地というしかない。悪寒を耐えながら試験開始。五分ほどたった後のことである。突然悪寒が吹き飛び、頭がクリアになった。変な緊張から生まれた症状だったらしい。急激な体調の好転で、その後は気分よく臨むことが出来た。
さて、試験の内容である。語彙の問題は穴埋めに戸惑うが、わからなくてもとにかく書き込む。長文問題は読み進んでいくうちに内容が理解できた。問題集よりは遥かに易しい。終ってからの感触は、「まあまあ」かな。
休憩を挟んで聞き取り問題。ディクテは割合何とかなったが、こちらでも穴埋めに戸惑う。どうしても一問だけわからなかった。さらに、長文聞き取りによる内容一致問題は、大分焦った。三度目の朗読で聞き間違いに気付き、時間制限直前に解答を訂正する。大丈夫か?
そんなこんなで何とか試験終了。会場を出ると解答が配られている。早速答え合わせ。ざっと見直した後のわたしは、きっとこんな表情だったに違いない。

kinmoza_exam02s.png

帰路、少し冷静になり、もう一度検証する。まず筆記試験。前置詞は完璧。穴埋めは時制の部分でかなり落とした。長文問題は一問落としたが、ほぼ完璧。聞き取りは運を天にまかせるしかない。
数ヵ月後、一次試験合格発表。落ちたものと腹をくくり、HPを閲覧する。
・・・・・・・・・・・・あれ?受かったよ。合格ラインが59点のところ、73点。比較的良い成績だった。
二次試験の準備をする。こちらは面接である。どうしよう。取り敢えず、聞かれそうな事柄を予想。日本語で回答を文章化し、辞書と睨めっこしながら仏訳する。聞かれることは凡そ決まっている。趣味は?子供の頃の環境は?家族は?等々。あまり込み入ったことは答えない。平易に多くのことを語る。だが、熱が入っていくうちに、やたら回答が長くなってしまう。困ったね。これじゃ覚えられないぞ。
面接の時間は五分と決まっているため、解答が短いと面接官からの質問が増えてしまう。あれこれ聞かれているうちに、馬脚を現すこととなる。アドリブで対話できる能力など持ち合わせていない。かといって、長過ぎると覚えられない。程々にまとめてひたすら暗唱に努めた。
さて試験当日。面接担当は若いフランス人と、壮年の日本人だった。仕事のこと、趣味のことを聞かれる。上野にクラナッハ展を観に行ったことなど話す。だが、五分間は短いようで長い。途中で頭が真っ白になり、なかなか答えられなくなった。沈黙だけはしなかったものの、まずいぞ!これは。

kinmoza_exam02s.png

かなり精神的ダメージが大きく、帰路、あれこれ思い悩み、路上でしゃがみ込んでしまった。自己嫌悪に耐えられない。次回の試験はいつ頃だろう。取り敢えず一次試験は免除される筈・・・と色々考えながら、翌月の合格発表を迎えた。大丈夫、次は面接の準備だけを徹底させればいい、と自分を励ましながら、HPを閲覧する。
・・・・・・・・・・・・あれ?受かってる。合格基準点ギリギリだったが、合格には違いない。あれ?あれ?あれ?
以上が顛末である。まともに勉強したのは試験の三ヶ月前からで、同じ方法を人に薦める自信が無い。正直、何の参考にもならないと思う。まあ、見方を変えればわたしのような頭のヌルい人間でも受かったのだから、この駄文を眺めている方々ならば、もっと要領よく合格できるのではないか。機会があれば受験してみては如何。

IMG_4570s.jpg

使用テキスト:
「仏検対策2級問題集」白水社
「完全予想 仏検2級 筆記問題」駿河台出版社
「完全予想 仏検2級 書き取り・聞き取り問題」駿河台出版社
「フランス語のシッフル(数字)なんてこわくない」駿河台出版社

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

日本から少し離れて~大陸編 (3)
3日目の朝方、ホテルの周りを散策する。杭州周辺の町並みや雰囲気は、日本と左程変わらない。前日、スーパーで買い物をしたら、勧誘の声をかけられた。言葉が通じるものと思われてしまうのは致し方ない。

IMG_2076.jpg IMG_2102.jpg

本屋に入ると、ガルシア・マルケスの書物が並んでいるのが目を引いた。この国でもよく読まれているのだろう。「百年の孤独」は、日本と同じ、ほぼそのままの題名である。

IMG_2112.jpg

夜になり、体調を崩してぶっ倒れた。激しい腹痛と発熱、下痢である。豪華すぎるもてなしが祟ったか。まあ、それは冗談であるが、おそらくは腸炎だろうというのが自己診断だった。取り敢えずバファリンをがぶ飲みする。一晩中苦悶にのた打ち回った結果、熱だけは下がった。その後も薬で症状を抑えながら、翌朝、飛行機で次の目的地へ急いだ。敦煌である。
敦煌は井上靖の小説と佐藤純彌監督の映画でわが国でもその名はよく知られている。私は映画の方をテレビ放映で見たが、お世辞にもよい出来とは思えなかった。この監督は、フィルモグラフィを見てもわかるように、大味な大作ばかり撮る人である。このことは、以前にも記したので、これ以上繰り返さない。

IMG_2118.jpg IMG_2125.jpg

さて、敦煌である。直行便は出ていない。よって、西安で飛行機を乗り継ぐこととなる。機内から見た祁連山の白い山並みが美しい。早朝に杭州を発ち、昼には敦煌空港に降り立った。乾いた空気が心地よい。腹の調子こそ良くないが、何とかなりそうである。
まず、目を引くのが地平線である。本物の地平線を見る機会など滅多に無いものだ。世界が果てしなく広がっている。ここが大陸であることをいや増しに実感する。

IMG_2132.jpg IMG_2128.jpg

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

状況 2017.2.22
安倍晋三記念小学校の話題が漸くマスコミでも取り上げられるようになってきた。しかし、水道民営化、種子法の廃止と言った話題はあまり聞かれることがない(流石に共謀罪はある程度取り上げられているが)。規模の大きい悪行、グローバル資本のために行われる悪行は優先的に隠蔽されるということか。とはいえ、件の愛国幼稚園で、譬喩でない事実として児童虐待が行われていたとなると流石にこれは看過するわけにいかない。汚物を持ち帰らせるなど虐待以外の何物でもない。何かのプレイのつもりなのか。
これを皮切りに、水面下で行われていた安倍政権の全ての悪事を白日のもとに晒して欲しいが、期待するだけ無駄なのがこの国の現状である。その意味で「日本スゲー」というのは間違ってはいない。本当にスゲー国だ。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記



プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター